ー後書き
ー後書き
恋愛にありがちな、すれ違いの中で、お互いを求めてゆく気持ちを描いてみました。また、三人称ではなく一人称の小説を、いかに読める小説にするか?と言う実験もしてみました。さらに、携帯独特の漢字に違和感を感じるものの、使わないわけにもいかないので、( )で読み仮名を付けてみました。題名がひらがななのは、現在の4人に比べて幼い(おさない)けれど、一生懸命だった記憶の物語…と言う意味合いを込めました。
設定的には、その後高宮愛は高校生の時に両親の離婚に見舞われ(みまわれ)ます。原因は、イージス艦の副艦長だった母親が機密漏洩事件に巻き込まれた事によるわけですが、これは今の所執筆する予定はありません。ただし、両親の離婚をキッカケに、阿部史也とやり直す事になります。そして、タイフーンアイに行きつく事になるわけです。
作者的には、高宮愛を最終的に幸せにしようと思ってるわけですが、このキャラは頑として拒否してくるので、長い戦いになりそうです。
前書きにも書きましたが、この小説は竹山透が記事として入稿する前の、校正段階の文章と言う事になります。
何故かと言うと、第12話椎名美花の内容は、クアトロナンバーズ誌に掲載される前の最初の校正でカットされなければならないからです。
同じく、第11話のタバコの匂いの部分もです。
主題は、勝利と敗北の意味でした。
試合に勝つために、篠原は史也を失い、史也は愛を失います。しかし、大切なのはその後、史也と愛はお互いを取り戻した事です。どう取り戻したかは描いていませんが、それはまた、前述の別の物語になります。
勝利にも敗北にも、得る物と失う物が有ります。大切なのはそれを、次にどう繋げるかでしょう。
恋愛もまたゲームでは有ります。ただし、もて遊ぶと言う意味のゲームではありません。
また、何を持って勝利と呼ぶかも様々(さまざま)です。
勝とうが負けようが、行くしかない。前を向いて。
作家も、賞賛されようが失敗作を書こうが、次回作に向かってゆくしかありません。こんな自分を、待ってくれている人が一人でも居る可能性が有る限り。
ここまで読んで下さったあなたに感謝します。
では。次回作でまたお会いします。武上渓でした。
2009年1月1日