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こちら、駒桜高校将棋部  作者: 稲葉孝太郎
第34局 そわそわ文化祭編(2014年10月5日日曜)
245/295

216手目 高校生将棋指しの人狼(6日目昼〜最終日投票前)

【6日目 昼 9/17名】


 佐伯宗三さんが無惨な姿で発見されました。

 

「占いCOですぅ、角代ちゃん●ですぅ」

「占いCO、桐野さん●」

「占いCO、桐野●だ。捨神が狐だな」

 あ、生きてる。しかも2●。

「お花は菅原お兄様が狼だと思うのでぇ、囲いを占ってみましたぁ。奇抜な改造制服の裏側には、しっぽが生えていたのですぅ」

「僕視点の人外は、辻or吉備−桐野−菅原−姫野−? 種類が分かってるのは、残念ながら姫野さん●だけ。というわけで、桐野さんの色を見るために占いました。普通に狼」

 ちょっとちょっと、捨神くんは、どこ占ってるのよ。

 そこはグレー詰めなきゃダメでしょ。

「指定、みっちー先輩」

 松平は、即座に指定した。

「マジで俺の真を切るのか?」

「みっちー先輩、4日目昼に、『吊り候補作ったぜ』って言いましたよね? 『作った』って、どういうことですか?」

 ……あ、そう言えば。

「に、日本語が変になっただけだ」

「それともうひとつ、なんで捨神から占わなかったんですか?」

「どっちから占っても同じだろ」

「みっちー先輩は、俺に真切られてるんですよ? 信頼回復には、呪殺しかないです。だったら、より狐っぽい捨神の方を占いませんか?」

 菅原先輩は、うッと声をあげて仰け反った。

「それは……」

「以上の理由で、やっぱり真は切らせてもらいます」

 菅原先輩は、悔しそうにニット帽の端を引っ張った。

「COありますか?」

 菅原先輩は、悔しそうにニット帽の端を引っ張った。

「COありますか?」

「……ねぇ」

「じゃ、ここ本指定で。桐野さんは、自分の内訳予想言ってください」

「お花の考えではぁ、竜馬ちゃん、菅原お兄様、角代ちゃんで3w、狐は九十九ちゃんなのですぅ。今日、九十九ちゃんを占わせて欲しいのですぅ」

 しっくりくる内訳だ。

「桐野さんは捨神占い、捨神はグレーを詰めろ」

 本当は、今日グレーを詰めてないといけないんだけどね。

 特に葛城くんを占って欲しかった。

「す、角ちゃん、パンダになっちゃったっス」

「大場さんは桐野さん視点、飼い狼だから、すぐには吊られないよぉ」

 葛城くんは、大場さんを宥めた。それとも皮肉?

「飼い狼って、どういうことなんっスかッ! 角ちゃんは潔白っス!」

「狼は、みんなそう言うんだよぉ」

 葛城くん、辛辣。

「わたくし、Frauオオバは村置き*していたのですけれども」


*村人だと信頼すること。


 ポーンさんは、しきりに首を傾げた。

「グレーに狩人がいるなら、出てもいいぞ」

 返事なし。

 幸田先輩は櫛を取り出して、前髪をセット。

「今後、平和が出る可能性は低いと見るね。まあ、ほぼ詰んでるけど」

 こらこら、気を緩めちゃダメでしょ。

「他に議論することはありますか?」

 これも返事なし。

「じゃ、スキップで」


幸田 → 菅原

菅原 → 松平

裏見 → 菅原

松平 → 菅原

桐野 → 菅原

捨神 → 菅原

葛城 → 菅原

大場 → 菅原

ポーン→ 菅原

 

