クロノ、奴隷を買う。 今回は本当に買う。
今回ちょっと長めです。
西部地区で以前見かけた奴隷館のもとへ足を進める。
建物に入るとすぐにスタッフが声をかけてきた。
「いらっしゃいませ、お客様。この度のどのようなご用事で?」
「えっと、使用人として一人考えているのですが。」
現代日本では奴隷と聞くと忌避感を覚えるが、数年の師匠との特訓に短い間とはいえこの世界で暮らした俺にはそこまでの嫌悪感はなかった。
「その他にはご要望はありませんか?」
「性別は女性で種族は人間がいいかな。」
使用人と言う性質と、付近とのこ付き合いを考えると女性の人間が一番だろう。
「お若いのに、わかりました。それではそういったことも可能な者を選んできましょう。しかし、そうなるとお値段は結構いたしますが大丈夫でございますか?呼んできたものの、資金が足りないでは選ばれた者も落胆してしまします。」
俺の冒険者風の服装を見て心配になったんだろう。
それにしても何を勘違いしたのか、わからんがまぁ、希望が通れば問題ない。
「問題ない、金貨で200.枚ぐらい用意してある。」
「それはそれは、おれではこちらのお部屋でお待ちください。私は奴隷を呼んできますゆえ。」
というと、俺は小部屋に通され、部屋の中央の机と案内されお茶をいただく。
ここが商談スペースということか、内装は派手でなく地味でなく、無難な感じでまとまっている。
それでいて一つ一つのものがそれなりの値段であるとわかる。
などと部屋を見渡していると、店の主人であろうものが先程のスタッフといっしょに部屋に入ってきた。
「お待たせしました、お客様。それではこれよりお勧めの5人をこちらに呼びますので、ご自由に話し等してください。その後商談となります。それでは。」
というと、5人の女性、みな20歳前後、が部屋に入ってくる。着ているものは薄く、体のラインが見え、目に毒である。
「お気に召してもらえましたでしょうか。みな美しく、男性経験はございません。」
別に美しさと男性経験とか今回関係なくないか?使用人候補なわけだし。
まぁ。きれいな人がお世話してくれるというのは純粋にうれしいからいいのだが。
5人を鑑定で見てみると。
1人気になる人物を見つけた。
マリア LV1 MAG3 スキル 家事万能者(家事全般の技術が上昇)
な、なんと今回探していた人材にぴったりだ。
見た目は長身で、金髪の長い髪を後ろに束ねている。体のラインは細身だが、でるところは出ている。外国のモデルとでもいえばいいのであろう。
「そこの、真ん中の方、お名前は?」
「あ、え、はい。マリアと申します。」
急に呼ばれて驚いたのかそんな風にマリアが答える。すると、横から主人が、
「この者が気に入りましたのでしょうか、よろしければこちらでお二人でお話しすることも可能ですか、いかがなさいましょうか?」
「そしたらお願いします、いろいろ聞きたいことがあるので。」
そいいうと、残りの奴隷と主人とスタッフが出ていった。
「こんにちはマリアさん。えっと、僕の要望とかってもう聞いてるのかな?」
「はい、大体のことは聞いておりますし、私たちはそういった専門の奴隷として売られたので。」
どこか、あきらめたような表情でいう。きれいな顔をしているのに、これじゃもったいないな。
うちに来たら楽しくしてもらえるといいな。
「聞いてるなら話は早いね、それで確認なんだけど、マリアさん家事は得意かな?うちにきたら家事を任せようと思っていて。うちだれもできなくて困ってるんだよね あははは。」
「家事でしょうか?」
不思議な顔してこちらを見る。あれ、そうやってスタッフに伝えたはずなのに。
どこかで伝令が間違って伝わってるな。と自分が原因であるとは思いもせずにいる。
「そう、家事だよ。料理や洗濯や掃除やあとは隣人との交流とか。」
「はい、それなら問題ないかと思います。」
「そっか、あと全然関係ないんだけど、どうして奴隷になったとか、教えてもらってもいいかな?あ、もちろんどうしても知りたいってわけじゃないよ。」
