試練の塔①
これから少しづつ文章の書き方を変えていこうと思ってます。
試練の塔へ入るとそこは石畳の広いフロアがあるだけだ。
床が冷たく、周りは薄暗いので視野はあまりよくはない。
みな、一歩一歩足元を確かめるように進む。
そして、ゆっくりと全員がフロア中央に来ると、目の前に光の柱が落ちてくる。
そこにいたのはスライムだ。うん、スライムで間違いない。あの雑魚の代名詞のスライムだ。
「焼き尽くせ、フレア」
俺が話をする前にソフィーが魔術を放つ。気が早いな。
もちろん、スライムは無傷だ。
ソフィーが気まずそうな顔をしているのがわかる。
頬を掻きながら、口をあけどこから遠くを見ている。
そこにはなにもないよと、言ってあげたい。
「さっきに説明思い出した?」
「はい、すっかり頭からぬけてましたわ。」
「とりあえず、みんなスライムから感じる魔力の性質≪塔と仮の名前を付ける≫に自分の魔力を合わせてみて。」
4人がそれぞれ、イメージ力を高め、魔力を制御する。
みな、いつもの狩り、Aランクモンスターを狩る時よりも難しい顔をしている。
「そしたら、順番にあのスライムに魔力で攻撃してみて。」
結果としてダメージを通せたのはレイアだけだった。
そう、Aランク相当の力をもつソフィーでも無理だった。
これは単純に能力が低い、というわけではなく制御力の問題だ。
レイアは小さいころから俺と無詠唱で練習していたから自然と制御力がついたみたいだ。が、他のメンバーは魔力の性質を変化させダメージを与えるまでの技術を俺と出会ってからの鍛錬では会得できなかったみたいだ。
もともと、この世界に魔力の性質を変化させるという概念がないため、できないのが普通であるが。
普通は魔術を行使で来たら問題ないのだ。
「う~ん。どうしようか、たぶん俺とレイア以外はこの先上っても意味がないと思う、リスク有りのノーリターンだ。」
「私はエリーと一緒にビギンの町に戻って魔道具の生成能力を上げる勉強をするわ。クロ君とレイアが帰ってくるのを楽しみにしながらね。」
「そうね、姉さんの案が一番現実的ね。あっ、でもソフィーはどうするの?」
「私は、ここでは足手まといになりそうなので、二人と一緒に町に戻り、森で訓練するわ」
あまり残念そうに見えないけど、本当はどう思ってるんだろうな。
「そして、俺達はこの塔を攻略してみるよ。階層からいってたぶん1ヵ月前後だとは思うけど、終わったら町に戻るから留守をよろしく頼むね。」
3人はそれぞれ、まかせろっといったことを言うと脱出用の扉へと向かっていった。
その姿を見送り終わるよ早くスライムの方へ目線を戻す。
さて、俺もスライムを攻撃してみよう。これでダメージが通らなかったらしゃれにならないな。
魔力剣の応用で、属性ではなく付与する魔力の性質を≪塔≫にしてスライムを切ってみる。
あ、ダメージ通った。うん、一安心、一安心。
と思ったら、スライムはアクティブになり、そのまま戦闘が始まる。
いや、戦闘と言えるのだろうか。
俺がひたすら、双剣できる。レイアは集中して魔力を放ち攻撃する。
二人とも制御に集中するあまり戦闘に集中できていない。
気づくとスライムの突進を受けている。
もちろん、スライムの攻撃も魔力≪塔≫によるもので、魔力にのみダメージを与える。
体勢は崩されるが、無限ともいえる俺たちの魔力にはダメージはない。
子どもの喧嘩のように防御なしの殴り合いになっている。
はたから見たらBランク相当の冒険者にはまったく見えない。
2人と1匹のド付き合いが終わったのは戦闘|(?)が始まってから1時間ぐらい経過した後だ。
「レイア、反省点というかやらないといけないことわかった?」
「今の先頭から想像するに、魔力をいつもみたいにただ放出して回路を描くだけじゃなくて、放出する魔力の性質をイメージで変化させてそれで魔術を使うってとこ?」
自信満々に答えるレイア。
レイアが大人になったよ、うん。うれしいけどなんか寂しいな。
「そうだね、正解だよ。魔力はイメージすることで性質を変化させられる。でもそれはただ魔術を使うことに比べてものすごく制御するのが難しいんだ。だからこの試練等で魔力制御をマスターする、ってのが俺たち2人の目標かな。まぁ、20階のボス倒せばOKだよ。」
何かが落ちてくる音がしたのであたりを見渡すとそこには次の階への階段が現れていた。
レイアと2人、2階へと歩を進める。
後ろの方で3人が未だいることに気づかずに・・・・。
師匠へ 俺もまだまだってことですね。 最終ボスが師匠とかいうおちはやめてくださいね
本当に・・・・。
*3人の様子は毎回最後にちらっと書いていきます!!
次回は14日 17:00 に更新予定です。