 村民会議の結果、菅原道真さんが処刑されました。



【6日目 夜 8/17名】


 ワオーン


「なあ、占いロラしないか?」

「なんで? 明日の朝、捨神くんは溶けてるでしょ」

「それなら話は早い。桐野噛まれるかもしれんが、大場を吊って勝ちだ。桐野視点の狼は、辻−菅原−大場で、ほぼ確定するからな。だけど、溶けなかった場合が問題だ」

「溶けないときは、捨神くん○と●、どっちも考えられるわよ」

「捨神○で溶けなかったら、絶望的なんだよな……ちょっとまとめるか」

 松平は、台所のカレンダーを引き千切って、さらに万年筆を見つけてきた。

「困ったことに、占いの内訳がひとつも確定してないんだよな」

 そこが第一のポイント。

 誰が真かだけでなく、誰がどの人外かも確定していない。

 要するに、全パターンに近い数あるということだ。


 桐野 真  菅原 狼  捨神 狐

 桐野 真  菅原 狐  捨神 狼

 桐野 真  菅原 狂  捨神 狼

 桐野 真  菅原 狼  捨神 狂

 桐野 真  菅原 狂  捨神 狐

 桐野 真  菅原 狐  捨神 狂

 桐野 狼  菅原 真  捨神 狂

 桐野 狂  菅原 真  捨神 狼

 桐野 狼  菅原 真  捨神 狐

 桐野 狐  菅原 真  捨神 狼

 桐野 狐  菅原 真  捨神 狂

 桐野 狂  菅原 真  捨神 狐

 桐野 狼  菅原 狐  捨神 真

 桐野 狼  菅原 狂  捨神 真

 桐野 狂  菅原 狼  捨神 真

 桐野 狂  菅原 狼  捨神 真


 ありえないパターンは、


 桐野 狐  菅原 狂  捨神 真

 桐野 狐  菅原 狼  捨神 真


 だけ。これは桐野さんが溶けていないとおかしい。


 めちゃくちゃ多い。枝切りしていかないと。

「まず、みっちー先輩の真は切ったから、そのパターンを追うのは止めよう」

 松平は、菅原先輩真になっている6ヶ所に黒線を引いた。


 桐野 真  菅原 狼  捨神 狐

 桐野 真  菅原 狐  捨神 狼

 桐野 真  菅原 狂  捨神 狼

 桐野 真  菅原 狼  捨神 狂

 桐野 真  菅原 狂  捨神 狐

 桐野 真  菅原 狐  捨神 狂

 桐野 狼  菅原 狐  捨神 真

 桐野 狼  菅原 狂  捨神 真

 桐野 狂  菅原 狼  捨神 真

 桐野 狂  菅原 狼  捨神 真


「甘田さん狂人で決め打つ?」

「そこ決め打ちできれば、相当限られるんだが」

 狂人が入っていないパターンは……。

「3つしかないのね」


 桐野 真  菅原 狼  捨神 狐

 桐野 真  菅原 狐  捨神 狼

 桐野 狼  菅原 狐  捨神 真


「明日、捨神くんが溶けなかったら、1列目の可能性が消えるわね」

「狂混じりはみんな否定的だし、このラインでいくか」

 私は頷き返す。

 この終盤戦で、あれもこれも追うのは無理だ。

 それに、菅原先輩が狂人でなさそうな証拠は、いくつかある。まず、比較的濃いグレーの葛城くんに●を打ったこと。あそこは誤爆がありうる位置だ。無駄吊りさせたいなら、幸田先輩あたりに●してれば良かった。信用は一気に下がるけど、狂人だから吊られて構わない。もうひとつは、狐目の千駄さんを占いにいったこと。あれは、噛み合わせたい狼か、あるいは銃殺でもう狐がいないと見せかけたい狐に見える。最後のひとつは、漂白噛みされていないことだ。菅原先輩狂人なら、姫野さんあたりが漂白噛みに行ってもおかしくない。

 桐野さん狂人だと、狼に誤爆してることになるし、捨神くんの姫野さん●も、狼に突き刺さっている可能性がある。だから、桐野さんと捨神くんも、狂人じゃない気がする。もちろん、桐野さんが狼にモロ誤爆した可能性は否定できないけど(あの時点じゃ、誰が狼かなんて予測もつかないし)、それなら桐野さんは狂人放置で他の狼を捜せばいいだけ。

「明日こそ死んでそうだから、残った方で頑張るぞ」

「了解」



【7日目 昼 7/17名】


 幸田進さんが無惨な姿で発見されました。


 溶けてないッ!

「占いCO、ポーンさん○」

「占いCO、九十九ちゃん●ですぅ」

 しかも、共有生存? どういう噛みなの?

