215手目 高校生将棋指しの人狼(3日目昼〜5日目夜)
【3日目 昼 14/17名】
神崎忍さんが無惨な姿で発見されました。
「おはようございます」
「みんな、おはよう」
「おはよ」
「おはよう」
「Guten morgen」
「おはようございます」
「おいーす」
「アハハ、おはよう」
「おはようですぅ」
「おはようっス」
「おはよう」
「おはよぉ」
うるさ過ぎィ!
「明日から挨拶省略で」
松平、ナイス判断。
「占いCO、前会長さん○なのですぅ」
「占いCO! 2日目、大場○、3日目、姫野○!」
おっと、菅原先輩が占いCO。占い師が増えた。
「アハハ、だったら僕も占いCO、2日目、松平先輩○、3日目、千駄先輩○」
捨神くんも追加でCO。
「潜伏が2人も増えたっスね。九十九ちゃんは共有占いっスか」
「霊能はどうなってるのかなぁ?」
そうそう、霊能結果教えてプリーズ。
みんなの視線が、吉備さんに集まる。
「霊能CO、辻くんは●です」
狼ってことか……信用したいところだけど……。
「指定、吉備」
松平は、打ち合わせ通りに行動する。
「霊ロラするんっスか?」
大場さんは、眉をひそめた。
「吉備さんは放置して、グレー吊ってもいいと思うよ」
幸田先輩も、霊ロラに反対した。
「●が出たらグレー吊りも考えましたが、出なかったので霊ロラします」
松平は、私たちの方針を説明した。
「とりあえず、占い理由を教えてもらえないかな?」
千駄先輩は、占い師3人に話し掛けた。
ふたりから占われてるのよね。
「前会長さんの昨日の発言、『潜伏占い師まで見ないといけないかな』、これがお花の信用を微妙に落としてるのですぅ。占い偽に見せたい狼さんかと思って占いましたぁ」
「僕も同じ発言が気になりましたね。潜伏占い師を捜してる狼かと」
「んー、そういう意図で言ったんじゃないんだが、怪しかったかな」
千駄さんは、顎を撫でさすった。
「俺の占い理由を言うぞ。姫野は昨日、大場の片吊り発言に便乗しただけで、他に何も喋ってない。ステルス目の狼かと思って占った。結果は○」
……占い理由は、3人とも納得かな。みんな狼目占い。
「噛みについては、みなさんどうお考えですの?」
ポーンさんは、誰とはなしに尋ねた。
「狩り目噛みじゃないんっスか? 辻先輩で狼吊れてるなら、狩人を見つけて、すぐに占い師を噛みたいはずっス」
「えぇ? 大場さん、それは変だよぉ。占い師3人ってことは、狼さんが一匹混じってる可能性が高いよぉ。そんな状態で占い師噛んだら、ロラでLWになっちゃうかも」
「狼混じってるんっスか? 角ちゃんは真狂狐だと思うっス」
「その場合、誰が狂人で誰が狐なのぉ?」
「ちびまるこちゃんとラインの繋がったお花先輩が真占い師、2番目に出て来た菅原先輩が狂人、3番目に出て来た九十九ちゃんが、占われ回避の狐だと思うっス。九十九ちゃんは、初日が共有占い、2日目がお花先輩と被ってるっスから、狂人はないと思うっス。囲ってないことになるっスからね」
そう言えば、捨神くんの初日占い先、松平なのよね。
「Wie so? 狂人さんが3日目に潜伏から占いCOする理由ってなんですの?」
「とりあえず騙りたかったんじゃないっスか?」
それはあんまり理由になってない気がする。
「1年生ばっかり議論してますけど、3年生は、どうですか?」
松平は、黙っている3年生陣営に話を振った。
まずは、幸田先輩が口を開く。
「僕は真狼狐だと思うよ。ただ、今の段階で内訳を考えるより、捨神くん真のケアをした方がいいんじゃないかな。共有を占ってるから、グレーが広い」
次に姫野さん。
