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魔王(竜人)の息子に転生してしまった!  作者: グランディア
第1章 この世界に降り立った転生者
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ジェリクの記録

魔歴1541年・・・5月10日・・・


ペドラが妊娠して卵を抱いた・・・嬉しい限りだ・・・私も人間同士で争っている間に戦力を立て直さねば・・・第二次魔獣大戦でこちらも疲弊している事を知られる訳には行かない・・・



5月30日・・・


ペドラのお腹がすくすく成長しているのが見てて取れる・・・お腹の子供が大きくなるにつれて確かに感じる、私の魔力・・・私の力・・・早く生まれてほしい物だ・・・でもペドラには『まだまだよ』と言われてしまった・・・



6月10・・・


兵士達の大規模訓練の指揮で忙しくヘルマンド城に戻れない・・・早く帰りたい・・・大好きな戦場に携わる事なのにこうもソワソワしたのは始めてだ・・・


ボーっとしているせいで10人も兵士を負傷させてしまった・・・これは私の失態だ・・・



6月22日・・・


ようやく城に戻れた、ペドラのお腹がすさまじく大きくなっている。魔産師に聞いた所、三つ子と聞かされた時は死ぬほどうれしかった、名前を決めなければ!


ワクワクしているせいか魔力があふれ出て、王の魔の警備兵を高濃度魔力で気絶させてしまった・・・相変わらず自制心が無いと自分でも思う



8月11日・・・


ペドラが苦しそうだ、腹は通常の4倍ほどは膨れ上がっている、もう起き上がる事も苦しそうだ・・・


魔産師の魔法での調べでは、俺の強大過ぎる魔力によってペドラの体を圧迫しているらしい、不安だ・・・オルベガの奴に頼んで早急に薬の開発を依頼しよう・・・




9月20日・・・

オルベガが作った薬でペドラはある程度楽になったようだ・・・一時期はどうなるかと思った・・・


オルベガの話では体内の魔力増幅を抑える薬らしく、何度も服用すれば子供たちは俺と同じぐらいの強さになる事は無いと言われた・・・強い子を残したいが三つ子全員生まれさせたい


魔族の将来の為にも強い子は必要だ、ペドラにはギリギリまで耐えてもらう事になる・・・




10月25日・・・


ペドラが苦しそうな時に名前を一緒に考える事で苦痛を和らいでいる


その結果一人目の名前が決まった・・・名前はジェラルト・・・支えになれるような意味を込めてつけた・・・




10月27日・・・


付き添い続けて2日寝てない・・・ペドラと一緒に居てやればそれだけ苦痛が紛らわされるという物・・・そうそう二人目の名前が決まった・・・「ガルキオ」元気な意味が込められている


今日の日誌はここまでだ・・・




11月1日・・・


ペドラに限界が来た、薬である程度沈静化させたが、薬を使えば使うほど私の子は弱くなる・・・オルベガの話ではペドラの体はかなり限界を続けているらしい・・・こうなったのも妊娠する前にオルベガから言われていた、通常の竜人種の母に魔王という強力な父親が孕ませるのはかなり無理があると言われた、一人ならともかく・・・三つ子の負担は大きい・・・


やはり流産させるべきなのだろうか・・・




11月10日・・・ペドラの命が危うい所まで来ていた・・・


私は流産を進めた・・・ペドラが死んでは元も子もないと・・・


だがペドラは私の手を止めてこういった・・・「今、流産すれば2度と産めない体になる」と・・・魔産師とオルベガにも相談した所、その可能性は高いらしい・・・一度ダメージを負った体では現在の再生魔法では無理があるらしく、諦めてしまえば2度と産む事はできないと・・・


