プロローグ Три
涼しげな大気の中、ポツポツと降る粉雪の中で目覚めた。ここは雪原らしい。手鏡が手元にあった。どうやら私は18歳の頃に戻っているらしい。能力の確認をする。
「…兵器召喚。」
私の愛用していたシモノフM1936を手に取る。どうやら兵器召喚と呟いた瞬間に思い浮かべていた兵器が実体化するらしい。もう一つ試してみよう。
「人員召喚。」
ざっと百名の武装した人間がパッと現れた。ついでに紙切れも現れたので手に取ってみる。
《ごきげんよう。同志アリエフ、俺だ。一つ言っておこう。一度に大量召喚は禁止されているので一度に召喚出来るのは百名。レベル制で今は百名以上は召喚出来ない。今のレベルでは装備ているのも革命時の装備のみだ。兵器召喚もレベルが上がれば未来の兵器が召喚出来るが今は1936年までだ。では、フセヴォー ハローシェヴァ(ごきげんよう)。追伸 レベルはレベルと念じれば脳裏に浮かぶぞ。ウラジミール・レーニン》
なるほど。では早速
ピョートル・セルゲイヴィッチ・アリエフ 男
人員召喚 レベル1 100/100
兵器召喚 レベル1 1936年
銃 レベル999
ライフル レベル999
剣術 レベル999
杖術 レベル999
武術 レベル999
弓術 レベル999
???
???
???
???
???
???
???
???
...幾つか不明な箇所があるがまあ納得した。魔法が無いのはそこはやはり元地球人だからか。
「同志アリエフ閣下。」百名の中から紅い鉢巻きを身につけた女が進み出る。
「先ず貴官の名を伝えてくれ。」
「本官はマリア・グレンコワ、同志レーニンより元帥閣下の副官を承った者です。」敬礼しながら言う。
「宜しい。では要件を。」
「先程、猛獣が馬車を襲っているのをイゴール少尉が見かけたと報告に来た次第で。」
「そうか。では救援に行くぞ。」
「はっ。」
異界に来てからの初仕事だな。
誤字脱字の報告、そして感想待ってます。