飛んでいった絶対
矢印だらけの天気予報
繰り返されるコマーシャル
揺さぶられる今
震える足
車の行列、沈うつな眼差し
走れども答えは誰も知らず
壊れた絶対に絶句
押し潰された日常
寝ぼけ眼の我が子
ぬくもりにこもり
大丈夫と言ったのは
どちらの方か
飲み込まれた場所から
遠く離れても
つながっている
連なっている
明日は我が身
明日は我が身
と
揺さぶられ
壊れた今の中から
見えなくなった
これから先を
手で探る
飛んでいった絶対の
鋭い破片が舞い散る中
生きていくのだと
他人事のような絆の合唱
がんばろう、は応援じゃない
無力無力と嘆いては
歌を忘れたカナリヤで
泣くだけないて
帰ったのは励まし隊
絶対安全圏など
どこにもない
絶対大丈夫など
誰にもいえない
忘れなければ
進めない
後は任せた、と
スーパーパワーは
去っていき
人々は歩きだした
嫌なことは忘れて
公園にしましょう
嫌なことは忘れて
埋めてしまいましょう
が、今
憤りに埋もれた眼
止まったままの時計
訴えは訴えから変わらず
叫びは叫びから抜け出せず
そんなことより
自分の生活
離れた場所では
日常が戻ってひさしい
あの場所は
この場所
あの人は
私
で、あったかもしれない
に、なるかもしれない
のに…