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目が覚めたら

またまた息抜き、しかも連載になってしまった・・・本編更新はどうしたとか言わないでー!!不定期更新なので本編更新の合間になります。



俺、こと嘉島啓介かしま けいすけは只今・・・・・・・・溺れています!








桜並木が街並みを彩り始めた。


そう、いわゆる入学シーズンというやつだ。


とは言え俺は既に高2なので、高1の時の入学式でドキドキだとか、友達ができるかで憂鬱な気持ちになことは一切ない。

つまり、関係ないのだ。


では、なぜこの件でこんなことを言ったのかというと特に意味はない。



しいて言うのならば、それが俺が最後に見ていた光景だったからだろう。



春休みが終わりに近づき、そろそろ新学期が始まるこの季節に俺は寒中水泳を敢行することになってしまった。

理由は馬鹿な近所のガキが溺れていたからだ。


周りに人はいなかったし、既に警察も救急車も呼んだ後だったので、ちょっとしたヒーロー気分で川に入ったのが間違いだった。

結果として近所のガキは助かった。

んでもって、俺は溺れて死んだ。


溺れて薄れゆく意識の中で俺が思ったのは、走馬灯ねぇなぁ・・・・・・だった。



















頭が真っ白で、思考能力が働かない。

かなりの長時間睡眠をとった後のような妙な倦怠感と、思考能力の低下に自分でも訳が分からない。



(ここは、・・・・どこ、だ?なんで、動かない?)


ようやく戻ってきた思考だが、今度は体が動かないことに気が付く。

その途端意識がクリアになった。

急に視界が開けたかと思うと、そこは見知らぬ空間だった。



(・・・・・・は?)



その瞬間口から出そうと思った言葉は、その音を紡ぐことはなかった。


(なんだこれ、どこだここ!?どうして動かない?どうして話せない!?)



何度か体を動かそうとしたり、声を出そうとしたりしたのだが、どちらも思い通りになることはなく無意味に時間だけだ過ぎて行った。



それから啓介が思い出したのはつい先ほどの記憶であった。


(確か、クソガキを助けようとして溺れて・・・・まさか、植物状態?いや、目は開いてるから脳障害でも起こったのか?)



そう考えれば今の動けない、喋れないというのは理解できる・・・・できるのだが・・・。



(ここはどこなんだ?)





 首が動かないので視線だけで辺りを見回して思ったのはまずソレであった。


床は大理石、やけに豪華な扉、クローゼットにも装飾が施され、天蓋付きのベットに椅子。

啓介の住んでいた純和風一戸建の家ではない。


かといって病院でもないだろう。

近所にはこんな豪華な病院はないし、第一あったとしても家にはそんな金はない。


(ってかベッドが見えるってコトは俺今何処にいるわけ?)



天蓋付きのベッドが見えることから自分がベッドには居ないということは理解できたが、ナニコレ誘拐か何か?

いやいや、一般家庭の俺を攫ったところで金なんて出ないからね。

ってかクソガキ助けて溺れてどうなった俺!?


とにかく状況把握をしたい啓介はなんとか体を動かそうと右へ左へ体を動かすように念じながら力を込めた。

そのかいあってか、今度こそ体が動いたのだ。


(動いたっ!!)

と歓喜を浮かべた瞬間、フワリと身体に浮遊感が起き――――、落下した。



どうやら啓介がいたのは何かの上だったらしい。

視界に大理石の床が目前に迫ってきている。

床に落下するまでの間啓介は今度こそ走馬灯が過った。



ぽよん、ぼょぽょ………………………………




(………ん?痛く、無い?)


地面に追突する瞬間啓介はギュッと目を閉じたのだが、特に痛みを感じなかった。

下に何かマットでも敷いていたのだろうかと思ったが、啓介が転がっているのは紛れもない大理石の床であった。

なにやら落下したときにやたらファンシーな音がしたような気もするが、とにかく無事だったことに違いはない。



(とにかく、体が動いたことだし・・・周りの様子でも・・・・ん?)


立ち上がろうとして異変に気が付く。

異様に視線が低い。

確かに今自分は体を起こしてる状態なはずだ、なのに視線の高さはほんの数十センチほどしか上がっていない。

はっとして視線を自分の体に向けた。


(なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!!)


声が出ないので内心になるが、啓介は大絶叫をあげていた。



純白の艶やかかつフワフワとした毛―――――、手も足もなく丸いフォルム・・・・・・。


はっきり言おう、ファーであった。

ふっわふわな毛玉である。



(オーマイガー!!ジーザス!!何の夢だこれ!?)


悲鳴を上げる啓介はこれが夢ではないかとも思い、思わず頬を抓りたくなったが、抓るための手もなければそもそも頬はどこだ!?とにかく現実ではないことを証明したいがために床に頭をぶつけようとしてモフモフな毛に邪魔されてぶつけようがなかった。


というか跳ね回っている。


(ちょっ、俺ファーなのか!?なんでファー!?)


とにかく。


(夢なら覚めてくれぇぇぇぇぇーーーーーーーー!!!)







この先の展開をどうするか・・・・。男か女か・・・・。

う~みゅ・・・それとも川、かなぁ?


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