表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/134

第61話 ウエディングプラン

 翌週水曜日、大学が午後は休講だということで、急きょ私は聖君と結婚式のことを決めるため、ウエディングプランナーさんに会うことにした。

 新百合の駅まで、聖君が車で戻って来てくれて、そこから私たちは、ウエディングプランナーのオフィスを訪れた。


「な、なんだか、ドキドキする」

 オフイスまでの道中、信号で止まった時に、私は聖君の手を握ってそう言った。

「桃子ちゃんの希望は?」

「結婚式の?とにかく、聖君の紋付き袴とタキシードが見られたら、それでいい」

「ああ、はいはい」


 聖君が呆れたって顔でそう言って、静かな顔をして前を向いた。

 だって、それがずうっと私の夢見てきたことなんだもん。それが叶うんだよ?ああ、ドキドキする。

 紋付き袴と、タキシード姿の聖君をいっぱい写真に撮って、写真集を作りたいくらいだ。あ、だったら、普段の洗いざらしのシャツ姿や、れいんどろっぷすで働いている聖君も、載せたいなあ。


 それに、たくましい聖君がわかるように、水着を着ている聖君も。

 って、だんだんと、私エッチになっていってる気がする…。

 だけど、本当に写真集を作ったとしたら、やっぱり誰にも見せたくないかも。


「なんか、にやけてるけど、何を妄想してんの?」

 聖君がちょこっと私の顔を見て、そう聞いてきた。

「…なんでもな~~い」

「俺の紋付き袴姿でも、想像してた?」


「……想像できない」

「なんで?」

「だって、きっと想像をはるかに超えるくらい、かっこいいと思うし」

「ああ、はいはい」

 また聖君は呆れた顔をした。でも、耳が赤いから、今、きっと照れてる。


「白のタキシードも似合うだろうな。きっと、きゃ!まぶしいっていうくらいに」

「…」

「どうしよう。結婚式場のスタッフさんがみんなして、目をハートにしていたら。っていうか、今日のウエディングプランナーさんって、女性だよね?どうしよう。聖君に惚れちゃったら」


「ああ、もういいって。そこまで行くと、桃子ちゃん、危ないよ?」

「危ないって?」

「思考が、超危ない」

「そ、そっかな」

「現実味まったく、帯びてないよね?」

 そうかな。思い切り、現実味帯びていると思うんだけど。


 オフィスの入っているビルに着いて、車を駐車場に停め、私たちはオフィスに入って行った。

「ドキドキ」

「くす」

 聖君が横でクスクス笑ってる。なんで?


「桃子ちゃん、ドキドキって口に出して言ってるんだもん。超可愛い」

「…」

「あ!ウエディングプランナーに、男もいるよね?どうしよう。桃子ちゃんに迫ったりしたら」

「ないない、そんなこと絶対にないから」

 そっちのほうが、現実味を帯びていないよ。


 そんなことを言いながら、エレベーターに乗り、5階で降りた。すると真ん前に、そのウエディングプランナーのオフィスがあった。

 うわ。いよいよだ。結婚式の話をするんだ。聖君と結婚式挙げちゃうんだよ?私。

 って、もう結婚はしてるんだけどさ。


 そして中に入ると、さっそく可愛らしい女の人がやってきた。見た目、20歳そこそこっていう感じの女の人だ。

「電話した榎本ですけど」

「はい、お待ちしていました」


 あ。今、聖君見て、顔赤くなった。よね?

「こちらにどうぞ」

 私たちは奥に入り、応接間のようなところに通された。そして、そこに今度は、20代後半くらいの女性が現れた。


「こんにちは。初めまして。私が担当させていただく緑川です」

 はきはきとした綺麗な人だ。ダークグレイのパンツスーツが、メッチャ似合っている。

「あ、榎本です。よろしくお願いします」

 聖君がお辞儀をすると、その人は聖君と私を見て、ちょっと驚いていた。


「えっと…。おいくつですか?まだ、若いですよね?」

「…俺、いえ、僕は19で、彼女は18です」

「まあ!若い。ところで、ご両親は結婚に賛成して…」

 言いにくそうにその人は、聞いてきた。


「ああ、はい」

 聖君が淡々とそう答えると、

「あ、彼女、今もしかして、お腹に赤ちゃん…」

とまた、言いにくそうに今度は私に聞いてきた。


 お腹がまだ出てるのかなあ。妊娠しているように見えるの?