「占い理由、僕視点、狼は桐野−姫野−? 辻先輩が身内切りされた狼なら、グレーに狼はいません。でも、辻先輩が真霊能、吉備さんが乗っ取りにきた狐の可能性もあるから、念のためグレーを占っておきます。グレーの中でも、吊られなさそうなのはポーンさん。結果○」

 なんで葛城くんを占わないかな。

 もうグレー詰めとか言わずに、葛城くん占いで指示しとけば良かったわ。

「お花の占い理由は必要ないですぅ。共有さんの指示ですぅ。白髪の狼さんでしたぁ。いい子いい子して、お友だちのところへ送ってあげるのですぅ」

 松平は数秒ほど目を閉じて、それからゆっくりと瞼をあげた。

「これからひとつ提案をする。各自、自分の意見を述べてくれ」

 先輩が全員消えたので、松平はタメ口。

「質問タイムだねぇ」

「いいっスよ」

「Bitte」

「現時点で7>5>3の3吊り。狩人はいないはずだ。吊り縄は増えない。というわけで、今日から占いロラして、最終日に大場とポーンあるいは大場と葛城が殴り合うか、あるいは大場→葛城と吊って、占い師同士で殴り合わせたい。どっちがいい?」

「これは占い師も答えないといけないんですか?」

 捨神くんの質問に、松平は頷き返した。

「大場さんはいいとして、僕が明日噛まれてたらどうするんですかぁ?」

「その場合は、ポーンを吊る」

「Aha!! 要は、潜伏狂人ケアコースですわね」

「そういうことだ」

 みんな一考。

「角ちゃんは、占いロラを推すっス。角ちゃん視点、お花先輩の偽は見えてるっスからね。ここで占いロラ以外は推せないっス」

「ボクは吊られていいですよぉ。スケープゴートになっちゃってるんで、大場さんが狼なら村負けになりまぁす。それなら最終日前に吊られた方がいいでぇす」

「あ、やっぱり角ちゃんを吊りに来たっスね。ここ潜伏狂人あるっス」

「だったら、なおさらボクと一緒に吊られてねぇ。最終日につっくん、桐野さん、ボクが残ると、PP*かもしれないよぉ」


*Power Playの略。狼陣営が多数決で勝利を確定させるパターン。


「カツラギは、最後の最後まで人外視点ですのね。感心致しますわ」

「便乗ばっかりしてるポーンさんほどじゃないよぉ」

 あのさぁ……最後の最後でグレーが一斉に怪しくならないでくれませんかね……。

「安全に1w処理して、最終日に持っていくのがいいよぉ」

「それも妙ですわ。HerrツジかFrauキビが人外なのは確定ですから、最終日が来ない可能性もありましてよ? 視点漏れですかしら?」

「松平先輩が最終日の話をしたから、そう答えただけだよぉ」

 いい感じに人狼してますね。

 グレーゾーンがわいわいやる中で、捨神くんも動きを見せる。

「じゃあ、僕からも希望を言います。僕視点、桐野さん●は分かってるんですが、残りの1wが辻先輩の身内切りなのか、それとも僕が占っていない葛城くんなのか、あるいは他の怪しいグレーで吊れてるのか、分かってません。だから葛城くんを占わせてもらえませんか?」

 最初からそうせいと言うに。

「捨神は大場吊りってことか?」

「そういうことになりますね。葛城くん○なら、僕視点詰みです。葛城くん以外に潜伏狂人がいるとしたら、多弁な大場さんだと思うんで、今日吊れば8日目に2w5人からでも勝てます。葛城くんが潜伏狂人だとしても、1w1k」

 松平は、残った桐野さんに向き直る。

「桐野は?」

「お花は3w見つけたので、狐さんがいないなら、お仕事終了なのですぅ」

 そっか、桐野さん視点、辻−大場−捨神で確定なんだわ。

 ただ、狐がいる可能性を仄めかされると、ちょっと困るわね。

 便乗ばっかりしてるポーンさんを占ってないし。

「ポーンは、まだ自分の意見言ってないだろ?」

「わたくしとしては、カツラギから吊っていただきたいですわ」

 私怨吊りじゃないでしょうね。そこ怪しいのは事実だけど。

 松平は、じっと考え込む。

「……指定、大場」

「くぅ、角ちゃん指定されちゃったっス!」

「COは?」

「ないっス!」

「ここ本指定」

 松平は、占い師ふたりを見やる。

「捨神は葛城占い、桐野はポーン占い」

「そこの外人さんが、人外さんかどうか確認するのですぅ」

「わたくし狐ではありませんことよ」

「えへへぇ、人外さんは、みんなそう言うのですぅ」

「ふえぇ、それはボクのネタだよぉ」

《残り30秒……》

「大場、言い残すことはあるか?」

「噛みが不自然っス。そこをよく考えて欲しいっス」


裏見 → 大場

松平 → 大場

桐野 → 大場

捨神 → 大場

葛城 → 大場

大場 → 桐野

ポーン→ 大場

 

