第5話 ある誘拐
昼下がりの総曲輪通、町は賑やかになっていた。西町分室は東富山のゲームセンターで起きた恐喝事件の犯人の逮捕するために張り込んでいたのだ。
「あーあー、日曜だって言うのに、付いてないよな。」
「ぼやくなぼやくな、その内に交代勤務になるさ。」
「そうかね。」
張り込んでいると、恐喝犯が現れた。
「奴だ。」
「ああ。」
そこへ、信号待ちをしていた男が何かを気にしていたようだ。
「主任、奴ですかね。」
「ああ。」
男は、喫茶店から走り去っていった。
「待てーッ。」
信号待ちしていた男は、何かを気にしているようだった。
喫茶店にいた男は、会計を済ませその場を離れた。
そこへ、日枝神社付近の十時路で日産・スタンザを停車させ、犯人を確保した。
「恐喝の現行犯で逮捕する」
と、川合は犯人に手錠をかけた。
「証言はとれました。」
「じゃあ、後頼むよ。」
と、川井はその場を離れていった。
「あっ、主任。」
川井は、バックを持った男に職務質問をした。
「すいません、警察の者ですが。」
「えっ。」
男は凄く脅えていた、それを見たらすぐに立ち去って行った。
「どなたかと、待ち合わせていたのですか。」
「いや、べ、別に。」
「何か、心配事で会ったかなと。」
「ああ、いや、何でもありません。」
男は、一番町交差点の近くのパーキングメーターで止めていた三菱・ギャランは走り去っていった。
「何だったのかな、あの男は。」
次の日、加藤と川井主任は新庄の住宅街で聞き込みをした。
「そこの中村さんをご存じなんですか。」
「ええ、娘がクラスメートなんで。」
「最近何か変わったことはありませんでしたか。」
「あっ、そう言えば武雄君、小学校と放課後児童クラブお休みしてたけど。」
川井は新庄小学校へ向かった
「武雄君は先週の火曜日からずっと欠席してるんです。」
「火曜日から、あのー、理由は何ですか。」
「ご家族で旅行と伺いましたけど、あの武雄君に何か、実は私も気になっていたんです。」
「2週間前の水曜日だったかしら、武男君の親戚だって迎えに来たんです。」
「おお、どんな男でしたか。」
「30代くらいの男でした。」
西町分室
「誘拐。」
「ええ、まだ証拠はありません。」
「恐らく、中村は身代金をバックに入れて、受け渡そうとしたんじゃないでしょうか。」
「うん、何かの恨まれることがあるんですかね。」
「よしっ、新庄の住宅街と稲荷町付近を聞き込みしてくれ。」
「了解。」
西町分室は、稲荷町や新庄の住宅街を聞き込みをした、だが、犯人の手がかりは見つかっていない。
加藤は1人の小学生に話をした、昨日は武男君と一緒に家に帰っていたという。
「ねぇ君、武雄君と最後に別れたこと話してきてくれるかな。」
「そう言えば、昨日児童館にお姉ちゃんが来て、連れて帰った。」
「お姉ちゃん。」
「それ、何処のお姉ちゃん。」
「知らないな。」
加藤は、ピンときた。
「女ですか。」
「ええ、20代後半ぐらいのね、お母さんが病気で代わりに迎えに来たと言ってね。」
「じゃあ、その男の共犯ですかね。」
「ああ、可能性があるな。」
南と水野は、無線で班長に報告し、車の捜索に入った。
「水野、早速捜索だ。」
「ええ。」
南と水野が乗ったR31スカイラインの覆面に乗り、犯人の車を捜査していると、犯人の車が発見したと連絡が入った、犯人は武男君を乗せて逃走していると。
「犯人は岩瀬方面へ逃走中、応援頼む。」
「了解。」
南と水野が乗ったスカイラインは屋根の上にパトライトを乗せ、サイレンを鳴らし、追跡をした。
「班長、手配中の車発見、追跡します。」
「あ、あのスカイライン、覆面だったのか、あんな車ら負けてたまるか。」
犯人が乗った、スバル・レオーネは猛スピードで振り切っていた。
覆面パトカーのスタンザとブルーバード誘拐犯の逮捕に向かった。
「野郎ーッ。」
そこへ、応援の430セドリックのパトカーが挟み撃ちしていたのだ。
「水野。」
南はベレッタを取り出し、犯人の確保に向かた。
「動くな、こいつがどうなってもいいのか。」
「武器を捨てろ、もう逃げられねぇぞ。」
そこへ、川井主任と加藤刑事も到着し犯人の確保に張り込んだ。
「どうだ、状況は。」
「小学生を人質にしている。」
そして、梶村と杉木と香川が到着した。
「奴は拳銃を持っている、どうしますか。」
「よしっ、私が子供を助けに行くから、あなたは犯人を確保に。」
「わかった。」
香川は44マグナムで一発発砲した。
「ぐはっ。」
「確保ーっ。」
南と水野たちは誘拐犯・倉本を逮捕した。
「くそーっ。」
「大丈夫か、武男君。」
「うん。」
こうして、誘拐事件は解決した。