第4話:天文から永禄へ。加速する「室町・レボリューション」
天文二十一年(1552年):神童、一歳。
聡明、爆誕。産声の代わりに歴史の修正を決意する。 同年、父・義輝が三好長慶と和睦して京に戻るが、幕府の権威はボロボロ。聡明はオムツの中で「今のうちに堺の経済圏を握らないとな……」と、離乳食を食べながらマクロ経済を分析していた。
天文二十三年(1554年):神童、三歳。千代姫との出会い。
聡明が「ひらがな・カタカナ・漢字・アルファベット」を完全にマスター。 義輝の愛娘・千代姫が細川家に預けられる。「さとあきさま、お本読んで!」と懐かれ、聡明は「将来の火縄銃の弾道計算」を読み聞かせる。
永禄元年(1558年):神童、六歳。ライバル結衣との知恵比べ。
元号が「永禄」に改元。本来なら三好の専横が強まる時期だが、聡明が提案した「幕府直轄領での新田開発(化学肥料の導入)」により、幕府の蔵には米が溢れ始める。 ライバル・六角結衣が来襲するも、返り討ちにして「秘書」として確保。
永禄三年(1560年):歴史の分岐点
この年、日本中で大きな事件が起きる。 一つは駿河の今川義元が織田信長に敗れる「桶狭間の戦い」。 そしてもう一つが、ここ京都・二条御所での「幕府・近代化宣言」である。
「聡明よ、これは一体何だ……?」
八歳になった聡明の案内で、義輝は御所の地下に作られた巨大な「工房」に足を踏み入れた。 そこには、千代姫が楽しそうに現場監督(?)を務め、結衣が算盤を弾いて予算管理をする、異様な光景が広がっていた。
「上様、これは**『ライフリング』**という加工を施した新型火縄銃です。これまでの三倍の距離から、三好の将の眉間を撃ち抜けます」
聡明は、まだ小さな手で、冷たく光る金属の筒を指し示した。
「さらに、塚原卜伝先生には、この銃を持ったまま『縮地』で敵陣を攪乱する特殊部隊『カシマ・レンジャー』の育成を頼んでいます」
「……聡明、お主はやはり観音の化身か」
義輝は震える手で新型銃を取った。本来の歴史なら、彼はこの後、孤立無援の中で三好に追い詰められていく。しかし、今の彼の背後には、未来の知識を持つ軍師と、無限の資金源、そして最強の剣聖軍団がいる。
桶狭間の知らせと、千代姫の予感
そんな折、尾張から「織田信長、今川を討つ」の報が届く。 千代姫は、聡明が書いた未来年表をこっそり見ながら、彼に問いかけた。
「さとあきさま。この『おだのぶなが』っていう人、もうすぐ京都に来るんでしょ? さとあきさま、この人と仲良くするの?」
「そうだね。彼は新しいものが好きだから、僕の作った『蒸気機関』を見せれば、すぐに懐くと思うよ」
「……また、新しいライバルが増える予感がするわ」
千代姫は、将来の「織田信長」という巨大な存在よりも、聡明の周りにまた有能な人間が集まって、自分の居場所が狭くなることを危惧していた。
「大丈夫だよ千代。信長はあくまで『幕府の掃除担当』。僕の隣にいるのは、ずっと君だよ」
「……! もう、さとあきさまは、そういうことを平気で言うんだから!」