 村民会議の結果、大場角代さんが処刑されました。



【7日目 夜 6/17名】


「大場さんの遺言、どういう意味かしら?」

「俺も、噛みが怪しいと思う。信用勝負なのに、なんで共有噛まないんだ?」

「一回失敗してるんじゃない? 佐伯くん、共有護衛仄めかしてたし」

「その佐伯が死んで、共有噛まない理由は?」

「……ポーンさん、大場さん、葛城くんに狩人ワンチャンあると思ってるとか?」

 松平は、納得したのかしていないのか、よく分からない顔をした。

 真剣に考えていることだけは分かる。

「明日、占い決め打ちに変更することはある?」

「ふたばが噛まれたら考える」

「ポーンさんは比較的白いから、そこが残ったら村置きするわけね」

 ポーンさんが狼ってことはないでしょ、多分。

 狐なら、今夜中に溶けてくれるはず。

「厄介なのは、ふたばが残ったときだな。微妙に潜伏狂人ありそうなんだが……」

「狂人は甘田さんで吊れてると思うわよ?」

「そればっかりは100%とは言えないぜ」

 どうも煮え切らないわね。

「だったら、葛城くんが残ったときは、潜伏狂人ケアで吊り?」

「そうだな。ちゃんと方針は守ろう」

 了解。



【8日目 昼 5/17名】


 エリザベート・ポーンさんが無惨な姿で発見されました。


 ええ? まだ共有噛まないの?

「占いCO、葛城くん○」

「占いCO、外人さん○なのですぅ」

 松平は、まず捨神くんに話し掛ける。

「捨神は、辻先輩の身内切り主張か?」

「吉備さんや甘田さんが狼でない限り、そうなりますね」

「念のため、狐が残ってないか占いましたぁ」

 呪殺じゃないわね。2死体ないから。

 松平は、やれやれと頭を振る。

「今日はボクですかぁ?」

 葛城くんは、あらためて吊りを確認した。

「占いの決め打ちに失敗して、おまえが潜伏狂人だと負けだからな」

「ふえぇ……貴重な男の娘が……」

 自分で言わない。

「じゃ、捨神と桐野、明日の殴り合い、よろしくな」

「分かりました」

「楽しみですぅ」


裏見 → 葛城

松平 → 葛城

桐野 → 葛城

捨神 → 葛城

葛城 → 桐野


 村民会議の結果、葛城ふたばさんが処刑されました。



【8日目 夜 4/17名】


 ワオーン

 

「いよいよ、明日が最終日ね」

「少し整理しておくか」

 松平は、再びペンを走らせる。

「結局、最終日までみっちー先輩は破綻しなかったが、もう真は追わないぞ」

 その場合は、残念ということで。


【占い師】

桐野 辻●→千駄○→幸田○→佐伯○→大場●→捨神●→ポーン○

菅原 大場○→姫野○→葛城●→千駄○→桐野●[吊り]

捨神 松平○→千駄○→大場○→姫野●→桐野●→ポーン○→葛城○


【霊能者】

 辻 [吊り]

吉備 辻●[吊り]


【狩人】

佐伯?


【共有者】

松平−裏見


【吊り】

辻→吉備→甘田→姫野→菅原→大場→葛城


【噛み】

第一→神崎→平和→千駄→佐伯→幸田→ポーン


「菅原先輩偽だと仮定した場合、桐野と捨神の視点は……」


【桐野視点】

・狼  辻、大場、捨神

・狂人 不明

・狐  不明


【捨神視点】

・狼  姫野−桐野−?

