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第129話 結婚式当日

 今日は、いよいよ、待ちに待った結婚式!昨日の夜から私はずっとドキドキしている。

 聖君は、あんまりいつもと変わらなかった。でも、にやついてはいたけど。


 お母さんと杏樹ちゃんは、美容院に行ったり、いろいろと忙しくしていた。お父さんは、

「結婚式か~~~」

と、なんだか一人感慨深そうにしていた。


 先月、聖君のお父さんが車を買い換えた。今度の車は8人乗りのバンだから、榎本家の家族全員で乗れてしまう。

「ごめんね?クロ。お留守番よろしく頼むよ」

「クウン」

 本当はクロも連れて行きたかったんだけどね。小声で聖君が車に乗ってから囁いた。うん、そうだよね。


「くす。凪ちゃん、ちょっと今日そわそわしてる」

 お母さんが、バンに乗り込んでから凪を見てそう言った。

「凪ちゃんもおしゃれするんでしょ?」

 杏樹ちゃんが、聖君に聞いた。


「うん!可愛いドレス買ったんだ。杏樹も楽しみにしてて。今から着たら凪、汚しそうだから会場着いてから着せるよ」

「そうなんだ~。楽しみだね。でもさ、私はお姉ちゃんの花嫁姿の方がずうっと楽しみ!」

「そうよね。きっとお人形さんみたいに可愛いでしょうね」


 お母さんと杏樹ちゃんにそんなことを言われ、私は照れてしまったけれど、でも、内心、聖君のタキシード姿のほうがずっと楽しみ…って思っていた。


「今日は、桃子ちゃんが主役だからなあ」

 運転席に乗り込んだお父さんがそう言った。

「え?」

 私?聖君じゃなくって?

「そうだよ。桃子ちゃん、そのへん自分でわかってる?結婚式って、花嫁が主役だから、俺じゃないんだからね?」

 聖君までがそう私に言ってきた。


「そ、そうかな。聖君のかっこいい姿を見に来る人もいると思うけど」

「え?まだ、そんなこと言ってるの?」

 聖君が呆れたっていう顔で私を見た。でも、お母さんもお父さんも、笑い出し、

「お姉ちゃん、おかしい」

と杏樹ちゃんまでが笑った。


 車の中は、賑やかだった。凪は車に乗るとすぐに寝るが、この賑やかさの中ではさすがに眠れないようで、凪までがキャタキャタ笑ったり、キョロキョロしたりしていた。


 神社に到着した。緑川さんがすでにいて、私たちを出迎えてくれた。

 それから、和室の広間に通され、家族はそこで待たされた。私と聖君だけはまだ、廊下の奥へと通され、別室に分かれた。


 部屋に入ると、若い女性が一人と、50代くらいの女性と、もうおばあちゃんといってもいい年齢の女の人がいた。そして、まず襟足などを綺麗に添ってもらい、それから化粧をしてもらった。


「肌が白くて綺麗ですね」

 若い女性の人は、メイクさんだった。

「でも、そばかすとかあって」

「こんなのそばかすのうちに入りませんよ」


 鏡の中の私は、どんどん真っ白になっていっているような、そんな気がした。

 それから、50代くらいの女性が、髪を結い始めた。


 ドキドキ。白い化粧をした顔と、この髪…。服をまだ着ているせいか、まったく私に似合っていないような、へんてこりんのように見えてしまう。もし、着物も白無垢も、綿帽子もまったく似合わなかったらどうしよう。聖君、がっかりしないかな。


 そうだった。隣の部屋では聖君が、紋付袴に着替えているところだった。ああ、早く見たい。紋付袴の聖君!