悔しい・・・最強の魔力・・・最強の地位・・・すべてがあるのに妻一人助けられないとは・・・


私はその時230年ぶりに泣いた



11月20日・・・


ペドラの側で明るい話をしようと頑張って頭を振り絞り・・・最後の子供の名前が決まった・・・名前はレギオン・・・意味は『希望』・・・




11月25日・・・


やっとだ、やっとこの日が来た、ペドラから卵が産まれ、ペドラはようやく苦痛から解放された


嬉しい・・・これほど嬉しい事はない・・・三つ子全員無事・・・若干の能力低下はしてしまったがそんな事どうでも良い・・・ペドラと私その日嬉し泣きした




11月30日・・・


卵から強大な魔力を感じる、私の力だ、改めて父になったと実感できる。嬉しい限りだ、時々卵の中で動いている我が子を見て私は心から踊った




12月10日・・・


許しがたい事態が起きた、私の子を狙った卑劣な者が居た、特徴は人狼族の男性・・・比較的ハンサムというがクソ喰らえだ、絶対許さない、見つけ出して皮をはいで、殺してくれと乞うまでなぶり殺してやる


街は限界体勢を強いて犯人を燻りだしてやる



12月20日・・・


クソッタレな犯人は極寒地帯のヘルマンド北部に逃げられ足取りが掴めなくなった

チクショウ・・・しかしはっきりとした、私の子らは将来魔王になるやもしれぬ子達・・・盗めば王位が盗めると思う不敬な者が居るという事に・・・いっそ街ごとすべて吹き飛ばしてキレイさっぱりしてから我が子と対面したい物だ




1月1日・・・


魔歴1542年となり街は開け年ムードだ、しかし嬉しい事ばかりじゃない、最近になって争っていた人間達がとうとう強行手段に出て帝国同士の戦いが始まった、長引く戦いでつぶし合ってくれるのは嬉しいのだが・・・それで主権が決まり次の標的は我々だ・・・次の戦争の準備はできているが・・・忙しくなる前に子供たちと対面し、父親らしい事をしてやりたい



1月5日・・・


卵の中身が良く見えて、今にも生まれそうだ


色からして、青い鱗のレギオンが一番私の魔力を引き継いでいるとみられる、レギオンにはしっかりと育ってほしいな・・・



1月10日・・・


私が卵を眺めていてペドラが「そんな見ていられたら子供たちが驚いて生まれる機会を逃してしまうわ」と言った瞬間だった・・・レギオンの卵にヒビが入った


私はその時に遂に・・・遂に!!と喜んだ・・・


生まれたレギオンの顔はどこかキョトンとしていて、産声を上げる事なくキョトンと私とペドラを見ていた


最初は何か問題でもあったのではないかとヒヤヒヤしたが考えを変えれば、これだけドッシリした性格なのであれば魔王にふさわしい・・・私の中で魔王候補としてレギオンが強く上がった・・・


そして次々ジェラルト、ガルキオと生まれ、二人は産声を上げ普通の子供で安心した、しかしレギオンの肝が座ったあの感じ・・・良い・・・



1月11日・・・


いかんいかん、私も前代未聞の事件を引き起こしてしまった


私があまりに嬉しい事からか、魔力が解放され過ぎてガラスが割れたりひと時は城中の兵士達が高濃度魔力で気絶してしまった!ペドラと子供たちは耐性持ちだから大丈夫だったか・・・いかんな、自制心だ、自制心・・・



1月12日・・・


相変わらずジェラルトとガルキオを目を閉じてスヤスヤしているのにレギオンは辺りを見渡して、まるで状況でも確認すような仕草だ、もしかすると魔王の血を濃く継いでいる為何か特殊な子なのかもしれん・・・オルベガに調べてもらうおう



2月15日・・・


人間どもが荒らしまくっているせいで東部が相当大荒れになっていると遠征隊からの報告があってそっちの処理に追われて日誌すら書けなかった、我が子達を見たいのに・・・


それとオルベガからの報告書を読んで予想通りだった、私と異なる魔力らしく、それなのにも関わらず私に匹敵する魔力らしい。だがこれは些細な事だ、一番衝撃的だったのは知力・・・そのステータスが測定不能と表示されたのだ、一体どうゆう事だ、オルベガの話では何度繰り返しても同じらしい・・・我が子が怖い・・・一体どんな子になっていくのか・・・