「えぇ、大丈夫ですよ。私の実家はこの町の近くの村で農家をやっていたのですが、もともと貧しい家であったのに、昨年村では疫病が流行り、両親がそろって他界し、さらには長引く水不足のせいで収穫もできずと不幸が重なり結果借金や税金を払うことができずにここにます。私には妹が1人いましたが、その妹も私と同じように。。。私の身はどうなってもいいのですが、妹には幸せにくらして欲しいのです。などといっても現実は変わりません。私は人生をあきらめておりますので、どのように扱われてもかまいません。もし私を買われるのであればお好きにしてください。」
うーん、このままだとマリアさんだけを買い取って、みんなでハッピー、楽しくってわけにはいかないよな。どうしたもんだといっても答えは、やるべきことは決まっている。
「あ、マリアさん。僕はあなたを買おうと思っていますのでよろしくお願いしますね。」
「はい。」 とだけ彼女は返事をする。
マリアとの会話が終わるとすぐに、
「お客様、お考えはまとまりましたでしょうか?」
て、こいつこのタイミングでくるって絶対に俺たちの話聞いてたよな。
まぁ、さすがに奴隷と客を完全に二人にするはずはないか、なにかあったらお互い困るし。
「うん、さっきのマリアさんを連れて帰ろうと思うんだけど。いくらになるのかな?」
買う意思を俺が見せるとうれしいそうに
「そうですね、戦闘奴隷ではないですか女性でそういった用途にも適しているということで、金貨500枚となります。ここには身支度に必要な経費も含まれていますので、追加の経費はかかりません。」
俺の予算超えてるじゃんかよ、もちろんそれぐらい持ってるけどね。
「そんなにもするのか、わかった。あと、ついでにもう一人連れて帰りたいのだが、先のマリアの妹を一緒に連れて帰りたい。そちらはどのくらいかかる?」
主人が詰まらなさそうな顔を一瞬したがすぐに営業スマイルにもどり、
「あぁ、あの者から話を聞いたのですね。そうですね、あのものの妹は病気でそういった用途には使えません。さらに病気の治療にも経費がかかるため先ほどの娘ほど値は張りません。そうですね、お二人同時の購入ですから本来であれば金貨100枚のところ今回は半額の50枚にしておきます。いかがでしょうか?」
「そしたら、それで頼む。」
マリアの方はソフィーから聞いてた値段より高かったけど、妹の方は安かったな。
妹は病気っていてたからそれが原因かな?まぁ、いいや。
二人に隠れて狩りに行ってたことがここで役にたった。へそくりなくなったなぁ。。。。
しばらくすると、俺の個室に主人がマリアを連れてきた。
マリアはゆっくりと俺の前にきて、頭をたれ、そのご膝を着いて、
「クロノス様、マリアと申します。誠心誠意、ご主人様のためにお尽くしいたします。」
「うん、よろしくね。楽しくやろう。」
「それでは、こちらに契約のサインを。このサインによって奴隷と主人の上下関係を魔力回路を通し形成します。見るものが見ればその関係を証明するものとなります。その他、奴隷を好きにしたいということでしたら隷属の首輪というのもありますが、お客様には必要なさそうですね。」
俺とマリアがサインをすると
「それでは、これでマリアの所有権は完全にクロノス様のものになりました。続いて、もう一人の契約もしてしまいましょう。おい、こちにはいってきなさい。」
マリアはドアの近くに戻り、俺は部屋の中央の椅子に腰を掛けたまま次の奴隷を待つ。
主人がドアの方に声をかけると、そこには20歳ぐらいの、身長は高くなく、金髪ショートカットのボーイッシュな感じのする女性がたっていた。女性の左肘から先はなにもない。壊死でもして切断したのだろう。俺が観察していると、マリアの顔が震え、声を出そうとしているのに出せないでいるのがわかる。
「お姉ちゃん。」
消えそうなこえで、ショートカットの女性が言う。マリアは状況がわかっておらず、いまだ困惑の色がきない。
「おい。商品が勝手に話すな、まずは新しいご主人様に挨拶をするのがさきだろう。」
「はい、すみませんでした。」
その少女も俺の近くにきて、先程同様挨拶をする。
「クロノス様、エリーと申します。誠心誠意、ご主人様のためにお尽くしいたします。」
「こちらこそ。」
