第9話 3回目のラブホ
飲みに誘うと、相変わらず軽い感じでOKの返事がきた。夫は今日は就活とバイトの日だと、わたしは事前に調査済み。おっちゃんの居酒屋とはかなり離れた場所にある、大学近くの居酒屋で待ち合わせた。
「咲良ちゃんから誘ってくれるなんて嬉しいわ」
「いやーなんか飲みたかったからさ」
わたしたちは生ビールとサラダに豚平焼き、それから漬物盛り合わせや唐揚げを頼んだ。
「最近、咲良ちゃんサークルこうへんけど、どうしたん?」
「いや、まあ、彼氏できてさ」
「そうなん? それの悩み?」
なんでわかんのよ、と思いながらビールを互いにおかわりした。
「彼氏が誘ってくれへんくてさ」
「え? えっち?」
「うん」
「咲良ちゃんに欲情せえへんやつおるんやなあ」
「だからさ、欲求不満すぎて」
「ほんまに?」
恵吾は一気にビールを飲み干す。それからサラダに手を伸ばす。
「やる?」
わたしは小さく頷く。
「まじ? ホテルいく? 俺の部屋くる? でもあかんわ。結奈がバイト終わったらくるから」
「ホテルでいいよ」
「先言ってや。それやったらホテルで飲めたのに」
「ごめんごめん」
もっと酔わないと、と思ってわたしはハイボールを注文。
「おおええなあ、じゃあ俺は日本酒」
ふたりでガバガバ酒を飲んで、気持ちを盛り上げて、会計をして店を出た。
「結奈、来るのに大丈夫なん?」
「まだバイト中やからええよ」
大学すぐにあるホテルに歩いて入る。ボロい作りだった。3回目のラブホだ、とわたしは自分でカウントする。どのラブホも、思っていたよりもボロくて、汚れていた。夫じゃないのにいいの? って一応自分に問いかける。だって、もう待ってらんないし。
「シャワー浴びてくるわ」
恵吾が浴室に消える。わたしは「はあ〜」とため息がでた。酔ってて気持ちい。ここがホテルってわかるぐらいだけど、なんかどうでもいいやって思った。
服脱いでおいた方がいいんかな? まあ、待つか。すぐに恵吾が出てくる。夫よりも少し小さい性器をぶらさげて。ああ、恵吾の裸だって思いながらわたしもシャワーを浴びる。そうだ、化粧はそのままじゃないとな、と思いながら体に泡をつけて軽く擦って流す。
きゅっきゅっと、蛇口を閉める音が浴室に響く。だけど、テンションはまだまだ上がりっぱなし。お酒ってほんまに怖い。
大きなバスタオルで体を拭いて、わたしは恵吾のところに向かう。ケータイを見て立っていた。結奈かなって思ったけど、何も聞かない。わたしはケータイを見ない。だれからも連絡なんてないからだ。
小さく膨らんだ、自分の胸を見下ろしてから、ベッドの方に向かって歩く。恵吾はソファにケータイを投げて、それからわたしの動きに合わせるみたいにベッドに来る。ベッドの端に座ってキスをする。酒くさい。まあ、わたしもだろうな。だんだん深くなる。なに、恵吾うまいじゃん……って思ってたら、呼吸が苦しくなる。
「はあ……」
一旦口を離して、整えようとするのに、そのままベッドに押し倒される。それから首、鎖骨、胸を舐められる。
なにこれ、気持ちい……。さすがチャラいだけあるわ。
また戻ってきて、乳首以外を舐められてわたしは焦ったくなる。
「恵吾……」
わたしはおねだりする。そしたら、チロチロってちょっとだけ舐められる。
「どうしてほしいの? ちゃんとおねだりして」
「舐めて、吸って思いっきり……」
「ん」
乳首を舐めまわされ、片手はクリトリスを触られる。痺れるみたいな感覚だ。自分では舐めることができない場所への刺激ってこんなにもやばいんだって思う。
「舐めて」
ベッドに座った恵吾の股間にわたしは顔を埋める。勢いよく口に含む。ちゅぱ……ちゅぱ……。ちょっとずつ、性器が大きくなる。それでもわたしは舐める。
恵吾は、ベッド上に手を伸ばした。
「わたしピル飲んでるから大丈夫だよ」
「まじ? 出していいの、生で」
「うん」
恵吾は、硬くなったものをわたしの膣に当てる。
「ここ触ってないのに、濡れてる」
そして勢いよく入ってくる。ああ、乱暴にされていると思うと興奮する。呼吸の仕方がわからないぐらいに、ぐるぐると酒も回っている。
すごい、フィットしてる。恵吾のそれがわたしにフィットして離さない。
「うう、気持ちい」
恵吾もちょっと苦しそうな表情をしている。もっとキスしたいな、って思うのに恵吾の顔は離れたまま。わたしは恵吾の背中に手を回している。
「やばい出るよ? どこに出せばいい?」
「中に出して」
「しょうがないな……」
わたしの膣で、びくびくする恵吾の性器。抜き取ると、精液が溢れ出す。わたしは体をおこさずにそれを見ずとも感じる。
「ありがとう、帰るわ」
恵吾は再度ケータイを手にする。いいなって素直に思う。連絡が取れる彼氏ってって思いながら、わたしはふたたびシャワーを浴びる。
「次金払うから請求して」
と言って、ドアから出て行く。
「わかった、ありがとう」
股を拭いたタオルを匂うと、不思議なにおいがした。




