ガルキオ大捜索
やはりガルキオは城外に出ていた、衛兵の目をすり抜けて出て行ったことが分かり、街を捜索していた
護衛の竜人兵士3人を連れて街を歩いてロウについて行く
ロウが心配そうに「うん・・・追跡してて分かったけど・・・ガルキオ王子、多分出てから1日経過している」
「1日か・・・ますますマズイな」
衛兵達がソワソワしていて俺は衛兵を見て「いいか、この事は絶対他言するな、今ヘルマンドは戦争中だ、これ以上の混乱は避けたい。王子として命令する、現時点を持って衛兵隊として一時的に任を解き、今から極秘隊として俺の指揮に入ってもらう」
俺が指揮をとると衛兵達はオドオドしながらも敬礼して
「了解しましたレギオン王子!」
「役に立たないかもしれませんが尽力します!」
ロウは追跡を続け、方角は東門へと向かっていた
「ロウ、もしかしたらだが・・・門を通り抜けて追跡するハメになるかもしれない・・・ついてきてくれるか?」
ロウが顔を青くして「そ、外に・・・?僕達だけで・・・?レギオン王子・・・流石にそこまでは・・・僕の家族だって心配するし・・・」
そうだよな・・・家庭の事情にこれ以上友人を巻き込むのはナンセンスだ
「ロウ・・・すまなかった、これからは俺1人で探す、ここまでで大丈夫だ、ありがとうな」
ロウがショボンとして「レギオン王子・・・お力になれずにすみません・・・」
俺は衛兵達を東門へと急ぐ
――――――
大きい東門へとたどり着くと
警備兵たちが驚いて「レギオン王子!?なんでこんな所に・・・」
俺はズカズカと歩いて「王子の命でここの中の開門履歴を調べさせてもらう」
警備兵たちは、何かやらかしたんじゃないかと、ヒヤヒヤした顔で俺が開門履歴を見ている様子を伺っている
【開門履歴】
4月11日
午後時間帯記録
:13:12分開門
:13:30分閉門
この辺りの時間だ・・・昨日ガルキオがジェフにやられて落ち込んでいた頃の時間だ・・・
4月11日
:16:30分 物資回収員収容の為開門
:16:55分 物資回収完了、と同時に前線基地Aに向かう物資、搬出
:17:30分閉門
4月12日
:11:10分、定期開門
ここから記録が無い
ロウは1日経過していたと言っていた・・・って言う事は・・・前線基地の物資に紛れて!?
俺は警備兵に聞く「前線へ送る物資の中にガルキオが紛れ込んで出て行った可能性がある・・・前線基地と何か連絡する手段はあるか?」
警備兵たちが驚愕して「ガ、ガルキオ王子が!?・・・緊急用で馬を2匹待機させていますが・・・」
俺に乗馬スキルは無い・・・どうする?
警備兵を見て「馬を使える者は?」
警備兵たちが後ろから女性のドラキュラ族の女性を引っ張りだしてきて
「あ、あの~!!ちょっとな、何か!?休憩中なんですけどっ!」
ドラキュラ族はあまり数か多くない種で、人間の血を吸わないと生きていけない事から街には少ない珍しい種だった
外見は普通の女性で、髪は真紅のように赤く、人間らしい姿で、あんまし都会に慣れていない、いかにも田舎娘って雰囲気を漂わせる感じだ
俺はその女性に聞く「ガルキオ王子が前線基地に紛れて行ってしまった可能性がある・・・私を連れて前線基地まで至急急いでくれ」
女性が驚愕して「えぇぇぇぇぇ!?そ、そ、そ、そんな重大な任務私が!?」
俺が頷いて「乗馬スキルがあるのはこの場でアンタだけだ!嫌なら命令するぞ!」
女性が頷いて「そ、それじゃすぐに出します!!」
―――――――
こうして衛兵達には俺が向かった事を極秘にしてもらい、ドラキュラ族の女とガルキオの居る前線基地へと向かった
黒い毛並の馬が駆け抜ける中、俺は聞く「そういえばアンタの名前は?」
「私はガーネルです、そ、それと・・・王子?このミッションって・・・極秘ですよね?」