 そんな気持ちがどんどん膨れ上がり、自分のことなんかどうでもよくなっていった。鏡もほとんど見ないで、早く聖君に会いたい気持ちばかりが募り、ドキドキしていると、

「まあ!可愛いわ~~。お人形さんみたい」

という50代の女性が大きな声を上げたのが聞こえてきた。


「本当ね。綿帽子がこんなに似合っちゃうなんて。顔が小さいからかしら」

「花婿さん、また惚れちゃうわね」

 そんな会話を50代の女性とおばあさんがしている横で、若い女性が、

「そういえば、新郎ちょこっと見たけど、すっごいイケメンね?」

と私に言ってきた。


「あ、は、はい」

「あんなにかっこいい旦那さんで、羨ましい」

 そう言ったのは、50代の女性だ。

「…」

 私は何も言い返すことができず、うつむいた。


 その時、ふすまの外から、

「桃子、入ってもいい?」

と母の声が聞こえてきた。あ、お母さんとお父さんも到着したんだ。


「どうぞ。新婦のお母様ですか?」

 若い女性がふすまを開けた。

「ええ、あ、それと新郎のお母さんも一緒なんですが」

「どうぞ、今ちょうど着付けが終わったところですよ」


 部屋の中から50代の女性もそう言った。

「まあ!まあまあまあ!!」

 聖君のお母さんが、口を大きく開けてそう叫びながら入ってきた。

「桃子ちゃん、可愛いわ~~~!!!」


「桃子、すごく綺麗よ」

 母は目に涙を浮かべながら入ってきた。

 ダメだ。いきなり実感が湧いてきた。もう籍を入れて1年以上たっているし、家から榎本家に来てからだって、かなりの月日が経ったというのに、母の涙を見て私まで泣きそうになった。


