とりあえず、冒険者になっておこう
第4話となります。1話当たりの文章を減らそうか考え中です。
査定が終わるまでの間、イレーネから冒険者とギルドについて教えてもらった。
だいたい思っていたとおり、よくラノベにある設定だということが確認できた。
冒険者にはランクがありF~SとなりFが最下位ランクでSが最上位ランクとなる。
Cランクで一般的な冒険者、Bランクだと一流とされる。Aランクに関しては、国に数人いるだけとなる。Sランクは設定されているが、現在においては該当者はいないみたいだ。
また、パーティにもランクがあり、こちらも冒険者と同じくF~Sがある。
個人の能力というよりも、チームとしての能力が問われるので、全員がCランクでも連携やバランスが良ければBランクパーティーになれし、逆に全員がBランクでもパーティーとしてはBという場合もありうる。
冒険者は依頼をこなしたり、魔物の魔石、素材をギルドや商店に売ることでお金を稼ぐことができる。そして、登録はだれでもでき、簡単であるから査定の後やっておこうという流れになった。
「イレーネさん査定が終わりましたよ。」
食事も終わり、会話も落ち着きかけた頃に受付嬢が声がし、また受け付けまで案内される
「Cランクの魔物も何体かいたましたので合計で金貨4枚となりますね。最近白い翼は順調ですね。このままいけばBランクもすぐでは?」
「いえいえ、私たちはまだまだですよ。先日も森の奥でコカトリスらしき魔物に襲われ全滅しかけましたし。この子がいなければ帰ってこられなったわ。」
顔を少ししかめたイレーネが言うと、受付嬢が
「コカトリスですか?イレーネさんたちが探索したのは東の森で間違いないですよね?イレーネさん達が抵抗できないとなるとBランク上位のコカトリスで間違いないでしょう。似たような別の魔物ということは考えにくいですね。しかしあの森でコカトリスが出現するとは聞いたことがないです。なにか嫌な感じがしますね。もちろん偶然であればいいのですが、とりあえずこの件は他の冒険者にも注意をしておきます。」
「そうですね、それがいいかと。私たちも東の森での探索には慣れていましたので、かえって今回の遭遇にはかなり驚きましたし、実際戦った感じとしてここのギルドにいる大半のパーティでは太刀打ちできないと思いますので。」
「貴重な情報ありがとうございます。しかし、そんなコカトリスを退けたその子が気になりますね。ご紹介してもらっても?」
「はい、ちょうど冒険者に登録したいと言っているのでよろしくお願いします。」
「わかりました。ではこちらに名前、年齢、種族、戦闘スタイルをお書きください。戦闘スタイルは問題なければで結構です。」
登録用紙を渡されたので、筆をとると、
「どうやってコカトリスを退けたのですか?差支えなければお教えください。」
興味本位か仕事なのかわからないが、尋ねれたので俺は筆を走らせながら
「マジックアイテムですよ。師匠からもらったもので貴重なものでしたが、人命には変えられないと思い使用しました。唯一の物でしたので、今は手元に有りませんが。」
魔法ということは明かせないので、無難な受け答えにしておく。
イレーネにもこういう説明になっているので問題はないだろう。
「なるほど、確かにコカトリスを退けさせられるとなると大変貴重なアイテムになりますね。失礼ですけど、他にもなにかお持ちですか?」
「あとは、、、そうですね、マジックバッグを師匠からもらいました。容量としては小部屋一つ分ぐらいですかね。」
俺の持っているマジックポーチはこの世界では相当レアになるのか、白い翼のメンバーにそれとなく探りをしれてみたが知らない様子であった。ただ、マジックバッグという、容量が限定的で時間経過もあるものは高価ではあるが一流の冒険者や貴族なら所有しているらしい。なので、ここではマジックバッグと答えておいた。答えと同時に登録用紙も渡すと
「そちらも貴重なものですね、ずいぶんやさしい師匠をお持ちでうらやましいですね。」
などと社交辞令でも言われ、修行に日々を思い出すと、とても師匠をやさしいとは・・・・。
「最後に血液をこのカードに垂らしてもらえれば登録は終わりとなります。細かいことイレーネさんから伺っている様子なので省略させてもらいますね。始めはFランクからのスタートなります。いきなりの魔物との戦闘が不安であればギルド裏に修練場もありますのでご利用ください。」
本当に簡単だったなと、カードを見て思う。悪用されたりするのでなくさないように、とのことだ。
「クロノはこれからどうするの?」
「とりあえず予定も目的もないからお金を稼いで、装備品やらなんやらそろえようかと思っているけど、まぁいわゆるその日暮らしってやつかな、ははは」
「なるほどね、あなた剣の腕もいいし、よかったらうちのパーティーにどう?」
「遠慮しておこうかな、しばらくはソロで活動したいし。きままな生活を楽しもうと思うよ。また、気が向いたら声をかけてよ。その時はいっしょにどうかな?」
「そう、残念ね。当分は私たちもこの町、ビギンの町で活動してるからそっちも見かけたら声をかけてちょうだい。」
短い間だが、俺の性格を感じ取っていたのかさして残念がってはおらず、むしろ予想通りといった感じで答える。この世界で初めて出会ったイレーネは話が合いそうだ。またなにかあれば一緒にクエストをこなしたりしてみたいな。
「あっ、そういえば、イレーネって何ランクなんだ?」
「言ってなかったかしら、私はBランクよ、これでもこの町じゃちょっとした有名人よ(笑)」
なるほど、BランクのパーティーリーダーのCランクパーティー、一緒に行動するには俺もランクあげないとね。まぁ、しばらくは気の向くままの生活をしよう、長い修行のご褒美と情報収集だと自分に言い訳する。
「それと、魔物討伐の分け前だけど、はい!」
と、報酬の金貨4枚全てを俺の手に握らせる。
「多くないか?」
俺は最初に助けた時以外は補助的なことしかやっていないし、メンバーも5人だ。分け前としては多い気がする。
「いや、助けてもらったお礼に、私たちのために使ってしまったアイテムを考えるとね、これでも足りないぐらいよ。」
あ、そういえばそんな設定にしていたな。それにしても、これはちょっと気まずい。
お金があるにこしたことはないが、後味の悪いのはいただけない。それならと
「はい、これが道案内と情報に対するお礼だ」
そいって3枚の金貨を返す。
イレーネが何か言いたそうだったので、
「多すぎるというなら、また俺が困った時に助けてくれよ。そんな思惑もあるってことで。」
納得したのか、納得したように見せたのかわからないが
「わかったわよ、それじゃこれで。なにか困ったことあったら遠慮せずに言ってね。」
しばらくの軍資金は手に入れたので、この町の拠点となる宿を探すことにしよう。
イレーネに紹介してもらった宿もよかったのだが、ちょっと高い。できたらもう少し割安でいい宿を見つけたい!
師匠へ 師匠、本当なら早く修行をしたいけど、しばらく休憩させてください。
ちょっとつかれました。
3日連続投稿です。このままのペースでがんっばて行きたいです。
毎日17時更新の予定でいます。
現実世界の方でなにもなければ、そうなるはずですのでよろしくお願いいます。