第一試験
とうとうやってきた 学校!
思い出すな 最初は若い子にどうやって接するか苦労したもんだ
ときには変な子扱い、ときには天才、いろいろあったな
5回目ぐらいの転生でやっと友達を作れるようになったあの感動は今でも忘れない あっ目から水が…
「さて行きますか」
「ねぇ君! 君も今日の試験にでるのかい?」
「ん? あぁ そうだが」
「良かったー 僕もなんだけど誰もいないし不安で」
「お母さんにでも聞けば良かっただろう」
「母上は来てないんだ」
「そうか 俺もだ」
「えっ? そうなの なんで?」
「聞いて驚くな ていうか哀れむな 我が母は早く心地いいマイホームに帰りたいと言って帰ってしまったのだ」
「す 凄いお母さんだね」
「お前のお母さんは?」
「お仕事で王様のとこに」
「へー 」
「貴族の子なのか」
「君は違うの?」
「俺は商人の子だよ 」
「へー 良かったら友達になってよ 貴族の子は少し恐い子が多いから友達ができるか心配だったんだ」
「おいおい まだ入学できるとは」
「違うよ 学校関係なしに友達になりたいんだ」
「そっか いい友達ができて俺はうれしいぞ」
「えっ 喜んでくれるの? 」
「ん? 当然だろう」
「優しくされたの初めてかも」
「ん? 何か言ったか?」
「なにもっ 一緒に行こうよ」
「あぁ お互い受かるといいな」
「うん!」
なんか 俺の弟と妹と同じぐらい愛想がある子だな
大人しい感じで会話してる内にどんどん明るくなっていったな
人見知りなのか? あっ人見知りなら最初に話しかけてこないか
じぁああれだな人の様子を伺って無害そうだから心を開いたってとこか 可愛い顔して会社で立場が低いおじさんサラリーマンみたいな奴だな
驚いた俺はこいつを女の子かと思っていたがどうやら男の子だったようだ だって髪も長いし美形だし声だって俺の好みそのものだし 多分初見で見破る奴はいないだろう 受付の人だって最後まで名簿の性別欄のとこ凝視してたし
いかん 余計なこと考えてペーパーテストに集中できない
集中だ集中! いやーでもあれが男の娘ってやつか人生何が起こるか分からんもんだな 何回めの人生かは忘れたけど
いやー ほんとに分からんかったな あっ集中!集中!
いやー 何とかペーパーテストは突発できだな
それよりもやっぱあいつ ほんとは女の子なんじゃ―
「第一の試験に合格したの者は第二の試験会場である総合実習棟に行くので準備しろ。 いいかっ行くぞ」