 私は一回自分のお腹を見てから、

「いいえ。もう産んでから3か月たってるんですけど」

と答えた。


「え?産んでからっていうと、もう子供…」

「はい」

 その人は、しばらく黙ってしまった。


「あ、去年籍だけは入れてるんです。結婚式は子供を産んで、落ち着いたら挙げようってそう言ってたんですよ。それで、そろそろ式を挙げても大丈夫そうなので、今日伺ったんですが」

 聖君がそう説明すると、緑川さんはやっと納得したっていう顔をして、にっこりと微笑んだ。


 そこに、さっきの若い可愛い女の人が、お茶をお盆に乗せやってきた。

「どうぞ」

 テーブルにお茶を置くと、その人は聖君を見て、また顔を赤らめた。

「旦那さん、かっこいいですね。羨ましい」

 

「真樹ちゃん」

 緑川さんが、小声でその人に注意をした。

「あ、すみません。つい…」

 その真樹ちゃんっていう人は、舌をペロッと出して、部屋を出て行った。


「ごめんなさい。さて、結婚式ですけど、いつ頃がいいか、どんなスタイルの結婚式がいいか、希望はございますか?」

「あの…。できたら、和装と洋装、両方着れるのがいいんですけど」

 私はそう緑川さんに言った。


「…じゃあ、式は神前がいいですね?」

「はい」

「お色直しですね。最近はチャぺルで結婚式を挙げる方が多くて、ドレスだけ着るという女性が増えているんですよ。でも、やっぱり一生に一回のことですし、両方着たいですよね?」

 緑川さんは私を見て、にっこりと微笑んだ。私は、心の中で、ううん。両方見たいの…と思いつつ、何も言わずににこりと微笑み返した。


 事情を知っている聖君は横で、片眉をあげ、出てきたお茶をすすった。

「こちらが式場のパンフレットになります。神前の式をあげられるのは、こちらのホテルと、それから…」

 緑川さんは、いろいろと式場のパンフレットを見せてくれた。


 なんだか、どこも豪華で高そう~~。私もっと、質素でいいんだけどな。ほんと、レストランで身内だけで集まって、パーテイするくらいの。


「あの、僕たち、そんなすごい披露宴をするつもりはないので、式を挙げたら、どこかのレストランで身内だけ呼んでパーティするって感じにしたいんですけど」

 聖君もそう思ってたんだ。ちゃんと言ってくれた。よかった。


「それでしたら、ガーデンパーティができるここはどうですか?」

「…う~~ん。夏に式を挙げたら、外って暑いですよね?」

「夏?」

「8月とか…」

「今からですか?あと、2か月弱しかないですけど」

「あ、準備大変ですか?」


「そうですね。まあ、いろいろと忙しくなると思いますが。招待状を送ったり、引き出物を決めたりと…」

「ああ、そっかあ」

 聖君は私を見た。

「じゃあ、10月頃は?季節もいいよね」


 私がそう言うと、

「でも、空いてるのかな。一番混む頃ですよね?」

と聖君は、緑川さんのほうを見てそう言った。

「そうですね~~~。ただ、神社で式をあげて、そこから近場のレストランに移動してという、そんなプランにしたら見つかるかもしれません。いろいろとまだ大丈夫かどうか、調べてみます」


「はい。じゃあ、よろしくお願いします」

「場所はこの近辺がいいですか?」

「そうですね。でなかったら、僕の実家が江の島なんで、その近辺でもいいです」

「江の島?そうですか。はい、わかりました」


 私たちは、緑川さんにぺこりとお辞儀をしてオフィスを出た。あの真樹ちゃんっていう人が、聖君を見て、うっとりとしながら、見送ってくれた。


「夏には無理かあ。そうだよなあ。あと2か月くらいしかないんだもんなあ。動くの遅すぎたかな」

 車に乗り込むと、聖君はそう言いながら、シートベルトを締めた。

「でも、10月なら、凪も7か月だし、もうしっかりとしてきてるだろうから、ちょうどいい時期かも」

「そうだね。来てくれる人にとっても、いい季節かもしれないね」

「…わあ!」


「わあ?」

「もうすぐ、見れるんだね!」

「俺の紋付き袴?」

「うん!」


「俺、さっきのところでも桃子ちゃん、俺の紋付き袴とタキシードが見たいって言い出すんじゃないかって、はらはらしてたよ」

「言わないよ。そんな、人の前で…。あ、それより、あの真樹っていう人、聖君見て目をハートにさせてたよ。ね?現実味帯びていたでしょ?私の心配」


「…」

 聖君は無言で、ああ、はいはいっていう顔をして、車のエンジンをかけた。

「これから結婚式を挙げる人の顔見て、目、ハートにしても仕方ないでしょ?あれはあれだよ。営業の手口だよ。自分の旦那、褒められたら、悪い気しないじゃん」

「そうかな。でも、緑川さんが注意してたよ?」


「…桃子ちゃん」

「え?」

「そんなこと、俺、どうでもいいや。それより、桃子ちゃんのウエディングドレス姿が、楽しみで」

「…へ?」

 私の?そっか。聖君もそういうのが楽しみなんだ。ちょっと嬉しい。


「ね、凪にもオシャレさせる?可愛い真っ白のドレス着せない?まるで俺の花嫁さんみたいになるかな」

「え?!」

 凪?

