砂漠の中で思うこと。
砂漠の中をひたすら進む。
そこは、誰とも出逢う事のない世界。
まるで、この世界に僕だけ生き残ってしまったかのよう。
喉が渇いた。
当たり前だが、蛇口はない。
だったら、オアシスを探そう。
けれど、見渡す限り、オアシスらしきものはない。
そこにあるのは、ただの砂。 見渡す限り、ただの砂。
僕はひたすら同じ風景の中を突き進む。
僕は独りぼっち。 誰の助けもない。
むしろ、誰もいないから、助けてもらえるはずがない。
「喉が渇いた」と呟いたところで、それを聞いている人がいない。
喉が痛くなってきた。 なんでもいいから、飲み物が欲しい。
顔面に砂があたり続けたせいで、顔の感覚はもうほとんどない。
心をひたすら無にしなきゃ、この状況に耐えられない。
悲しいけれど、僕がいるのはそんな場所。
逆風が強すぎる。
僕の体力を確実に奪って行く。
もう、僕はここで死ぬ運命なのだろうか?
僕は何度も不安に駆られた。
だけど、ここで負けるわけにはいかない。
今まで、自分の足で歩いてきたんだ。
今さら、負けるわけにはいかない。
せめて、せめて、オアシスにはたどり着きたい。
僕は、もう一度力強く足を踏み出す。
“僕は逆境なんかには負けない”
そういう思いを心に秘めて・・・・・・
誰にも助けを求めないのは罪にも等しい。
独りよがりは自分勝手。
時として、他人を頼ることも大切。
もしかしたら、「誰も助けてくれない」
と思っているのは自分だけかもしれない。
本当は、思ったよりも近くに誰かがいるかもしれない。
だから、上を見て、下を見て、左右を見て、前後を見て、
何が真実で、何をすべきなのかを確かめる必要がある。
そんなことはわかっているはずなのに、
やっぱり僕は、 独りよがりになってしまう。