とりあえず、結婚しとく?
宿にもどり、レイアの追加分のお金を渡すと手持ちのお金も銀貨数枚になってしまった。
レイアはよほど疲れたのか夕ご飯も食べずに寝てしまった。
さてさて、これからどうするかな。
基本方針は変えないのでこれから冒険者として稼いでいくのだが、レイアをどうするか。
鑑定を使うと
レイア LV1 HP 120 MP 32 ATK 3 DEF 5 MAG 35 AGL 20
スキル:癒しの心、モンスターテイム
能力を見るに普通の子で、回復系の魔術士タイプなんだろう。この能力値でいっしょに旅をするとなると、正直危険が半端ない。といか高確率で死んでしまう。
かといって一人で行動させるのも危ないし。どうしたもんか。。。。
長い間悩んでいると、ふと以前自分を鑑定した時に増えていたスキル【マジックエンゲージ】を思い出した。
【マジックエンゲージ】:契約者に魔力を自由に付与する。効果は永続。
スキルは一度使用するとなくなる。 上限は主使用者に準ずる
そして、それ同時に師匠からもらったアイテム、スキルトレースを使用して【マジックアーツ】を取得させる。このコンビネーションなら、俺の魔力を付与してそれを能力アップに回せば、自分の命を守ることぐらいはできるはず。森であったコカトリスが上位の魔物ということなので能力値について、そこは問題ない。問題があるとすれば【マジックエンゲージ】の契約方法である。
これは名前の通り一種の結婚みたいなもので、誓約のキスが必要となる。
それで魔法的にも家族という関係が築かれ魔力のやり取りができるようになるのだ。
【マジックエンゲージ】の下位互換のスキルで【マジックロバー】を使うという手もあるが、先が読めない以上能力値の底上げはしておきたいので却下する。
まぁ、考えれることは考えた。気づいたら夜も深くなっており、俺も寝ることに。
明日、起きたらレイアに相談だ。
翌朝目を覚ますと、レイアが起きていた。
俺の方針と、昨日考えたこれからのレイアのことを伝えると。
「レイアはクロノと結婚する。」
「意味わかって言ってるのか?」
躊躇なく答えるレイアに、俺はびっくりする。
俺としてはレイアを幸せにすると決めた以上、レイアのことを見捨てるつもりはない。
けど、これとそれはイコールにはならない。
「うん、わかってるよ。ずっとクロノといっしょにいるってことでしょ。それなら問題ないよ。むしろ、ずっと一緒にいたい。」
目をキラキラさせ、疑うそぶりをまったく見せずに答える。
「わっかったよ、まぁ、ホントの結婚うんぬんは置いといて、この【マジックエンゲージ】は使うことにしよう。俺もできるならずっと一緒にいたいからな。」
「結婚もしてもいいのに。」
口をつぼめてやや不満そうに答えるレイア、でも顔は笑うのを堪えてるのが見てわかる。
「それじゃ、早速始めよう。照れるかもだけど目を瞑って、レイア。」
「うん!」
嬉しそうに答えるレイア、それを聞くと
「我が名はクロノス、御身の前で我はこのものレイアと共に歩むことを誓う。そして、いかなる時もこのものを助け、命を魔力を注ぐことを誓う。我らが父よ、我らに心の絆を与えたまえ。」
スキル使用の詠唱を行いレイアと唇を重ねると、レイアの魔力を感じることができるようになった。
そして、今確かにレイアとの魔力の回路をイメージすることができる。
続いて、スキルトーレスで【マジックアーツ】を取得させ、魔力回路を伝い魔力をレイアに渡す。
量としてはコカトリスより上位の魔物が集団で攻撃してきてもダメージを追わない程度にしておく。
あまり強力すぎて魔力暴走したりした目もあてられない。
そして、まだ魔力制御の「せ」の字もわからないレイアのために、回路を通じ俺が付与した魔力を全部、防御へとまわす。これぐらい俺にも可能だし、言ってしまえば制御の訓練にもなる。
確認のため鑑定を使うと
レイア LV1 HP 120 MP 32 ATK 3 DEF 905(+900) MAG 1035(+1000)
AGL 20
うーん、若干制御が甘いせいか、全魔力を防御にまわせていない。やはりまだまだ修行だな。
こうして、ようやくレイアの戦闘準備ができたのだが、控えめにしたつもりの防御力が実はとんでもなかったというわかるのはまだまだ先の話である。
師匠へ なんだか師匠の思惑にのったみたいで悔しいですけど、スキル助かりました。
別にお礼なんてしないんだからね。
拙い文章ですみません。
がんばって更新していきますので、よろしくお願いします。
次回も 明日17:00更新予定です。