最終決戦 起
「さぁ、始めようか」
男がそういうとあたりの景色が荒野へと一転した。いや、魔力からみて俺たち二人が転移したんだろう。
「ここなら邪魔はこないし、どんだけ破壊しても問題ない、すきなだけ殺しあおう」
「えっと、盛り上がってるところ悪いんだけど、ルールはどんなんてんだ?」
対象同士の一騎打ちとは言ったが細かいルールは決まっていない。
「決まってるんだろ、どちらかが死ぬまで戦って残った方の勝ちだ。死んだ陣営のメンバー、といいてもお前は一人か、俺たちが負ければ邪神族はあの世界への干渉ができなくなる」
あの世界? ここは別世界ってことなのか。
「それは誰が保証してくれんだ? お前たちの口約束を信じろと?」
「そこから説明しなきゃならんのか、お前はあの方の弟子なんだろう?」
「師匠が関係あるのか?」
「あるもなにもあの方は神だ、俺たちの様な名前に神がつくだけのようなまがい物ではなく本物の。そして数ある世界を見守る存在でもある。もちろん、俺たちの故郷をも見守っていた、いや見ていただけだが」
「そしたらお前は師匠に対して恨みがあるんじゃないのか? 助けてもらえなかったんだから」
「確かにないといえばうそになるが、あの方と話をした後はそれが当然と思えたのだ、そうあの方はただ見守るだけ。道を示すことはあっても導くことはしない。世界に住む生命体とは違う次元にいる、存在、神なのだから」
師匠は一体何がしたいんだ?こいつらを倒せと言ったと思ったらそいつらは過去師匠が救った連中だし。
「あの方は俺たちに別世界の存在を示してくれた、だがそこに平和的な道を示された、が俺たちの大半は納得できなかった。なぜ、劣った種に遠慮が必要なのか、と。俺も大将なんてものをやってるが神輿みたいなものだ。俺の意見が絶対、なんて集団じゃない。個の欲望が渦巻き、次第にそれが大ききくなり一つの種族としての、全体の、個の欲望となり、俺たちは黒く墜ちた。運よく途中で抜けたれたやつもいる、お前が迷宮であった奴らだ。けれど俺たちは止まれない、だから殺すか殺されるかなんだ」
「なるほどね、お前たちの状況はわかった、でそれでどこに師匠が関係するんだ?」
「それは私から説明しよう。」
いきなりあらぬ方向からの声に俺は驚愕し、一拍おいてそれが誰の声か思いだせた。
「師匠? なんでここに?」
「さっしの悪い子だね。ラノベ的に考えたら、私が審判して負けた方を絶対的な力であれこれするんじゃないか」
「はぁ」
いやいや、納得できないよ。
「とりあえず、二人は戦いな。そのごの処理は私がしっかりとやってあげるから。もちろん殺すつもりで構わないよ、どうせ最後には生き返るから」
「「えっ」」
「早くしなさい、私も暇じゃないのだよ」
「はい、師匠。では、いざ勝負」
こうしてよくわからないうちに最終決戦が始まった。