3月20日・・・


ペドラからも言われているがレギオンはすごく大人しいらしい、ジェラルトやガルキオにイタズラされても騒がないし、必要がある時に知らせてくれるらしい、やはり知力が異常値というのは本当なのかもしれん・・・オルベガは私に転生学という物を押し付けてきたが、私はそんな難しい本は読めないので押し返した



5月20日・・・


相変わらずレギオンの発達力には驚かされるばかりだ・・・


それよりも深刻な自体になってきた、帝国側が勝利し、新生ローリンス帝国を名乗り軍備増強を始めた・・・私も急がねば・・・子供たちの未来の為に・・・

諜報班からの報告では人間達は数十年に渡り準備を進めるらしい、確実に私達を潰す為に・・・私もこうしておれん・・・急がねば・・・



10月30日・・・


この日誌も久々になるな・・・読み返すだけで活力がみなぎる・・・軍備増強の為に私が直々に訓練し、兵を組織しているのだが・・・最近は私も酷く疲れている・・・城に戻れず何日だ・・・?疲れた・・・また日誌を並返して力を貰おう」




12月20日・・・


ようやく城に戻る目途がついた・・・人間どもめ・・・戦争で勝手に自滅してくれればよかったものを・・・



1月10日・・・


我が子達の誕生日!プレゼントなんて用意してやれなかったが、久々の家庭に嬉しい限りだ


私も2月までは休日を入れてある、ぞんぶんに子供達と遊ぶぞぉ~!



1月20日・・・


悲しい・・・ジェラルトとガルキオは元気よく遊んでいるのにレギオンはペドラと本を読む事ばっかり・・・体を動かしてほしいのだが・・・ペドラにも言って見たが、学習熱心で言葉を覚えようと頑張っているらしい、知力が高い子だからひょっとして言語が欲しいのかな?



1月30日・・・


最近になってレギオンが本を一人で読む頻度が多い、どれも私が立ててきた武勇の絵本ばかりを読む


私を見て学習している・・・?まさか・・・1歳でまだそんなにできるとは思えん


だがもし・・・本当だとしたら・・・オルベガが立証していた、学、魔、力・・・これらを備えた大魔王が誕生するやもしれんという話も嘘ではない気がするぞ・・・レギオンの将来は一体・・・




2月1日・・・


休みも終わり幸せ時間も終わりだ、人間達が活発化してきた、もしかすると一戦起きるやもしれん・・・


子供たちの成長期に忌々しい人間どもが邪魔させてたまるか



2月16日・・・


人間との久々の交戦になった、私の魔槍グングニルと私の魔力の前に震え上がり山ごと消し飛ばしてやったわ・・・これで人間どもが静かになればよいが・・・



4月10日・・・


予想通り引っ込みおった、魔族達はヘルマンドから侵攻する事はない、何せ土地が十分足りているからな、人間どもはまた静かになりそうだ・・・





魔王ジェリクは日誌を読み返し笑っていて

兵士が歩いてきて「陛下また日誌読んでるんですか?」


ジェリクは嬉しそうに笑い「そうだ、見ていると元気を貰えるのでな、日誌のページが途切れてしまったそれから書いておらん」


兵士が頭を傾げ「二冊目を書かれてはどうですか?」


ジェリクが考え「うーむそれも良いのだが・・・面倒でな!」


兵士がガクッと首を落として「そ、そうですか・・・所で時期魔王様として期待のレギオン王子はどうですか?」


「うむ、昨日目が合って笑って返したら苦笑いで返されてしまったわ」


兵士がゲンナリして「そ、それって大丈夫なんですかね・・・」


「うーむ・・・私もレギオンがどんな子になるのか想像できんよ、もうなんか完成されてしまっている大人を相手しているようで・・・子供らしさが欠けるというか・・・」


兵士が頷いて「でも、それはそれでよいじゃないですか!」


「そうだな!」


ジェリクは日誌を大事に自分の引き出しへとしまった・・・

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