・狂人 不明

・狐  不明

 

 ほんと、不明が多過ぎる。特に捨神くんがひどい。

「狼の面子で納得がいくのは、どっちかっていうと捨神だな」

「大場さんが狼に見えないのよね」

「ただ、桐野に囲いはいないし、それも不自然だ」

「捨神くん狼なら、大場さんを囲ってることになって、納得ね」

「それと気になるのは……」

 松平は、ペンの底でテーブルを小突いた。

「なんで共有噛まないんだ? グレー噛んでも不利になるだけだと思うが」

 そこが謎よね。私→松平と処理して、最終日が捨神くん、桐野さん、葛城くんなら、潜伏狂人で狼サイドにワンチャンあると思う。説得だって、共有よりも、グレーの素村の方が簡単よ。

「ひとつ考えられるのは、佐伯狩人が露骨過ぎて、信じられなかったとかか」

「他でGJ出ても、吊り縄増えないわよ? 偶数進行になるだけでしょ」

「そこでグレーから狩人が出て来たら?」

 ……なるほど、共有護衛GJで、葛城くんから狩人COは困るか。

「それだけじゃ、リスクの大きい噛みだと思うわ。まだ何かありそう」

「だな……それさえ分かれば、どっちが狼か透ける可能性も……」

《残り30秒……》

 私たちは、顔を上げた。

「よし、生き残った方が必ず勝つぞ」

「頼んだわよ」

 私たちは、お互いに拳をぶつけた。

 そして、目の前が暗転する。



【9日目 昼 3/17名】


 松平剣之介さんが無惨な姿で発見されました。


 胃痛きたぁッ!

「非狂人CO! 最終日だよ。占い結果は裏見さん○だけど、そんなことはどうでもいいね。とりあえず、内訳整理。僕視点、狼は姫野さん、桐野さん、プラス辻先輩、吉備さん、甘田さんなんかの、怪しいところ。辻先輩狼なら身内切り、吉備さんなら霊能とラインを繋げてからの信用勝負だけど、ちょっと危険だね。若干前者で見るよ。まあ、このへんは全員吊られちゃってるし、どれだけ考えても堂々巡りだね。次に、桐野さんが狼な根拠を挙げていこうか。第一に、大場さんが全く狼に見えないこと。ここ狼視してた人は、いないんじゃないかな。第二に、桐野さん噛みを狼側が急いでいないこと。僕は、佐伯くん狩人で見てる。それは狼サイドからも分かってたはずだから、佐伯→桐野で噛めば、グレーが広くて困ったんじゃないかな。特に、大場さんが狼なら、そこを吊るのは、かなり難しいだろうね。葛城くんや姫野さんの方が先に吊られちゃうよ」

 捨神くんは、ですます調を止めて、全力で殴りにきた。

「お花も狂人じゃありませぇん。PPはないのですぅ。占い結果は、九十九ちゃん●でしたぁ。何回やっても同じなのですぅ。九十九ちゃんは、角代ちゃんが吊れにくい狼であることを見越した、騙りの狼なのですぅ。角代ちゃんに○出ししたのが、明らかに囲いですぅ。そこをお花が占っちゃたのが、狼さんの不運だったのですぅ」

「大場さんが狼に見える根拠を訊きたいかな?」

「吊れにくい狼だと言ってるのですぅ。狼さんが常に怪しいとは限らないのですぅ」

「じゃあ尋ねるけど、大場さんは●でパンダになってから、他の位置をほとんど殴ってないんだよね。殴ってるのは、潜伏狂人で仲間かもしれない葛城くんだけ。仮に僕−辻−大場なら、そんな悠長なことはしないんじゃないかな」

「それは最終日にそういう反論を用意するための演技なのですぅ」

「僕の非狼要素も挙げようか。僕が狼なら、大場さんが●を打たれた時点で、他の人に●を打って吊り候補を作らないといけないはずなんだけど、してないんだよね。3匹目の狼は、僕視点で行方不明なんだよ。自由に●打ちできるのが狼騙りのメリットなのに、なんでその権利を行使しないのかな?」