「あ、桃子ちゃん、泣いちゃダメ。せっかくのお化粧が…」

 聖君のお母さんにそう言われてしまった。

「あ、そういえば、聖君は?」

「もう、着付けも済んで、広間にいるわよ」


「え?そうなんですか?」

 ドキドキ。もう、紋付袴のかっこいい聖君なんだ。

「ひまわりが聖君がかっこいいんで、隣に並んて写真撮ったりして大変で…。あ、来た来た。杏樹ちゃんとこっちに来たわよ」


 母がそう言って廊下のほう見た。

 そうか。ひまわりめ。私より先にかっこいい聖君を見て、私より先に隣に並んだのね!なんだか、悔しい。


「お姉ちゃん」

 私の姿を見て、目を潤ませ感動したのは、杏樹ちゃんのほうだった。

「わ~~~。お姉ちゃん、似合ってる、似合ってる」

 そう叫んだのは、ひまわりだ。なんか、心がこもっていないように聞こえるけど。


「お兄ちゃん、かっこいいよ。紋付袴がすっごく似合ってて!」

 ひまわりがそう言った。すると、

「お兄ちゃんなんて、どうでもいいよ。お姉ちゃん、すっごく綺麗。お兄ちゃんが見たら、また惚れちゃう!」

と、杏樹ちゃんは私を褒めた。


 それから、杏樹ちゃんが持ってきたデジカメで写真を撮り、そのうち、

「花嫁さんの支度もできましたか?」

と緑川さんが顔を出した。


「はい。できましたよ」

 50代の女性がそう言うと、

「まあ!お似合いだわ。やっぱり、お人形さんみたいで可愛い」

と緑川さんまでがそう叫んで喜んだ。


「じゃ、じゃあ、そろそろ時間ですし、皆さんもう、外の方で待機しています。新婦さんもどうぞ」

 緑川さんは、声のトーンを抑え気味にして、そう言った。

「じゃあ、私たち先に行ってるね」

 杏樹ちゃんとひまわりは、ニコニコしながら廊下をかけていった。


「私たちも行ったほうがいいのかしら」

「はい。新婦さんは私たちがお連れしますので、どうぞ外で待っていてください」

 緑川さんがそう言うと、いつの間にかやってきたウェデングプランナーのスタッフがもう一人、私の横に立った。


 そして、母たちも行ってしまうと、ゆっくりとその人が横に並んで歩き出し、緑川さんは先に歩き、私を誘導してくれた。


 外に出た。もうすでに、家族や親戚のみんなは綺麗に列を作り、そして一番先頭に、巫女さんが二人たち、そのすぐ後ろで紋付袴の聖君が待っていた。


 クラッ。クラっときちゃった。だって、聖君があまりにもかっこいい。

「…も、桃子ちゃん?」

 聖君の顔、めずらしく緊張してる…。と思った次の瞬間、

「すげえ、可愛い」

と思い切りにやついた。


 私は聖君の隣に立った。後ろから、

「桃子ちゃん、綺麗ねえ」

とか、はあっていうため息とか、いろんな声が聞こえてきた。


 でも、巫女さんが歩き出すと、一気に静まり返って、厳かな空気の中私たちも歩き出した。

 う。いきなり緊張してきた。ちらっと隣を見た。聖君の横顔が見えた。


 ああ、かっこいい!うっとりと見つめていると、

「ん?」

と聖君が気がつき、私のことを見た。うわあ、優しい目だ~~。

「ううん」

 私はすぐに足元を見て、しずしずと歩き出した。


 なんだか、胸がドキドキする。聖君と結婚するんだ、私。

 …………。

 そうじゃなくって!だってもう、結婚してるし。

 でも、やっぱり、今日はまるでこれから結婚するかのような、不思議なドキドキ感がしている。


 手水でお清めが済んだあと、巫女さんの前に雅楽を奏でる人が並んだ。そして、雅楽を奏でながら、静かに歩き出した。

 静かな境内は、緑に囲まれ、外の車の音、人の声、そんなものが一切聞こえてこなかった。聞こえてくるのは雅楽の音だけ。まるで、別世界にでも入り込んだかのような、厳かで清らかな空気が流れいる。

 

 そして、本殿についた。厳かなムードのまま、式が始まった。

 斎主がお祓いをしたあと、祝詞奏上、斎主が祝辞を読み上げ、それから、三々九度の儀式。私と聖君は、結婚の誓いを立てた。


 ドキドキした。でも、聖君が隣にいてくれるから、安心もしている。

 不思議と、凪もずっと静かだった。この厳かな空間を肌で感じ取り、静かにしていてくれたのかもしれない。


 結婚は1年前にした。誓いも、聖君は言ってくれた。でも、こうやって神社で式を挙げ、結婚の誓いをすると、また違った感動がこみあげてくる。


 泣きそうになるのを我慢しながら、指輪の交換をした。でも、聖君が私の指に指輪をはめた時、思わず目頭が熱くなり、目が潤んでしまった。それに聖君は気がついたようで、優しい目で私を見つめた。

 だけど、そのあと、聖君の表情はキリリとした。式の間もずうっと、キリリとした表情をしていた。


 緊張しているのかもしれない。それか、この厳かなムードの中で、顔がきりりと引き締まってしまうのかもしれない。どちらにせよ、こんなキリリと引き締まった顔は、そうそう見られないから、私はそんな聖君に見とれていたりもした。


 かっこいい。なんでこんなに、聖君はカッコいいのかしら。そんなかっこいい聖君の花嫁さんになれたなんて、私はなんて幸せ者なんだろう。じわ~~~~。

 そんな思いが何回も何回も湧き上がってきて、そのたび、目が潤んだ。


 母の目も、父の目も、赤かった。凪を抱っこしてくれている聖君のお父さんも、なんだか、目に涙を浮かべているように見えた。そしてその横で、もうすでにハンカチで目を押さえている聖君のお母さん。

 そんな姿が目に入り、ますます私は泣きそうになっていた。


 でも、ぐっと我慢した。なにしろ泣いたらお化粧が大変なことになる。このあとすぐに、写真撮影だ。

 泣くなら、写真撮影も、式も、披露宴も終わってから。でないと、化粧が崩れっぱなしで、悲惨なことになっちゃうし。


 写真撮影は、外で撮った。境内は本当に緑が綺麗で、その中で写真撮影は行われた。

 私は聖君の横にちょこっと座った。聖君の紋付袴や、私の着物を綺麗に整え、それから、母や聖君のお母さんの着物だったり、ほかの人たちの立ち位置など、カメラマンが事細かく直してくれて、そうして、写真を撮り出した。


