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クラスメイトと会話

「…さ…くん……霧埼君っ!」

「ん………だれ………?」


誰かに揺さぶられている。

武尊はゆっくりと体を起こす。

目の前には目を引く美少女。

黒い髪はショートボブに整えられ、くりっとした目、シュッと通った鼻筋に、小さく口がチョコンとついている。

身長は平均的な身長見受けられるスレンダーな体系をした少女だ。

誰だったかな………?と首をかしげる武尊にその少女は………


「ひどいよっ!?同じクラスの龍堂明日香ですっ!!!」

「あぁ………どうしたんだ……?」


ふと周りを見てみると、談笑しているクラスメイトが視界に入る。

時間はすでに昼休み。

普段は仲の良い友達たちと食事を共にしている時間だ。

どうやら授業の最中いつの間にか眠ってしまっていたらしい。

ふわぁっと一つあくびを噛み、再度少女を見る。

何度見ても目を引く美少女と言った感想しか浮かんでこない。

そんな少女が何の用だ………と首をかしげる。


「ほら、今週末に試験あるでしょ?よかったら一緒に回ろうって。」


今週末。

始業式から二週間。

だいぶ早いが剣聖学園では試験がある。これは新入生でも例外ではない。

春休みが終わってすぐに試験はなく、ある程度時間がたったこの時期に試験がある理由は単純で、実力を図るための試験らしい。

筆記はまた別に執り行うとの事だ。


「別にいいぞ。特に誰と組むって予定もないしな………。」

「やった!じゃあ、顔合わせもかねて一緒にご飯食べよっ!」


いちいち元気な子だな………と彼女ーーー明日香を見る。

今週末にある試験だが、四人で組んで行う団体戦だ。

学年ごとに団体を組み、乱戦形式、または学年内対抗での戦闘試験だ。

結果次第ではクラス替えもあるというこの試験ーーー特に弱いものと組む理由はないはずだ。


ーーーまあ、そのうち分かるか………。


明日香の考えていることは分からないが、何とかなるだろ………と楽観視している武尊。


「へぇ、君が噂の霧埼君か。僕は遠藤えんどう 智樹ともきよろしく。」

「ん?あぁ、よろしく………。」


まず最初に目についた男ーーー智樹と握手を交わす。

智樹は笑顔で武尊に手を伸ばす。

男にしては中世的な顔立ちの小柄な男子だ。

武尊も一瞬女……?と勘違いしてしまったが、制服を見て男子だと気づいた。

それにしても噂………?と首をかしげているともう一人の少女ーーー


「剣聖学園にいる落ちこぼれって話だよ。あ、ごめんね。アタシ川島かわしま 加奈かな。よろしくね。」

「なるほど………よろしく。」


水色のメッシュを入れたツーサイドアップの髪形をしている少女だ。

スレンダーな体系と言っても明日香と比べると胸囲が残念なことになっている。


「ちょっと………何か失礼なこと考えてない………?」

「いや………特に何も考えてないが……?」


ギロリと擬音が付きそうな視線を武尊に投げかけながら加奈は、はあっとため息を一つつく。


「そんなことよりっ!みんなでご飯食べよう!!お腹すいちゃった!」


明日香は手をパンっと叩き、弁当を広げだす。

机を四つくっつけた机にはすでに二つの弁当が広げられている。

武尊はそんな明日香にならい、持っている弁当を広げる。


「それより、今週末の試験のことだが………なんで俺を誘ったんだ………?」

「あぁ、人数がちょうど1人足りなかったんだ。そこで、一人で寝てる霧埼君に声をかけたってわけ。」

「なるほどな………。まあ、ほどほどに頑張るよ。」

「ちょっと、ほどほどじゃなくて精一杯って言ってよね。一応進級できるかもしれない試験でしょ?霧埼は上のクラスに上がりたくないの?」

「今のところ、興味はないな。」

「えぇっ!?冗談きついよ霧埼君っ!上のクラスの方が絶対楽しいよっ!」

「そうだね。上のクラスに行けばそれ相応の待遇があるし、下のクラスにいる意味の方が少ないんじゃない?」

「そうよ。だからみんな試験に向けて比較的成績の良い子と組んでるわけだし。」

「そういわれてもな………。」


剣聖学園では上位のクラスに行けば行くほど待遇が違う。

五つのクラスに分かれているが、最底辺のDクラスにはまず学校の設備を使う権利がない。

一つ上のクラスでは設備こそ使えるが学食などはBクラスから上の者が大半だ。

学食にもし行っても下のクラスの者は白い目で見られること間違いなしだ。

剣聖学園では特に学食に力を入れており、二階建ての大きなホールの形で作られている。

Sクラスは二階にある席を利用し、ゆったりとした空間で食事ができるようだ。

しかも、Sクラスは食事代も無料と、好待遇で迎えられている。

ちなみに、エリスも愛奈もSクラスだ。


「まあ、私たち三人いれば試験なんて余裕よ。アンタはやられないように逃げ回ってくれるだけでいいの……。簡単でしょ?」

「加奈っ!?もう………ごめんね。加奈も悪気があって言ってるわけじゃないから。」

「いや、事実だしな。まあ、川島がそう言ってくれてるから、やられないよう頑張るさ。」

「あははっ。まあ、僕は防御が得意だから危なくなったら、僕のとこに来てよ。しっかりと守るから。」

「期待してる。」

「もう………。」


なんだかんだ、和気あいあいとした食事は終わる。

Dクラスでは座学こそ教師が担当してくれるが、実技になると完全に自習だ。

その間一緒に訓練しようという明日香の提案を断りつつ、武尊は一人で次週に励むのだった。

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