俺は頷いて「勿論だ、危険を伴うし、緊急を要する、ガルキオを追うのにいちいち書類通していたら手遅れになる」
ガーネルが苦笑いして「そ、それで・・・私って実戦経験が無いのですが・・・」
俺が銀色の指輪の魔具を身に着け魔力を出して「人間の1人や2人程度なら消し飛ばせる」
ガーネルはションボリして涙目になっている
「そんな顔するな、もしガルキオを救出したらヘルマンド中の英雄になれるぞ、チャンスだと思うといい、俺からも親父に功績者として伝える」
ガーネルは頷いて「こ、殺されないですよね?レギオン王子連れ出した罪悪人として・・・」
「そんな事させるものか、そんな事したら指示した奴を叩きのめしてやる」
ガーネルは苦笑いして「王子様って言うから結構、柔らかなイメージだったんですけど・・・なんか・・・こう・・・ストレートで、庶民っぽい感じですね」
「これが俺の素だからな、それより急いでくれ!1日経っているとすればかなり危険かもしれん!」
ガーネルは手綱を強く握り「行けっ!!」山道を駆け抜けていく
――――――――
ガルキオサイド
ガルキオは適当に入った木箱の中でうずくまっていた
『僕なんか・・・居なくなっても問題ない・・・だって・・・僕なんか誰も期待してないから・・・』
そう思って1人泣いていると木箱がガシャガシャと動いて凄まじい衝撃が走る
おがくずに隠れていた為ある程度の衝撃は吸収されたが、木箱から這い出てみると
ガルキオは想像を絶する光景だった
「なに、これ・・・」
乗っていた馬車は爆発による攻撃で吹き飛んでいて、竜人の兵士達が立ち上がって「人間の奇襲だ!!」
「物資を取られる訳には行かないっ!!反撃しろ!!」
まるで戦争しているように激しい攻撃に遭っていた
そしてガルキオの真横に本物の矢がんできて「ヒッ・・・」
ガルキオは初めて敵意ある矢を受けて腰が抜け「あ、うあ・・・」
そんな時だった、竜人の本能のような物が働いて「うわぁぁぁぁ!!」全力でダッシュして駆け抜けた
無我夢中で森に飛び込んで、人間の包囲網を潜り抜け、ただひたすらに逃げる
―――――――
綺麗に川が流れる場所に辿り着いて
ようやく足が止まる
膝をついてガルキオは倒れ「ハァハァ・・・苦しい・・・」川の水をゴクゴク飲んで
「美味しい・・・ハァハァ・・・」座り込んで息を整えていると
ガサリと草むらが動いた、ガルキオは護身用で持っていた弓を構え、矢をつがえ、構える
ガルキオはいつものように戦闘のスイッチが入らず、怖くて震えていた
『怖い・・・怖いよ・・・兄ちゃん』
そう頭で叫んでも誰も来てくれない
そしてガサガサ動いていた草むらから何人もの人が現れた
全員、草木を衣服に刺し込み、隠れていた人間だった、全員クロスボウガンで武装してる
「へへっ、見ろよ竜人の子供だ」
「知ってるか?竜人の子供って高値で取引されてるらしいぜ、奴隷に適しているからな」
「ん・・・?こいつ・・・お、おい!!こりゃとんだ大手柄だぜ!!」
1人が飛ぶように喜び言う
「こいつは魔王の息子の1人だ!!」
人間達は驚愕して「な、なんだと!?」
1人の人間が不気味に笑い「そうだとしたらこの分隊は大手柄だな・・・下手すれば平民から貴族だぜ」
ガルキオは弓を構えて「く、来るな!!」
人間達はジリジリ近づいてきて、ガルキオは弓を放つと、矢は全然威力が足りず綺麗に飛ばない
腰が抜けて綺麗に力が込められてない
1人の兵士がガルキオの首を掴んできて「ほらほら気絶してくだせぇ王子様よ」
ガルキオは人間の腕を殴る
人間は驚愕して「ほ、骨がっ!!いてぇなチクショウ!!」ガルキオは蹴り飛ばされる
そして人間がナイフを取り出して「畜生が、ガキでもやっぱり魔族の子なんだな、ナメてたぜ・・・それと・・・俺の腕のお返しをさせてもらわねぇとな」
ナイフを突き立てられガルキオは恐怖で目を瞑る