「わたくしも真狼狐だと思います。占われ回避で狐、ひとりは狼騙りでしょう。どちらかと言えば、捨神さんの方が狐に見えますわね」
「僕の方が狐に見える理由は何ですか?」
捨神先輩が尋ね返した。
「捨神さんのコメント、『だったら僕も占いCO』。これは、『2人目の占い候補が出たから自分も出る』という風に見えます。菅原さんの登場で占い欠けが追いにくくなり、真占い師がいるものとして騙りに出たのではないかと」
「それは『騙りが2人出たから潜伏解除する』っていう風にも読めるけどね」
と千駄先輩。
「捨神さんの方が怪しいと言っただけで、捨神さん狐だとは断定していません。要するに、桐野さんが真狼、捨神さんが真狐、菅原さんが真狼目だと読んでいます」
「なるほどね……」
千駄先輩は、納得したのかしていないのか、よく分からない返事をした。
そして、唯一喋っていない3年生に向き直った。
「甘田くんは?」
「内訳については、どうこう言える段階じゃないと思うよ」
曖昧な返答。
「予想するぐらいなら、いいと思わないかい?」
「光成だって内訳言ってないじゃん」
「吉備さんと桐野さんのラインは繋がったけど、僕はここを真−真で決めつけたくないな」
「つじーんが真霊能で、桐野−吉備の2wあるっての?」
「身内切りもあると思う」
身内切りか……あんまり考えてなかったわね。
その場合は、桐野−辻で2w。
「千駄の野郎、また占い師の信用落としてやがるな。ここ占ったら溶けるんじゃねぇか?」
菅原先輩は、脅しをかけた。
「僕が占い師を吊らせたい狐に見えるのかい?」
「昨日から、占い師の真偽についてしか言及してねぇよな?」
「村が桐野−吉備ラインを信用し過ぎだから、忠告しただけだよ」
「あ、ちょっといいかな」
幸田先輩が挙手。
「どうぞ」
「昨日の大場さんと葛城くんの議論についてなんだけど……」
「さすがはスネ夫先輩っス。角ちゃんの華麗な推理に着目してくれたっスね」
「いや、内容的には大場さんが論破されてると思うよ」
「ぎゃふんっス!」
「それはいいとして……葛城くんの発言、『グレーに狼はいない方が、コントロールしやすいこともあるしぃ』と『真に初手●引かれたら、どうせ村勝ち濃厚なんだよぉ』、ここ完全に狼視点だよね? 少し気になったかな」
幸田先輩の指摘に、葛城くんは「ふえぇ」と声を出した。
媚売りは禁止。
「いろんなパターンを考えてただけですよぉ」
「それならば村視点で、『真が初手に●を引いたら』とか、あるいは『グレーに狼がいないと、コントロールされやすくなる』と言えばよろしいのではなくて? わざわざ狼側から見た表現にするのは、よく分かりませんことよ」
ポーンさんも葛城くんを叩き始めた。
「あ、便乗したねぇ?」
「So was? 便乗のなにが悪いのですかしら?」
《残り30秒……》
議論が白熱してきたけど、ここでタイムアウト。
「他に意見はありますか?」
特になし。
「じゃ、このまま投票タイムで」
千駄 → 吉備
姫野 → 吉備
幸田 → 吉備
菅原 → 吉備
甘田 → 吉備
裏見 → 吉備
松平 → 吉備
桐野 → 吉備
吉備 → 甘田
捨神 → 吉備
葛城 → 吉備
大場 → 吉備
佐伯 → 吉備
ポーン→ 吉備
村民会議の結果、吉備丸子さんが処刑されました。
【3日目 夜 13/17名】
ワオーン
さて、どうなったかしら。
「裏見、怪しい奴は目星ついたか?」
「2、3人」
「俺も2、3人だな」
「誰と誰?」
「甘田、千駄、佐伯」
ん、私とちょっと違うわね。
「私は甘田さんと姫野さんと葛城くん」
「甘田は共通か……そこ吊っとくか?」
「あって狂人だと思うけど」
甘田さんが狼なら、目立ち過ぎなんじゃないかしら。