 横に座っている聖君を横目で見ると、真正面を向いてキリリとしている。ああ、なんでこうも、かっこいいんだろう。

「新婦さんは、前を向いていてくださいね」

 そこで、カメラマンに言われてしまった。ああ、いけない。


 でも、ずっとずっと、聖君の凛々しい姿を見ていたいんだもん。


 写真撮影が済むと、しばらく時間が空いたので、境内で家族や親戚と写真を撮った。杏樹ちゃんや聖君の家族は私のもとに来た。

 聖君も交えて、凪も入れて写真を撮った。


 だが、ひまわりはとにかく聖君と写真が撮りたいようで、いや、ひまわりだけじゃない。母も聖君を見て、浮き足立っている。

「写真撮って、近所の奥様方に自慢しちゃおう」

 母がそう言うと、ひまわりも、

「私は友達に自慢する~~」

と目を輝かせている。


 姉である私のことは、どうでもいいのか。いや、そんなこを私は気にしない。それより、聖君にくっつきすぎだよ。私の旦那様なんだからね。

 と、思っていると、おばあさんや、幹男君のお母さんまで、聖君と写真を撮ると言ってきた。幹男君のお母さん、実花おばさんは聖君との結婚を反対していたというのに。


 私の隣には、今日一回も話しかけてこなかった幹男君がやってきた。

「桃子ちゃん、すごく綺麗だね」

 そう言うと、幹男君はちらっと聖君を見て、

「あいつに渡すのがもったいない気がするよ」

と、そんなことを言った。


「幹男さん」

 あ、うそ。今の聖君に聞こえてた?かなり離れたところにいたのに。

「やあ、聖君。結婚おめでとう」

「桃子ちゃんは、もう1年前から俺の奥さんですから」

「え?」


「渡すのがもったいないも何も、もう俺の奥さんですから」

 あ、やっぱり、聞こえてた?

「すげ、地獄耳だね、君」

 幹男君はくすっと笑うと、

「凪ちゃん、初めて見たけど、桃子ちゃんが小さい頃にすごく似てる。可愛いね」

と、凪の方を向いてそう言った。凪はお父さんの腕から今度はおじいさんの腕に抱かれ、高い高いをしてもらって、キャタキャタ笑っている。


「幹男さん、凪も、渡しませんから」

「え?あはは。安心して。俺も今の彼女と結婚を考えてるからさ。大学卒業して働き出したら、結婚しようと思ってるんだ。だから、桃子ちゃんにも凪ちゃんにも手は出さないよ」