 凪にドレス?


 私が、暗い顔を一瞬したのがわかったのか、聖君はいきなり焦って、

「あ、俺の花嫁は、桃子ちゃんだよ。うん、桃子ちゃんなんだけどさ」

とそう必死になって言った。


 でも、心では、私の花嫁姿より、凪のドレス姿が見たいんじゃないの?と、私は疑ってしまった。

「…20年後くらいには、凪の本当の花嫁姿を見ることになるのかもね」

「え?」

 聖君は真っ青になって、しばらく車を発進できなくなっていた。


 私よりも凪のドレス姿を、楽しみにしたりするから、つい、意地悪言いたくなっちゃった。

「そ、そ、そうか。凪はいつか、俺以外の男のものになっちゃうのか…」

 がっくり。という感じで、聖君はうなだれた。


「聖君、気を取り直して、運転しっかりしてね?」

 そう言うと、聖君は私を見て、チュッてキスをすると、

「でも、桃子ちゃんは俺の花嫁さんなんだもんね?もう、他の奴に奪われることもないんだよね?」

となぜか、切なそうな目をして聞いてきた。


「うん。聖君だけのものだよ?安心して?」

「…うん!」

 聖君は、いきなりにやけたかと思うと、元気に車を発進させた。

 ああ、ほんと、聖君って、単純だ。


「10月か~~~」

 聖君はそう言うと、鼻歌まで歌いだした。

「新婚旅行はどうしようか?凪と3人でどっか行く?」

 鼻歌を歌った後に、聖君は機嫌よく聞いてきた。

「うん。温泉とかでいいかなあ」

「温泉でいいの?」


「じゃあ、ハワイ」

「え!そ、それは、旅費が…」

「じゃあ…」

「でも、頑張って働いて旅費ためて…。沖縄はどう?」

「うん。それがいい」

 私が目を輝かせると、聖君はにんまりと笑い、また鼻歌を歌いだした。


 わ。嬉しいな。凪と3人で沖縄。そういえば、前に沖縄の本に聖君が、よさそうなホテルに丸をしていたっけ。でも、10月って、気候どうなのかな。海、入れるのかな。


「凪、いい子で待ってるかな」

 聖君は鼻歌を終えると、そうつぶやいた。


 凪は今、母が家で見てくれている。午前中にエステの仕事があったが、午後は入れないようにしてくれた。

 母は、凪が生まれてから、エステの予約を受けるのを減らしたり、出張エステもグンと、回数を減らしてしまった。


 聖君のお母さんは、私や凪が榎本家に行っても、仕事を休んだりはしないが、うちの母は仕事の量を減らしてしまうので、なんだか申し訳ない。

 働いているのが好きな母。私を祖母の家に預けてまで、働いていたというのに。孫の威力がでかいのか、私が子育てが大変だから、そうやって助けようとしてくれているのか。


 嬉しいけど、このまま椎野家にいたら、母は好きな仕事をセーブしてしまうんじゃないかと、気になってしまう。

 やっぱり、榎本家に行った方がいいんじゃないかなあ。私たち。


「ね、聖君」

「ん?」

「やっぱり、そろそろ私と凪、榎本家に行こうかな」

「…うん。いいけど。でも、お母さんとお父さん…」


「寂しがるだろうけど、2人とも仕事をセーブしちゃいそうで、なんだかずっと居座っているの、申し訳なくって」

「ああ、お母さん、エステの仕事、あんまり予約入れてないんだっけ?」

「うん」


「そっかあ。そうだな。お母さんって、仕事好きそうだし、凪がいるとその好きな仕事をセーブしちゃうのか」

「うん」

「……。そうだね。今日、ご両親に話してみようか?」

 

