表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『八百万シリーズ』  作者: ねこまんま
オタ活勇者、推しの為に世界を救う。
2/2

❖第一章 ~新たな推しは黒髪可憐な魔族っ子~

・あらすじ


オタ活..それはその名の通りオタク活動の事である。アニメ、漫画、アイドル、音楽、etc..その幅は広く、深い沼にハマり一つのジャンルを追い求める者もいれば広く浅くで手広く楽しむ者もいる。そんな彼等の原動力となる物...それは必ずしも一つではなく人によって様々だが、やはり『推し』の存在は欠かせないだろう。『推しのいる生活』とは平凡な日常をより豊かにしてくれる。

 この物語はそんなオタクの一人が異世界に転生し、推しの為に世界を救う...そんな物語?


・第一話『オタク、勇者になる』

「...しゃさま...勇者さま」


(声が聞こえる。静かで、幼い。でも透き通るようなきれいな声)


「...勇者様、起きて、ください。でないと..」


(でないと? なんだろう。すごくかわいい声だし起きたいのは山々なんだけど何故だかすごく瞼が重い。そういえば勇者とか聞こえた気がしたけどまた寝落ちでもしたのかな。あぁ、そういえば昨日寝る前に友人から借りたファンタジー物の乙女ゲーしてたっけ? その夢でも見てるのかなぁ)


「でないと、雷が..」


(かみなり..雷?え、雷って言った?言ったよね。ちょっ、今私どういう状況なn)


「あばばばばばば!!!??」


(何!?痺れ、痺れる!体がッ!頭の上から足の先まで!?頭の上って何?いやそんなこと思ってる場合ちゃうって。死ぬから!これダメよマジで!)


 ~数分後~


「はぁ..はぁ..何、今の..。目が覚めるどころじゃないよ?そのまま天に召される所だったよ」


 やっと身体の痺れが引いて落ち着いて周りを見渡すことが出来た。真っ先に目に入ってきたのは私を心配そうに眺める女の子。キリッとした赤い瞳に流れるような黒髪。ジッとこちらを見つめるその子は私が好きな作品に出てくるキャラクターにそっくりで....。


「っ..?」


 思わず抱き着いてしまっていた。


「...ハッ!」

「あ、はは。ごめんなさい。貴方がとってもかわいくてつい」


 やってしまった。相手は初めて会う人だと言うのに。引かれたかなぁ。いや、もしかしたら少しは照れたり?と腕を離して改めて目の前の少女を見る。然し少女はどちらかと言うとありえない物を見たような、そんな表情をしていた。


「大丈夫..です、か?」


「え、頭がってこと?多分もう手遅れだと思うけど」


「ん、怪我とか...」


 軽く腕を動かして確かめてみるけど動くのに支障はなさそうに感じる。


「うん、大丈夫そうかな」


「そう..よかった」


(大人しい子なのかな。このたどたどしい感じ。....ありだね)

 とかくだらないことを考えていると少女の後ろにまだ人がいたようで、一人の男性が声をかけてくる。


「やぁ、勇者殿。とりあえず無事なようで何より」


 絵に描いたような金髪碧眼のイケメン。当然のように美形で見てるだけでも完璧オーラ出しまくりで何人もの美女を侍らせているような美青年がそこに居た。


「私の婚約者が失礼した。彼女はまだ幼い身でね、許して欲しい」


(はい?婚約者..?まだこの子中学生位に見えるんだけど。許嫁とかそういうの?うわーリアルで初めて見たわー..てかなんかむかつくなこの男。何でかわからないけど見てるだけでイラっとする)


 また思考を脱線させながらそこでやっと私は周りへと目を向け、自分の置かれた状況を確認することが出来た。

 白と青を基調とした広々とした空間にファンタジー物の作品にでも登場しそうな武器を持ち鎧を纏った兵士達。よく見ればこの美青年と少女の服装も明らかに貴族とかお姫様が着るような..。


「さて、勇者様はこの状況にさぞ混乱していることでしょう。我々が何者かを説明する前に先ずはそちらについて説明した方がいいだろうね」


 と目の前に立つ何処か上から目線の美青年は語りだした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