表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

come read・・・0006 通の足跡

その日、防波堤の端にひとつの人影があった。


 「やっぱり来たんだ」

雪乃がつぶやいた。


彼の名は霜柳 通(しもやなぎ とおる)

"もう一人の落し物拾い"と雪乃は呼んでいる。


通は波打ち際にしゃがみこんでひとつのスニーカーを拾い上げた。片方だけのそれは砂にまみれていたが、どこか大切にも見えた。


 「通くん、それ・・・」

 「十年前の弟の靴なんだ ここに置いてったんだよ、黙っていなくなったから・・・」


夏海はその声に耳を傾けた。

 

 「ずっと探してた、でももう、見つからなくてもいいかなぁって、思ってたところなんだ・・・」


 「なのに来たんですね」


 「うん、夢見た 弟がこの防波堤を歩いている夢 だから、来たんだ、靴があった」


通の手は少し震えていた。雪乃は彼の肩にそっと手を置いて

 「落とし物って、忘れたくないもの、忘れたいもの、どちらも混ざっているのよ」


夏海は雪乃と通が、なぜ,ここで落とし物を拾いを続けているのか、分かった気がした。


 それは誰かのためであり、自分自身のためでもあった。

 「私も誰かに会いに行こうかな・・・」

ぽつりと、つぶやいたその声は潮風に溶けていた。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