オーク襲来
俺が門につくとレイア達4人はすでにそこで待機をしていた。
「ごめん、みんな待たせたね。でも初日にふさわしい依頼持ってきたから。」
依頼票の写しを見せると、
「クロノ、それでどの方面に行けば魔物が大量発生ししているのです?」
「・・・・」
「・・・・」
し、しまった。うっかりして情報を聞き忘れてた。でも、違約金も明確な期限もないわけだし、いきあたりばったりでもいいかな、とか通じないかな? ソフィーには・・・・。
「まったくクロノは抜けてるわね、食堂でたまたま聞いた話だけど、どうやら王都の東の地域に大量発生しているみたいですわ。それこそ魔力感知を広げて確認してみたらどうですか?」
あ、確かに。魔力感知すれば問題ないことに気づく。試練の塔をクリア|(?)して少し気が抜けているのかな。戦闘中は気を付けないとな。何が起きてもいいように注意だ。と、感知にひっかかる集団がいくつかあった。そのなかでも他の冒険者と相対してない集団へ俺たちは向かうことにする。
向かった先には50近いオークがいたが、結果だけ言うと俺たちのパーティーの敵ではなかった。いくら数が多くなれば一端の冒険者にでも脅威になると言われるオークでも、余裕で殲滅できる。が、しかしいくつか気になる点がある。一つは普段連携や協力ということをしないオークたちが今回の戦いでは妙に連携がとれていたこと、もちろん上位腫種がいれば普通なのだが今回はすべてオークであった。
いくら考えても答えはでないし、考えすぎということもある。それに俺はまだまだ冒険者としての歴は短い。こういうこともたまにはあるかもしれない。と思考をきりかえギルドへと戻ることに。レイアとソフィーはなんだか物足りなさそうにしているが、あえて気にしないでおく。下手なこと言うともうひと集団殲滅すると言い出しかねない・・・・。君子危うきに近寄らずだ。
「ゴブリン・オークの討伐依頼の終了ですね、こちらでは特に確認等はありませんのでこの終了証を持って買い取りカウンターへ行ってください、そちらで追加報酬が発生する場合は一緒にお渡しいたします。」
証明書をもらい、素材を売りに行こうとすると、そとから大きな物音がする。物音がすぐ間近になるとギルドの扉が勢いよく開く。そこには数人の男、冒険者が立っている。全身で息をするかのように、そして顔もみな青白い。一体何があったんだ。と俺が考えるよるも先に
「た・た・たすけてくれーー!」
男の声がギルドにこだまする。そして間髪いれず次の言葉を発した、
「西の門の、先に、オークキングが、たぶんあいつはキングだ、ジェネラルではない、そいつが集団を率いてやがる」
息を切らせながら冒険者が声を絞り出す。
「今別の連中が食い止めてるが、正直力不足だ。頼む、だれかあいつらの力になってやってくれ。」
最後まで話すと男は力付き、倒れ込んでしまう。命に別状はなさそうだが、ひどく衰弱しているようだ。男の魂の声に対して、周りの反応は薄い。というよりもだれも声が出せないでいる。それもそのはず、たかがオークであってもキングとなるとAクラスで構成されたパーティーがいくつか組んでレイドを組み、さらに後方縁組を用意して討伐に向かうレベルだ。
そんななか沈黙を破ったのは一人の受付嬢であった。
「私は城へ報告に行きます。王都の誇る騎士団であれば討伐も可能でしょう。みなさまもよろしければ討伐の助けをお願いしたします。報酬に関しましては後程ギルドマスターから報告がありますので。どうぞ、この王都をお守りください。」
受付嬢の声を聞くと腕に自信のあるであろう冒険者たちが外へ駆け出していく。さて、俺たちはどうするかな。正直倒すだけなら問題ない、俺・レイア・ソフィーなら単騎でも余裕だ。しかし、ここで目立つのは主義ではない。なので俺とレイアは普通に参加するつもりはない。とソフィーに目を向けるとうずうずしている。ランクを上げたいのかな? そういえばであった頃にそんなようなことを言っていたような・・・・。
「あ、クロノ、私参加したいと思うのですがどう思います?」
「うーん、ソフィーは俺の奴隷ってわけでもないし、好きにしたらいいと思うよ。ランク上げたいんだろ?」
「ありがとうございます。それでは私は一度このパーティーを抜けギルドの方に合流したいと思います。」
「おう、わかったよ。でもくれぐれもあれ(・・)は内緒だよ。あとできたら俺たちの強さも内緒で。」
「はい、それではこの戦が終わったら今使っている宿で集合しましょう。それでは」
「「「「気をつけてね」」」」
次回も11/7 18:00頃更新です。
感想やこうしたら話が面白くなるなどご意見もらえるとありがたいです。
自分ではキャラがおとなしすぎるのかなとも思ってます・・・・。




