表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夏生詩集2

飛んでいった絶対

作者: 夏生

矢印だらけの天気予報

繰り返されるコマーシャル


揺さぶられる今

震える足


車の行列、沈うつな眼差し

走れども答えは誰も知らず


壊れた絶対に絶句

押し潰された日常


寝ぼけ眼の我が子

ぬくもりにこもり

大丈夫と言ったのは

どちらの方か


飲み込まれた場所から

遠く離れても

つながっている

連なっている


明日は我が身

明日は我が身

揺さぶられ


壊れた今の中から

見えなくなった

これから先を

手で探る


飛んでいった絶対の

鋭い破片が舞い散る中

生きていくのだと


他人事のような絆の合唱

がんばろう、は応援じゃない


無力無力と嘆いては

歌を忘れたカナリヤで

泣くだけないて

帰ったのは励まし隊


絶対安全圏など

どこにもない

絶対大丈夫など

誰にもいえない


忘れなければ

進めない

後は任せた、と

スーパーパワーは

去っていき

人々は歩きだした


嫌なことは忘れて

公園にしましょう

嫌なことは忘れて

埋めてしまいましょう

が、今


憤りに埋もれた眼

止まったままの時計

訴えは訴えから変わらず

叫びは叫びから抜け出せず


そんなことより

自分の生活

離れた場所では

日常が戻ってひさしい


あの場所は

この場所

あの人は

で、あったかもしれない

に、なるかもしれない

のに…

















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