「…そうなんすか」


「桃子ちゃん、幸せ?」

「うん!」

 私は幹男君にそう聞かれ、思い切りうなずこうとしたが、頭が重くて動かなかった。でも、声だけで私が喜んでいるのがわかったようだ。


「だろうね。ずうっと聖君のこと見て、幸せそうな顔してたもんね」

「う、うん」

 幹男君はにこりと笑うと、くるりと後ろを見き、ひまわりのほうに行ってしまった。


「…そっか。あいつも、彼女との結婚決めたんだ」

「聖君」

「ん?」

「ふたりっきりで写真撮りたいな」

「あ、そうだね。撮ってないね。父さん!」


 聖君がお父さんを呼んでくれた。それで、私の隣にキリリとした顔で立ち、私は聖君と二人で写真を撮ることができた。


「うん、最高の写真だ」

 デジカメの画面を見て、お父んがそう言った。私はそれを見せてもらった。

「ほ、本当だ。聖君がかっこいい」

 うっとり。


「桃子ちゃんがすごく可愛く撮れてて、いい写真だって言ったんだけどなあ」

 聖君のお父さんはそう言って笑った。聖君は、おじいさんから凪を受け取り、

「父さん、今度は親子3人の写真を撮って!」

とニコニコしながらそう言った。


「はい、チーズ」

 カシャ。お父さんが3人の写真を撮ってくれた。

「ああ、凪ちゃん、可愛く写ってる」

「どれどれ?」


 聖君が凪を抱っこしたまま、ニヤついた顔でデジカメを見た。

「本当だ。可愛い笑顔だ」

 私も見せてもらった。すると確かに、凪は満面の笑顔だった。でも、聖君の顔までが満面の目がたれた可愛い笑顔…。っていうか、にやけ顔。


「これ、桃子ちゃんも可愛いしさあ、年賀状にいいね」

「ああ、いいね。これにしたら?聖」

「うそ。でも、ニヤケ顔だよ?」

「俺?いいじゃん。にやけた顔なら、もしかして、みんな俺のこと嫌になるかもしれないし」


「……で、でも可愛いから、こんな可愛い顔も聖君はするのねって、惚れ直す人もいるかもしれないし」

「…わかったよ。年賀状は凪一人で写ってるのを送れば、桃子ちゃんも安心する?」

「うん」

「くす。可愛い花嫁さんだねえ」

 お父さんは、そう言って笑った。


「キャキャキャ」

 聖君が凪を笑わせている。その姿をすかさず母が写真に撮った。

「いいわねえ。紋付袴の聖君とドレス姿の凪ちゃん」

「え?夫婦みたいに見えますか?」

 聖君がそう言って、母が撮った写真を見せてもらっている。


 ふ、夫婦って何?夫婦って。聖君の奥さんは私でしょ?

「そんなこと言ってたら、この可愛い桃子ちゃん、誰かにかっさわれちゃうぞ、聖」

 そこに空君を抱っこした櫂さんがやってきた。


「え?」

 聖君はなぜかその言葉に反応して、顔を引きつらせた。

「なんだ。櫂さんか。また幹男が言ってきたのかと思った。って、そうだ。空!お前、凪の唇奪ったんだってな」

 待って。相手赤ちゃんなんだし。


 空君は、びっくりした顔で聖君を見た。すると、聖君の腕に抱かれていた凪が空君を見て、

「あ~~~!」

と手を伸ばし、嬉しそうにした。

「う~」

 あ、空君までが凪に話しかけている。


「凪、空に会えて嬉しいの?」

「くすくす。もう広間にいた頃から、あ~う~仲良く話したり、凪ちゃんは空にチュウしたりしてたわよ」

 春香さんが笑いながら、櫂さんの横に来てそう言った。


「え?またキスしたの?凪」

「あう?」

「あう?じゃないよ。もう~~~」

「空ってば、凪ちゃんに何回も唇奪われてるの。凪ちゃんに将来、責任とってもらおうかな」

 春香さんがそう言うと、聖君は、

「そういうのって、逆でしょ?普通」

と口を尖らせてそう言った。


「ふふふ。じゃ、空、凪ちゃんのことお嫁さんにしないとね?責任とって」

「え?待って待って。そんなの決めるのまだ早いって!」

 聖君は焦りだした。その腕の中で凪は、すぐ隣にいる空君の顔をぺちぺちしながら、超ご機嫌でいる。そして空君も、まんざらじゃない顔をしている。


「あとで、二人で座っているところ写真に撮らない?凪ちゃんのドレス姿可愛いし」

「空君も今日、可愛いですね。ちゃんと蝶ネクタイまでしてるんだ」

「新郎新婦は、お色直しをするのでまたこちらに来てください」

 ウエディングプランナーのスタッフの人がそう言ってきた。私と聖君は、その人について行った。


 聖君は紋付袴から、タキシードになるんだ。ああ、真っ白なタキシードを着る聖君も、絶対にかっこいいんだろうな。

 私はワクワクしながら、お色直しをしていった。

 




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