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魔王(竜人)の息子に転生してしまった!  作者: グランディア
第1章 この世界に降り立った転生者
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城内探索

昨日聞いた通り、今日は初めてのお出かけだ


保育園などで子供をのせて移動させる台車に俺達を乗っけて、ペドラが台車を押す


ジェラルトとガルキオはテンションMAXだ


カゴの台車の中で暴れまわられるのは俺も苦しい・・・


そしてペドラがドアを開けて台車を押し出すと驚いた


高級な赤い絨毯に綺麗でカラフルな装飾ガラスで彩られた窓


天井にはシャデリアが吊り下げられ、太陽の光が窓から降り注ぎ、ファンタジックな印象だ


ジェラルトやガルキオも目がパァー!と明るくなり言葉を失い辺りを見回している



だがそれより凄いのは建築術だ、これほどの綺麗に並べられた大理石・・・建築業に少し携わった事もあるから知っているが、ところどころが職人技術が盛り込まれている


魔族というのは想像していたよりも技術力が高いようだ


そして廊下の向こう側から屈強な竜人三人の兵士が歩いてきた


ペドラに敬礼して「お久しぶりですサポートマスター殿、5年ぶりですかね」

屈強な大男の竜人が喋るとペドラも頷いて「そうね・・・妊娠して子育てで忙しくて・・・気が付けばもう5年か・・・第二次魔獣大戦以来ね、ベルファースト」


「はい、あなたの弓捌きは今でも記憶に焼き付いてます、今日は大事なお孫さん達の初外出ですから・・・しっかりエスコートさせていただきます、こちら二人も私の部隊でも精鋭二人です」


敬礼した竜人二人も屈強な体でベルファーストと名乗った赤い竜人よりは小さいが十分強そうだった



--------


城を歩いて城の北部にやってきた、城の北部は展望台のように塔があり、ペドラが俺達を台車からおろして


「すみませんベルファースト、一人ほど連れてきてもらってもいいですか?」


ベルファーストがガルキオを抱っこすると「うぁぁぁん!ママがいい!!」


ベルファーストも苦笑い


結局大人しい俺が抱っこされる事になった


ベルファーストの鎧をまとっている手は力強く、魅せられる物があった



塔を上り切ると絶景が広がっている


「うわぁ!!」


城の北部は雪に覆われ白銀世界になっている山が見える


そしてペドラが呟く「ここは私の城で一番好きな場所・・・パパが告白したのもここなのよ!」


なるほど・・・確かこの景色で告白するのは良い判断だ



雪山の奥に大きい屋敷が見える

俺はペドラ母さんに聞いてみる「ママ、あれは?」


「あれは大図書館グラルフって言って、大魔導士オルベガ様が主体となって魔族達の武器や、魔法を研究している大事な場所よ」


大魔導士・・・オルベガ・・・第一魔獣大戦で黒竜を倒した魔法使い・・・きっとさぞ強い魔導士なんだろうな



しばらく景色を見た後、塔を下りて再び俺達を台車に乗せて、今度は南部へと向かう



城の中を移動している最中、弓をもった大鷲っぽい雰囲気の獣人が歩いてくる


ペドラが親しそうに挨拶する「あら!ファーベル!」


「お久しぶりです、師匠」


し、師匠!?


俺の目が点になっているとペドラは笑って「その呼び方はもう古いわ!ペドラでいいわ、最近は順調なの?」


ファーベストは笑って「はい、すこぶる順調ですよ、最近オルベガ様が開発なされた、長距離、矢術が開発され戦術の大幅な見直しが検討され大忙しですよ」


ペドラも驚いて「ようやく弓の射程問題が解決されて魔法に並ぶ効力になったのね・・・元弓使いとして嬉しいわ!私もレギオン達が育てた後は、あなたに教わろうかしら!」


ファーベストは苦笑いして「ご謙遜を・・・私などまだあなたの足元にも及びませんよ、サポートマスター」


「ふふっ!それじゃ、今は子供たちの外出中だからまたいずれ!」


「はい!お孫さん達と楽しんでください!それでは!」



やはり魔族って皆凄い・・・おそらく幹部クラスか何かなのだろう、体にまとっている覇気が違う


俺もあぁ言う立派に大人になりたい物だ


-------


城の南部へとたどり着くと驚いた


青い地平線、太陽がきらめく海


そうこの国は港街でもあったのだ


ガルキオとジェラルトが興奮して「何アレ!?先が!!ママ!!先見えない!!」


ペドラが笑顔で「あれは海って言って、ずーっと続いていて何が先にあるか分からないの」


何があるか分からない・・・って事はまだこの大陸しか把握できていないという事か


大型の船もここから港に見えるがどうみてもガリオン船のような大規模船ではなく、中型、小型の漁船ばかりだ



海も見えて雪景色も見れて・・・最高だなこの城


昔景色の良い高級ホテルやマンションに住む事をどれだけ夢見たか・・・


こうして転生してそれが叶うとは思わなかった・・・


俺はその街を見渡し、決意する


『俺はこの街・・・国を発展させ、俺のスキルと知識で、この国をより豊かにしていく』


そう胸に抱いた・・・



-------


そしてペドラは城を移動して西部へと向かう


だけどあまり気が進まない顔だ、何か嫌な物でもあるのだろうか



城の西部へと向かうとやたらとガチガチに固められた壁に、バリケードの予備部品

すれ違う兵士の数も多い


兵士はすれ違う旅に俺達に敬礼して走っていく


キビキビしてよく訓練されているのが見てわかる



そしてペドラは歩いて外に出ると、砦のような見た目の上部に出てきた


そして西部の景色はガラリと変わった


防壁に囲まれ、杖を持った魔法使いが砦の上から魔法で砦の下の的を狙って攻撃している


そう、ここは敵を迎え撃つための場所だ



ペドラが悲しそうに呟く「あの壁の向こうにはね・・・絵本でも見た人間が住んでいるの・・・怖い怖い人間が・・・」


俺としては複雑な心境だがガルキオとジェラルトはペドラ母さんを見て

「でもパパ!!」「守ってくれる!!」


ペドラが嬉しそうに笑い「えぇ・・・あの人が人間達の攻撃も守ってくれる・・・きっと・・・」


人間は絶対悪として魔族達に深く根付いているんだな・・・


この先・・・俺が人間と争う事になるのだろうか・・・だとしたら・・・俺は・・・どうするんだ?



俺は人間を全滅させる事はできないと知っている、何せ人間は窮地に陥ると力強い事を知っているからだ、人間の良さを知っている。


俺の中にある人間と魔族がぐらつく瞬間だった・・・

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