「●打ってそこから狩人が出たらゲームセットだからですぅ」

「狩人は佐伯くんで透けてるでしょ?」

「ふたばちゃんだって怪しかったのですぅ。狩人は狂人と区別つきにくいのですぅ」

「つまり桐野さんの主張だと、3匹目の狼が見つかってから僕は何もしてないことになるんだけど、そういうことでいいのかな? 途中で占いロラされる可能性もあったのに?」

「占いロラは7日目に九十九ちゃん自身が拒否ってるのですぅ」

「それはちゃんと理由を言ったよね? 僕視点、狼が一匹行方不明だって」

「ほらぁ、その言い訳のために●を打たなかったのですぅ」

 これは捨神くん言いくるめられたかな。

 ちょっと悔しそう。

「お花は7日目にお仕事終了宣言してるのですぅ。お花がLWなら、こんなギャンブルしないのですぅ」

「待って、なんでLWだって分かるの? 僕視点、一匹行方不明だって、言ったばかりなんだけど?」

「7日目に2wの可能性があるのって、どこですかぁ?」

「桐野さんと……葛城くんかな」

「それはありえないのですぅ。だったらふたばちゃん狩人COで乗っ取るのですぅ」

「乗っ取りは護衛失敗したときに言い訳できないよね?」

「護衛失敗なんて、いくらでも言い繕えるのですぅ」

「っていうか、葛城くん以外に狩人候補いなくなったの、7日目じゃなくて8日目だよ? 時系列が合ってないね。やっぱりさっきのLWって、視点漏れじゃない?」

 んー、今度は捨神くんに一理ある。

「それと、僕の非狼要素を、もうひとつ。僕は菅原先輩が占い騙りしてきたから、潜伏解除してCOしたわけだけど、これって狼の動きじゃないよね? 狼なら、他の騙りが出るかどうかと関係なく、前の夜に話し合ってるはずだから」

「『様子見してからCOしよう』って相談してたらどうなるんですかぁ?」

「様子見する理由は?」

「狂人と狐が同時にCOしたら、占い師4でロラされちゃうからですぅ」

「それって、大場さんがLWなら好都合だよね。桐野さんが大場さんを発見できなかった場合、ロラ完了時点で怪しいグレーが一杯いるし」

「具体的にどのくらいいるんですかぁ?」

「3日目の時点で14人、2人ずつ減るから、12>10>8>6……6人だね」

「メチャクチャ少ないのですぅ」

「そんなことないよ。吉備さんと共有噛みきりでグレー6。狩目の佐伯くんも噛むから、6人の内訳は姫野さん、大場さん、葛城くん、幸田先輩、ポーンさん、千駄先輩。この中から残り2吊りで大場さんが吊れると思う?」

 まあ、吊らないでしょうね。

「あ、待つのですぅ、なんで甘田さんが入ってないんですかぁ?」

「甘田さんは狂人目でしょ? 占いロラで吊られてるよ」

「あぁ、九十九ちゃんは、甘田さん狂人透けてるんですねぇ」

「桐野さん視点、甘田さん狂人じゃなかったら、何なの?」

「おかしな素村の可能性もあるのですぅ。お花は、狐位置を断定してないのですぅ。だから外人さんも占ったし、念には念を入れてるのですぅ。九十九ちゃんは、グレー詰めもせずに私を占ったり、おかしなことばかりしてるのですぅ」

「あれは正直ミスだったと認めるけど……」

《残り30秒……》

 もっと、もっと時間をッ!

 私は脳髄をフル回転させる。

 将棋の終盤並みだ。

 ここまでの議論で……優劣はつけにくい。

 松平の言う通り、噛み筋の謎を解かないと……。

 噛み筋……共有が最後まで噛まれなかった意味……。

 冴え渡れ私の推理ッ!

《いざ、投票の時間へ……》

 ……………………

 ……………………

 …………………

 ………………

 よしッ! 決めたッ!

【占い師】

桐野 辻●→千駄○→幸田○→佐伯○→大場●→捨神●→ポーン○→捨神●

菅原 大場○→姫野○→葛城●→千駄○→桐野●[吊り]

捨神 松平○→千駄○→大場○→姫野●→桐野●→ポーン○→葛城○→裏見○


【霊能者】

 辻 [吊り]

吉備 辻●[吊り]


【狩人】

佐伯?


【共有者】

松平−裏見


【吊り】

辻→吉備→甘田→姫野→菅原→大場→葛城


【噛み】

第一→神崎→平和→千駄→佐伯→幸田→ポーン→松平

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