とりあえず、街へ
本日2話目の更新です。話が軌道に乗るまでは1日1話ペースで更新したいと思ってます。
転移されたのは森の中であった。
いや、なんで森なんだろうか?町の中のがありがたいのに。
師匠のサプライズ?お約束ってやつ?
などと考えつつ、とりあえずは情報を整理することに。
まずは現状把握。着ている服や武器が先程まで身に着けていたものと違い、さらにはなんだが体に違和感がある。てっとりばやく、鏡で確認する。
もちろんて鏡を持ち歩くとかいう女子力はないので、魔力を水に変化させ目の前で固定する。
するとそこには中学生ぐらいの、黒目、黒髪の少年が村人A的な服を着ている姿がある。
腰には鉄製の短剣が2本とポーチが1つ携わっている。
ポーチの中を見ると手紙が1通ある。中を見ると
「やぁ、クロノス。新しい”じんせい”へのスタートだね。そんな新たな旅立ちを祝ってスキル以外にも素適なプレゼント用意しておいたよ。まずはこのポーチ、【マジックポーチ】と言うもので容量は無制限で中では時間も止まる。」
これはもう定番だな。ラノベ・冒険ときたらこれがないと駄目だ。
あとはこれがどれぐらい貴重かどうか町で調べないとな。
「次に【スキルトレース】、これは君の選んだ人に一つだけ君の持っているスキルをコピーすることができる、貴重なものだから大事につかっておくれ。」
大事な人ね、ずっと師匠と2人だったからイメージできないけど、ありがたくもらっておきます。
「最後に【神の目】、これは私が作成したもので、君が知りたいことを知ることができるようになるマジックアイテムだよ、そして最期、【錬金術の書】これはただの参考書さ、気になるなら使っておくれ。」
いわゆる鑑定だね、これも助かります師匠。なにも知らない世界では情報はあるだけ欲しい。
これは早速使ってしまおう!!
そして、錬金術の書とは。師匠は俺に何をして欲しいのだろうか。とりあえず、こちらも時間があれば調べてみよう。師匠のことだから無意味なことはないはず。
それにしても直接話してくれたよかったのに、師匠は照れくさかったのかな。
でも、気持ちはありがたいし、師匠の気持ちに応えたい。もっともっと精進して強くなるか。
これで終わりかと思ったが、手紙の裏を見ると師匠からのアドバイスがあった。
ざっくり言うと、俺に足りないものは「魔力の制御能力」と「戦術」の2点で、魔力はこのまま成長させれば問題ない。魔力という点だけでなら師匠と差はないということらしい。
とにもかくにも修行の前に、まずはこれからの生活をどうするか考えなければならない。
考えをまとめようすると近くに魔力の反応があることに気づき、興味本位でそちらの反応のする方に駆けていく。
シチュエーション的にモンスターかなとも思ったが、魔力は大したことないのでいざ戦闘になっても大丈夫であろう。
森を進んでいくと、30mぐらい先で鳥型の魔物が4人の冒険者らしき男女を襲っているのを発見した。
うーん、魔力探知した時には魔力小ささのためか気づかなかった。
やはり、制御が甘いのかと落ち込む。
そして目を凝らしてみると、冒険者たちの防備はボロボロで、このままでは力尽きるのも時間の問題であるのが明白だ。
新しい世界に来てからの初の戦闘。しかも、師匠はでたらめだったけど人であった。だが今回の相手は魔物、魔力は大したことないが、すこし気を引き締める。
でっかくなので先取得したスキル、【鑑定】を使ってみる。(設定は簡易情報のみ)
コカトリス LV67 MAG 165 スキル:石化攻撃
これが強いのかがわからないが、探知で感じた通り、魔力をみてもとるに足らない相手だ。
ただ、状態異常の攻撃、これは師匠の特訓では一回も見なかったな。
知る必要がなかったのか、忘れていたのかどちらにせよ石化には注意し先制攻撃で仕留めることにするか。
素材とかもとれるのかな?と期待し、わずかな魔力の炎を指先に灯し、コカトリスの動きに合わせ振りかざす。種火がコカトリスに触れると一気に魔力が収束し、爆発を起こす。
そしてあとには何も残さない。残さない、では駄目である。制御がまだまだ甘い。
理想は素材がきれいにはぎとれるように倒すことだ。
師匠並の制御への道は遠いな、と自嘲する。と、今はそれよりも冒険者達である。
彼らの方へ向かいながら
「大丈夫ですか?お怪我はありませんか。」
「ありがとう、助かりました。あなたの助けがなかったら私たち4人は死んでいたとこです。」
二十歳ぐらいの女、リーダーであろうか、が礼を述べてくる。
「いえいえ、偶然通りかかっただけですので、お気になさらず」
「こんな森を中をお一人で?と、自己紹介が遅れました、私はCランクのパーティー、白い翼のリーダーのイレーネと言います。」
「僕はクロノ、クロノスと言います。一人でといいますか、気づいたらここにいた、というのが正直なところですね。」
苦笑いを交えて、言うとイレーネの顔に疑問の色が見える。
「それにしても、あのBランクのコカトリスを一撃とはすごすぎですね、もしかして名のある冒険者でしたか?」
<名のある冒険者><Bランク>これから推測するに、コカトリスは強い魔物だったらしい。
そんな魔物を俺が簡単に倒してしまったから疑問でも思ったのだろう。
正直にいろいろ話すべきかと迷い結局は
「僕自身腕に自信はありますが、さっきのは道具によるものです。」
「なるほど、マジックアイテムですか、よほど強力なものであったと思いますが、それであるなら納得ですね。魔術の詠唱が聞こえなかったのも不思議でしたが。それにしてもそんな貴重なアイテムを私たちのためにすみませんでした。なにかお礼でもさせてください。」
詠唱が必要というと、魔術が主体なのであろうか、これも街に言ったら要確認だな。
もし魔法が一般的でないなら隠した方がよさそうだし。
「いえいえ、人の命が救えたならあのアイテムも本望だと思います。そうですね、でしたら町へ案内してもらえませんか?あとご飯でもいただけたらとても助かります。先程言った通りなにぶん、気づいたらここにいて、自分がどこにいるのかすらわからない状況なので。」
「それぐらいならお安い御用ですよ。町までは順調に行けば4時間ほど、夕方には戻れますので、一緒に晩御飯でもどうでしょうか。」
「ありがとう、帰りの際の戦闘は微力ながら協力させてもらいますのでよろしくおねがいします。」
そうして白い翼の4人とともに街を目指すのであった。
師匠へ 異世界転生=チートで安心しました、師匠がすごすぎだったんですね。
なんだか自信がつきました。
いろいろ矛盾があるかもしれません。その都度訂正していきます。