第一話
「な、なんだよ。これ・・・」
彼 『柊 喜一』の目の前には崩れ行く世界があった
「誰か・・・誰かいないのかっ!?・・・っ!!?」
突然、喜一の頭の中に流れ込んでくる声
《お前がいなければ・・・》
それは恐怖を思わせた
「や、やめ・・・ろっ!」
喜一は耐え切れず地に膝をつく
《イナケレバ・・・ヨカッタノニ》
その声はだんだんと近づいてくる
「来・・・るなっ、やめろっ!!」
《オマエガ・・・イタセイデ。コノセカイガ、オワリヲ・・・ムカエ》
「やめろぉおおおおおおおおおっ!!!・・・・・・って、あ、あれっ!?」
気付いた時には喜一は教室で皆の注目を集めていた
まわりの生徒はくすくすと笑い、先生の眉間には皺が寄っている
「あ、あはは~・・・」
喜一は冷や汗をだらだらと流す
先生は少し息を吸い
「柊っ!!授業が終わったら職員室の来ぉぉぉぉぉおおいっ!!」
先生の怒声が校内中に響きわたった
そんな、喜一を外から眺めている者達がいた
「おやおや、やっぱり彼だったようですよ?
金髪の長髪で黒いロングコートを着ている優男が頬笑みながら言う
「じゃあ、レイさん。ちゃんと、見張っててくださいね。奴等が彼を食べてしまわないように」
「それはいいが。もし、完璧に目覚めなかったら、どうすりゃいいんだ?」
優男の隣にグレーの髪の逆光眼鏡をかけた男が降りながら言った
逆光眼鏡は、『レイ』というらしい
「できれば、守っていただきたんですが・・・」
「メンドクセェ・・・」
「ハァ、言うと思いましたよ。ほっとくのはいいですが少しぐらいは助けてあげてくださいね?」
「了解」
けだるそうに返事をしたレイ
「・・・でわ、皆さん本部へと戻りましょう」
優男が言うと、背後にいた者達は次々と消えていった
「ちゃんと連れ帰ってきてくださいね。・・・彼は切り札なんですから」
優男が釘をさすように言うが、レイはそちらを向かず、手だけ振って返答する
その後優男も消えた
レイは胸ポケットから煙草を取り出し、吸い始める
「ふー・・・メンドクサ」
喜一は昼食を取っていた
「今日の居眠りは寝言付きとは・・・随分と、疲れていたようだな」
軽く笑みを浮かべながら喜一と談笑しているのは友人の
『白崎 直弥』だ
「ん~別に疲れてるわけじゃないんだけどな~」
「まぁ、君のおかげでオイラは怒られなかった☆感謝するw」
と、言ったのは同じクラスメイトの『和泉 真瑚』だ
「そーかよっ!なんで一番後ろの俺だけ怒られたんだよ。こいつなんか一番前じゃねーか」
「いつも、テストがいいからだよw・・・じゃ次からは気をつけるんだよ~」
と言い残し去っていく真瑚
「・・・はぁ。なんだったんだ?あの悪夢」
「話してみたらどうだ?吉になるかもしれんぞ?」
「・・・ぜってぇー笑うなよ・・・あ、あのな?」
喜一は話始めた
そして話し終えた直後
「ちゅーに病かおまえはっ!!?」
後ろに真瑚がいた
「うわっ!!?んだよ、おめーいたのかよ」
「ふっ!オイラはどこにでも現れるwでわっ!」
今度は本当に去っていく
「ま、まぁ夢のことは気にすることない。夢なんだからな」
「あぁ・・・そうだよな!!(・・・・・・でも少し・・・)・・・っ!そうだよっ!そう言えば!ひっでーんだよ!!赤木の奴!俺の頭を出席簿でバコバコバコバコ」
思い出したように喜一は話しだす
赤木とは、先ほどの先生である
「・・・お前一回鏡見てこいよ」
「あ?なんで?」
直弥は自分の左頬を指差し
「痣できてるぞ?」
「まぢかよっ!?ちょ、見てくる」
教室を飛び出し男子トイレへと向かう
やはり、自分の左頬には薄黒い痣ができていた
「赤木めっ!・・・ん?でも頭だけしか叩いてねぇよな・・・まぁいっか。包帯で隠しておこ」
喜一は保健室へと向かった
いつもどうり学校が終わりバイトへと向かう
喜一は幼いころに両親を亡くし、一年前に育ててもらった祖母も他界してしまった
それからは、バイトをしながら一人暮らしをしている
夜九時すぎ
バイトが終わり、夜道を歩いていた
「今日はコンビニ弁当も貰えたし!やっぱ悪い夢って話すと吉になるのか?」
喜一は思いがけないものを目にした
この世のものとは思えない物体が人間の影から出ていて別の人間を食っている
「っ!!?」
その物体は喜一の存在に気づきそちらを向く
「見たね?・・・見ちゃったよねぇ!?ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒっ!」
それは気がつけば喜一の目の前まで迫ったいた
「うわぁっ!?」
喜一はコンビニ弁当をそれにぶつけた
「ぐわぁああっ!何をしやがるっ!!?」
一瞬の隙が出た瞬間に喜一は逃げた
「っこのっ!まちやがれぇぇぇぇぇっ!!」
それは人間とは思えない速さで追ってくる
「はぁっ!はぁ!んだよ、あいつ・・・」
その頃空中では
「そろそろか・・・」
レイは立ち上がりながら言う
眼鏡をクイと持ち上げる
「行くか・・・切り札を取りに」
続く
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