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05 迷いと誠実な夜

翔は風呂から上がり、部屋に戻っても頭の中はまだ先ほどの出来事でいっぱいだった。エリスの美しい姿が瞼の裏に焼きつき、悶々とした気持ちが収まらない。


「なんというか、スタイルが良すぎるんだよな…」翔は一人、ベッドに腰掛けながら思い返す。「出るところは出ていて、しまってるところはきっちりと…。俺は何を考えてるんだ。」頭を振り、無理やりその光景を追い払おうとするが、思考はなかなか切り替わらない。


そんな時、控えめなノックの音が響いた。返事をすると、ドアがゆっくりと開き、エリスが現れた。いつもの清楚な微笑みを浮かべながら、静かに頭を下げる。


「翔様、夜伽も命じられております。どうぞお部屋にておくつろぎください。」


翔は一瞬言葉を失った。まさかこんな展開になるとは思ってもいなかった。頭が真っ白になり、何とか言葉を絞り出す。


「え、ちょっと待って。君、いくつだ…?」


エリスは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに落ち着いた声で答えた。「私は20歳になったばかりです。まだ若輩者ですが、翔様のお役に立てるように精一杯努力いたします。」


「20歳か…。まあ、そうか…」翔は一度納得しかけたが、すぐに自分を止めた。


翔は頭の中で整理がつかず、何とか言葉を繋げようとしながらエリスに向かって問いかけた。

「そもそも、夜伽っていうのは…君の意思でやってるのか?」


エリスは一瞬戸惑いを見せたが、落ち着いた声で答えた。「私は翔様のお世話をするためにここにおります。王宮で働く者として、貴賓や要人のお望みに応じるのは当然の務めです。」


翔はその答えに複雑な気持ちを抱いた。「でも、それって…自分の気持ちはどうなんだ?無理してるわけじゃないのか?君が望んでないなら、無理にそんなことをしなくていい。」


エリスは静かに微笑みながら、翔を見つめた。「ですが、王宮のしきたりでは…お役目を果たすことが大事だと教えられています。それがたとえ今夜でも。」


翔はエリスの真摯な言葉に、さらに頭を抱えた。「君がそんなに真面目に言うと、ますます混乱するよ…。でも、今日知り合ったばかりで…こんな風に進むのはやっぱり違う気がするんだ。」


エリスは微笑みを崩さず、「翔様はとても誠実な方ですね。初めてお会いした時から感じていました。王宮の中でも、このように他人を気遣う方は珍しいです。だからこそ、私は翔様に仕えたいと思うのです。」


翔は少し照れながらも、エリスの言葉に真剣に耳を傾けた。「そんな風に言われると、何だか申し訳ない気持ちになるな。俺はただ…自分の気持ちを正直に言ってるだけなんだけど。」


エリスは頷いて、「翔様の正直なお気持ちを尊重します。どうかご無理なさらず、今はゆっくりお休みください。私がそばでお守りいたしますので、安心してお眠りくださいね。」と優しく声をかけた。


翔は一瞬言葉に詰まりながらも、エリスの気遣いに感謝を感じた。「ありがとう、エリス。でも、そばにいてくれるだけで十分だよ。今日一日、色々と大変だったから、少し休ませてもらうよ。」


エリスは深々と一礼し、部屋の明かりを落としながら静かに言った。「翔様、どうぞごゆっくりお休みください。何かございましたら、いつでもお呼びくださいませ。」


翔はベッドに横たわりながら、エリスの柔らかな声に少し心が落ち着いた。「なんだか、色々と巻き込まれてる感じだけど…悪い気はしないな。」そう思いながら、彼は次第にまぶたが重くなり、眠りに落ちていった。


エリスはその姿を見守りながら、そっと部屋を出て行った。

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