 そして、私たちは椎野家に到着した。

「おかえり。どうだった?いいところ決まった?」

 母は、玄関にすっ飛んできて、私たちにそう聞いた。

 おいおい。いきなり、決まったりしないって。と私は突っ込みを入れたかったけど、聖君は真面目な顔をしていた。


「いや、まだです。10月に空いているところを探してくれるそうです」

 聖君がそう真面目に答えると、

「え?10月?」

と母は、私と聖君を交互に見て聞いてきた。


「うん。夏だといろいろと準備の時間が足りなくなりそうだから、10月がいいかなって、そんな話をしてきたの」

「そんないい季節に空いてるの?」

 母は私の言葉に、そう聞き返してきた。

「見つけてくれるって」

 私はそう言って、聖君とリビングに入って行った。


「凪は、寝てるんですか?」

「うん。さっき、ミルク飲んで寝ちゃったわ」

 聖君は、そうっと和室を覗き込み、

「あ、本当だ。可愛い寝顔で寝てる」

と言って、凪の布団の横に座った。


「なぎ~~~。凪はいつまでも、俺のもとにいていいからね」

 今の、小声だったけど、聞えたぞ。

 まったくもう。桃子ちゃんがいてくれたらそれでいい、みたいなことを私には言うくせに、凪にはそんなことを言ってくれちゃうわけね。


「こっちで、凪ちゃんが寝ている間にお茶でも飲まない?」

 母が紅茶を2人分、淹れてくれた。

「いただきます」

 私と聖君は、リビングのソファーに座って、紅茶を飲んだり、クッキーを食べた。


「…あの」

 聖君は、ティ―カップを静かにお皿の上に乗せ、母に真面目な顔をして話しかけた。

「なあに?」

 母は何かを察したのか、聖君の前の席に座った。


「桃子ちゃんとも話していたんですが、そろそろ、3人で俺の家に移ろうかって思ってるんです」

「…え?」

 あ、びっくりしている。

「桃子ちゃんの産後の状態もいいし…。もう、向こうで暮らしても大丈夫かなって」


「…そ、そう」

 母はちょっと顔を曇らせた。でも、すぐににこっと笑い、

「そうね。聖君の家に嫁いだんですもの。聖君のおうちに、桃子も凪ちゃんも行かないとね?」

と明るい声でそう言った。


 でも、目だけが笑っていない。無理して笑顔を作り、明るくしているだけだ。きっと、寂しいんだろうな。

「お母さんも、お父さんも、寂しくなりますよね?」

 聖君はそんな母の心を察したのか、そう申し訳なさそうに聞いた。

「そうね。お父さんも寂しがりそうね。でも、いずれは聖君の家に行くって、それは覚悟していたんだし…、大丈夫。そのうちに、3人がいないこの家にも慣れるだろうから」

 母はまた、明るい声でそう言った。でも、すっと立ち上がり、そのままキッチンに行ってしまった。


「…3人。そうだよね。聖君がうちにいると、本当ににぎやかだけど、いなくなったら、寂しくなるんだろうね」

 私は、ぼそっとそんなことを口にした。

「俺?俺より、凪でしょ?いなくなって寂しいのは。それに、娘の桃子ちゃんだよ」

「そうかな。私、家でもおとなしかったし。お父さんは聖君が来てから、よくしゃべるようになったもん」


「…でもさ。娘が家を出ちゃうんだから、寂しくないわけないよ。だって、俺も凪が家を出て行っちゃうと思うと、泣きそうだもん」

「………」

 なんか、それもどうかと思うけど。


「でもまだ、うるさいひまわりがこの家にはいるし」

「あ、そっか。凪の下にも妹ができたらいいのか。あ、でもなあ。男の子も欲しいんだよな。俺…」

 う~~ん。聖君ってば、どうしても自分のことに、話がずれていっちゃうなあ。そんなに、聖君の頭の中は凪のことばっかりなのかしら。


「お父さんにも話さないとね」

 聖君はそう言ってから、はあってため息をつき、

「お父さん、泣いたらどうしよう、俺」

と小声でつぶやいた。


「ないない。まさか、泣くわけないよ」

「でもさ。結婚式ではわかんないよ?泣いちゃうかもよ?桃子ちゃん、ご両親向けの手紙とか読んじゃう?」

「読まないよ~~~」

「なんだ。感動的なのに」

 え~~~!そんなの、読むわけないじゃない。


 もう、聖君は。人のことだと思ってそんなことを言って。だったら、聖君が手紙読んだら?

 なんて言ったらきっと、聖君嫌がるよね。

「じゃ、俺が手紙、書こうかな」

「…え?!」


 私はびっくりして、聖君の顔を思い切り見た。

「式で読むかは別にして。俺さ、父さんから手紙みたいな自叙伝もらってるし。なんか、そのお返しに手紙か何か、あげたいなって思ってたんだよね」

 そうなんだ~~~。


「…なんてね。わかんないけど、いざとなったら、超恥ずかしいかもしれないしね」

 聖君はそう照れた顔をしながら言うと、でへっと笑って見せた。

 そうか。でも、式やパーティで読まないとしても、私も両親に手紙書きたいかも。だって、直接、ありがとうございましたなんて、お礼言えそうもないし。


「じゃ、私も書く。手紙」

「うん。それ、パーティで披露してね。きっと、感動的だから」

 なんでそうなるかなっ!

「披露なんてしないもん。恥ずかしいから」


「なんだ。感動的なパーティになるのに」

 聖君。もしかして、面白がってる~~?

 聖君は、ソファから立ち上がり、また和室に入って行って、凪の顔を見ながら、

「凪。ドレス着ようね?飛び切り可愛いやつ」

とにやけながら、ささやいていた。


 今のも、聞こえてるってば。もう…。やっぱり聖君は、凪に夢中だね。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