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06-1:お色気シーンはどうか脳内で保管してください!

 その日の夜、私とテファちゃんは長い入浴を楽しんでいた。

 早くお風呂に入りたいからとお爺さんがお湯を沸かしてくれたものの、沸かしすぎたのでテファちゃんと一緒に入ってお湯を使ってほしいと事。

 見ると確かにお湯が浴槽いっぱいに張られている。

 ……という訳で、今日は一番風呂だった。少し嬉しい。

 お湯桶を使って交互に頭を洗い合う。

 彼女はいつも大人ぶって1人で入る割に、今は凄く楽しそうにしていて。

 普段はちょっとおませなだけで、でもこうしてあどけない姿を見ているとホッとする。

 ……母性本能だろうか。


 室内は湯気で真っ白。

 やがて、2人で浴槽に入りお湯に浸かっていると徐々に顔が火照ってきた。

「ふぅ、少し窓を開けるね」

「うん、いいよー」

 浴室の窓は小さく、立ち上がった顔の位置丁度の場所にある。

 それでもお湯に浸かりながら外を眺めると、まるで露天風呂のようで私は好きだった。

 外の空気が入ってくると、ぽぉっとした頭がシャキッとし始めて、気分は正にそのもの。

 風に揺れる木々のざわめきも、情緒を運んでくきてれていた。

 けれど何故だろう、心が落ち着かない。

 そう感じ始めた頃、急に風が強くなり始めた。

 白みがかった甲高い風切り音。

 大きく揺れ、時には割れ叫ぶ枝の声。

 気になって少し外を覗くと、勢いで髪留めにと巻いていたタオルがフワリと落ちた。

「ねえナナさん、そろそろ出よ?」

 その音が怖かったのか、彼女は私の手を掴み、せがみ始める。

 たしかにもう一時間は経っている。

 そろそろ出たほうが良いのは確か……だけれどその前に。

「ちょっとまっててね、お爺さん外で何してるんですか?」

「……え、えー。あのー散歩かなー」

 やっぱり居たか、このスケベ爺さんが。

 窓を開けたときから何かガサガサ音が聞こえていたから不審に思っていたけれど。

「散歩なら……畑にでも行けぇっ!」

 そう外に叫びながら桶でお湯を撒くと、奇声を上げたお爺さんの声が遠くへ逃げていった。

「……お爺ちゃん?」

「うん、でもどこかに行っちゃった」

 心配するように見上げるテファちゃん。

 私はその頭を撫でて微笑む。

 それでも不安げな表情は拭えず、再び彼女は催促した。

「そう。じゃあ早く出よ、ね」

「そうね、そろそろ上がりましょう。後も支えてるでしょうし……ちょっと謝らないとね」

「いいよ、大丈夫だから」

 少し強引に引っ張る彼女に焦らされながら、浴室を出た。

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