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魔王(竜人)の息子に転生してしまった!  作者: グランディア
第1章 この世界に降り立った転生者
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言語習得方法

生まれてか日が7回登り下りを繰り返した・・・


ここの世界が前世のカレンダー通りに動いているならば・・・生まれて1週間という事か・・・


自分の腕を見ると鱗もはっきりと見えるようになってきた

触って確認すると俺の角はどうやら4本らしい、頭に大きいのが上に向かって二本

それから下に向かって小さく二本と・・・ドラゴンとしては高位の部類なのだろうか


その辺りもどうなのか気になる所・・・


『ピギャァァ!ウギャアァァ!」となりの兄弟が騒ぎ始めた


恐らく腹が減っているのだろうか・・・


母親がミルクを持ってきた

哺乳瓶に似たような形状の道具でミルクを与えている


ゴクゴクと飲む兄弟・・・


俺はミルクは好きではない、変に甘くて不味く感じる

だが飲まないと大きくなれないし、栄誉不足になったら大変だ


順番で飲ませる為俺もしっかりと飲む


うん・・・不味い・・・


べェ・・・と舌を出していると母親がクスクス笑っている


そんなに変な顔していただろうか・・・?


そうすると母親が俺の頭をなでなでして楽しそうに笑っている

きっと子供の反応が面白いのだろうか


となりの兄弟が見様見真似で俺と同じ事をし始めた


母親も口に手を当てて「アラアラ」と驚いて笑っている



-------


さて・・・この世界で欠かせないのが言語だ・・・


複雑すぎて一単語ずつ聞き取るのが難しい・・・

言語ベースとしては英語に近しいものがある、しかしところどころドイツっぽい訛りもあればフランスっぽい訛りもある、これは習得に苦労しそうだ・・・どこかに教材本なのでもあれば自主勉できるのだが・・・


だが途中で俺は考えた


まて・・・まだ生まれて一週間の子供だ・・・急に何かし始めたら親だって驚くだろう・・・


俺が中身は人間で・・・もしこの世界では人間は敵視されていたら・・・?