同じような流れで、契約も終わり、主人が気を使って部屋から出ていく。
「お姉ちゃん?」
「エリー?」
「「これはどういうこと?」」
「ごめん、ごめん状況説明してなかったね。僕が二人を書い取った。だからこれから二人は一緒に暮らせるよ。もちろん、家事はしてもらわないとだけどね。」
「ほ、本当ですか?」
「夢ではないのね、お姉ちゃん」
姉妹が信じられないような顔でこっちを見てくる。
「私は病気のため、ご主人様にご迷惑をおかけするかもしれません、けれど全力でできることはいたしますので、どうかお姉ちゃんと一緒に暮らさせてください。」
「私からもお願いいたします、ご主人様。」
「うん、大丈夫だよ、それに腕のこともたぶんどうにか」
「なにかおしゃいましたか?」
俺のつぶやきは聞こえなかったみたいだ。
「いやなにもだよ、とりあえず僕の言えまで案内するよ。話はそれからだ。」
家につくと、レイアとソフィーが待っていた。
「わぁ、あたらしいお姉ちゃんが二人もいる!!」
「なんで、お二人もいらっしゃるのですか?理由を聞きたいですわ。」
などと二人のそれぞれの出向えを受け、リビングで奴隷館での出来事を説明する。
「なるほど、そういうことでしたのね。それならしょうがないわね。私も楽しく暮らしたいという意見には賛成だわ。でも、いつの間に狩りに行ってそんなにも稼いでいたのですか?」
「それは。。。秘密だよ ね、レイア!!」
「秘密なの」
レイアには転移魔法を見せてるからばれているかな。ってなにも考えてない可能性も・・・。
「それで、どうしたしますの?」
「まずはエリーさんの腕を治そうかなと思って。」
「「「治るんですか???」」」
3人が驚く、もちろんソフィーにマリア、エリーである。レイアは俺はなんでもできると思ってるのかな、早く治そうよっていった感じでにこっちを見てくる。
「たぶんだけど大丈夫だよ。俺も師匠との修行で結構ひどいことになったけど普通に治せたから。」
と言うと、俺はエリーの腕を掴み、膨大な魔力で多い、あるべき姿に戻るように魔力を変質化させていく。すると、エリーの腕はも元通りに戻っていた。唯一違う点は俺の魔力制御が甘いせい腕に魔力が残ってしまったことだ。対した量でもないので、体になじむか、消えるかのどちらかだろう。
「あ、ありがとうございます。ご主人様、お姉ちゃんと一緒に再び暮らす喜びだけではなく、一生もとに戻らないと思っていた腕まで治していただいて、私がご主人様のためにできることなんてなに一つありませんが、それでもなにかさせてください。お願いします。」
「私からも、お願いします。妹と一緒に暮らす喜び、そして、妹の幸せを再び祈れるこの奇跡はすべてご主人様のおかげです。なにとぞ、私達のお力をご自由にお使いください。」
二人が、頭をさげお礼を言う。かなり感謝されたみたいだ、そして神様でも見ているかのよう膝をつき手を合わせに俺を見あげ、俺の言葉を待っている。
「そうだな、とりあえず家のことは任せるよ。マリアには言ったけど俺たち生活力がないんだ。おいしいご飯をお願い。それと、楽しくやろう、俺たち5人でさ。暗いのは嫌いなんだ。あとは俺のことご主人様は止めようか。なんか照れるからさ。」
「わかりました、家のことは私達2人にお任せください。それと、呼び方ですがクロノス様とおよびしますね」
そんな感じで俺たちの家に2人のメンバーが増えた。
二人には、2階の部屋を二人で使うこと、家事以外の時間は好きにしていいということ、月に金貨1枚の給金を渡すことを説明したら。好待遇すぎと言われたけど、まぁ、楽しくやるためだとい言って納得させた。
暇な時間にお手伝いをしたいと申し出たのでなにか考えておくと言っておいた。
まずはこの家に慣れてもらうことだ。
その後、日が暮れる前に二人の家具や服など生活に必要なものを買いに行ったが、全会同様女性の買い物はとっても長かった。
師匠へ 女性ばかりが増えていきます。師匠はまさかここまで見通して!??
予想通りでしたか?
テンプレートみないなお話ですね。次、奴隷を買う時は期待をいい意味で裏切りたいと思います(笑)
次回が第1章 最終回
明日17:00 更新予定です。