嫌な想像をしてしまった・・・


俺は青くなって身を細めた


ここは慎重に行こう・・・兄弟に合わせ、ゆっくり・・・ゆっくりと・・・



------


太陽の上り下りの数も忘れてしまった・・・


感覚的には一か月ぐらいだろうか・・・生後一か月ではまだ何もできないだろうな・・・


俺に今できる事は言語を聞き、少しでも慣れて単語を覚えて色々情報をキャッチできるようになる事だ・・・


そんな俺の気持ち知ってか知らずか、


今日は母親が本を持ってきた

願ったり叶ったりだ


絵柄はどこか子供向け的な絵柄だ、指さしして単語を喋っている

きっと言語を教えようとしていてくれるんだ


俺は真剣になってそれに耳を傾け目を開いてみる


兄弟達はどうやら最初は興味を持っていたが飽きて寝てしまった


やれやれ・・・勉強という物はサボると人生・・・じゃなかった竜生か?それに支障が出てくるぞ・・・


母親は熱心に聞いている俺を見て呟く


ニュアンス的には『貴方勉強好きなのね』みたいな感じだろうか


当たり前だ、この世界のこともっと知りたいし、興味がある


かつてないほどのワクワクした感じだ



-------


今日はまた一つ情報をキャッチした・・・部屋に父親と一緒に兵士が入ってきているのを見た


兵士の態度からするに、父親はかなり身分の高い身だ、兵士が畏まって酷い時は怯えている


親父は隊長か、国の大事な担い手なのだろうか、そんな高い身分に生まれる事ができる事は光栄だ、俺も将来はどうするか・・・


そんな事を考えてニタニタ笑っていると母親が笑顔で語り掛けてくる

きっと『何かいい事でもあった?』みたいなニュアンスだ


ああ、いろいろと想像が膨らんで楽しいよ


------


今日は尻尾を動かして、左右に振ったり上げたり下げたりしていた


人間の時にはない感覚・・・昔から尻尾の感覚があるとどうなのだろうと思っていたが、やはり腰にもう一本腕があるような感覚に近い


尻尾を振って感覚を嗜んでいると、兄弟が尻尾を噛んできた


「ピ、ピギャァァァァ!!」


思わず叫んでしまう


母親が駆けつけてきて甘噛みしている兄弟を引きはがして叱っている


いや、俺が尻尾振ってたから俺も悪いんだが・・・


------


それから一年が経過した・・・


ペドラ母さんが色々と熱心に言語を教えてくれる為ある程度の単語は理解できるようになってきた


兄弟達も望む事を一言だが発言するようになってきた


だがこの時期は一番大変な時期・・・

とにかく兄弟が真横で暴れまわるのだ


足をジタバタさせてグルグル回るのが最近の楽しみらしく、黄色の鱗の一番遅く生まれた弟のガルキオが暴れまわる


同時に二番目に生まれた赤い鱗のドラゴン、ジェラルト、こいつもジタバタ暴れる為俺に手足がガンガン当たりイライラする


できる事ならこのベビーベットを離れたい・・・


そんな事を考えてジト目をしているとペドラがその様子を見て椅子から立ち上がり

「レギオンは大人しいし、怒らないから優しいのね!」


まぁ何せ中身は普通の大人だからな


俺が助けてって目をしているとペドラ母さんも察してくれて、俺は抱きかかえられ別のベットに移される


ようやく解放された・・・


だがそんな時だった


兄弟たちが騒いで、こっちのベットに来たがっている


おいおいマジかよ


ペドラ母さんは向こうで兄弟たちに言い聞かせ、ようやく事が終わる・・・


やれやれ・・・早く5歳ぐらいになってくれるといいのだが・・・


-------


今日はベットから降りて初めての運動だ


俺はもとより大人で人間に近い為、早く立つ事ができた


尻尾のバランスが非常にうまく取り辛く、体を曲げたり、重心バランスが崩れるとコケてしまう


だが兄弟達の方がもっと深刻で、しょっちゅうコケては大泣きしてペドラに泣き止まされている


俺はコケても立ち上がっていろいろとチャレンジだ


その様子からペドラは「ほら、お兄ちゃんを見なさい、倒れても泣かない」


お手本になるかどうかわからないぞ・・・


この尻尾の重心バランスを極めるのには難だった・・・


------


ベットからも解放されてある程度自由に動けるようになった事で俺は見てみたい物があった


部屋の窓だ、外の景色が見てみたい


椅子を全身の体で押して窓の側に椅子を置いて椅子を上って窓を見下ろす


そして広がる世界に驚いたと同時に自分がどんな場所に居て、ここが異世界だとはっきりと分かった


俺が居る年代は中世だ、恐らくお城の窓なのだろう、高い位置に窓があり、そこから見下ろす景色は素晴らしく、ビル5階相当の高さだ


そこから見える町々は小さく2階建ての家がちらほらあり、ほとんどが1階建てだ


材料は石と木材・・・それに焼いた石なのだろろうか、色が少しだけ違う瓦のような物の屋根


何本もある大道路を少しボロだが衣服を着た様々な種族の者達が歩いている


俺と同じ竜人、体が小さい小人、恐らくドワーフだろうか、それに狼の獣人、大きな牙の生えた人間


体のアチコチにヒレがある魚人、空を飛び荷物を運んでいるハーピーと鷲の獣人


「わぁ~!!」俺も思わず声が出てしまう


そして城の真下には兵士達が綺麗に5m間隔で並び剣を振り訓練している


『凄い・・・これが異世界・・・』


ペドラが走ってきて「こらこらレギオン、そんな椅子の上で立っていたら危ないですよ」


俺は振り向いて「ご、ごめんなさい」と謝るとペドラはフフッと笑い


俺の真横に立って呟く「どう?ヘルマンドは・・・これ全部パパが納めてているのよ」


な、なんだって・・・?


収めてる・・・!?って事は・・・王様の息子・・・王子様って事!?


俺の身分に初めて気づいて驚愕した



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