「潜伏狂人だと思うから、吊っといた方がいいだろ」
それも、そうね。
「じゃ、それで」
【4日目 昼 13/17名】
平和な朝を迎えました。
「占いCO! 葛城●だッ!」
「占いCO、大場さん○」
「占いCO、スネ夫お兄様○なのですぅ」
あ、●出た。
「ふぇええ、ボクに●打ちぃ?」
葛城くん、断固抗議。菅原先輩はこれを無視して、
「さぁさぁ、吊り候補を作ったぜ?」
と言って、指をポキポキ鳴らした。
捨神くんはふたりの会話にわりこむ。
「とりあえず、占い理由を言うね。大場さんは多弁どころだし、ここが狼なら厄介だと思って占ったよ。結果は○」
「私も理由を言うですぅ。竜馬ちゃん●、さらに菅原お兄様か九十九ちゃんで狼さん一匹いると思うのでぇ、グレーにはLWしかいないのですぅ。狼さんは、吊れにくいところで頑張っているかもしれないのでぇ、吊れにくそうなところ占いましたぁ」
んー、捨神くんの占い理由は、あんまり感心しないわね。捨神くん視点、1wも見つかってないんだから、積極的に狼目を狙わなきゃ。桐野さんの占い理由は、一見捨神くんと一緒だけど、彼女の場合は辻くんで1w、さらに占い師候補で多分1w。それならグレーの吊れなさそうなところが狼というのは、合理的な推論だ。意味合いが違う。
「みっちー先輩の理由は?」
松平は、菅原先輩に尋ねた。
「葛城は視点が狼寄りなのが気になった」
菅原先輩の占い理由も、納得。私が怪しんでいたところでもある。
松平は「うーん」と唸ってから、甘田さんを指差した。
「甘田さん指定で」
「え? あたしなの?」
甘田さんは、自分を指差す。
「ちょ、ちょっと待って、考え直してくれない?」
「COは?」
「し、COは……ないよ」
怪しい。
葛城くん吊りを提案しようかと思ったけど、これなら吊ってもいいかな。
「でもさ、ふたばちゃん●なんだから、そこ吊ればいいじゃん?」
甘田さんの拒否に、千駄先輩が口を挟む。
「甘田さん吊りでいいと思うよ。菅原くん視点でも、辻くんはほぼ狼。葛城くんを吊ったらLWになって、おうどん*の可能性が出てくる。そこは飼い候補でいいんじゃないかな」
*狐を吊るより先に狼が全滅して、狐が勝ってしまうこと。
「この段階でおうどんなんか考えなくていいっしょ」
「段階の話をするなら、素村が指定拒絶する段階でもないけど?」
ここで松平が発言。
「もう一回訊きます。COは?」
「……ないよ」
これで決まりかな。狩人CO以外は受付けない方針。
「じゃあ、甘田さん吊りで」
吊り先は決定。あとは議論時間だ。
「今日の平和は、なんなんっスかね? 占いGJっスか?」
「それはおかしいよぉ。信用勝負で占い噛まないもん」
また視点が狼になってる。葛城くんは、いよいよ村に見えない。
「だったら、狐把握っスか?」
「Ich vermute so!! Herrセンダが怪しいですわ」
ポーンさんの指摘に、みんなそちらを振り向く。
「つまり、2○出された僕を狼が噛んで平和ってことかな?」
「ありそうっスね」
「その場合、菅原くん真か初日*ってことになるけど」
*初日の第一犠牲者で占い師が死んでいるということ。
確かに。千駄先輩が狐なら、菅原先輩と第一犠牲者だけが真占い候補。
桐野さんと捨神くんは溶かせなかったから、偽としか考えられない。
「千駄さん噛みも怪しいですが、役職GJも見た方がよろしいのでは?」
「姫野くん、急に喋ったね」
「幸田さんこそ、さきほどまで一言も発していらっしゃらなかったようですが」
「おっと、ブーメランだったよ。ところで、役職GJなら、どこなの?」
「普通に桐野さん噛みかと」
姫野さんの答えに、幸田先輩は眉をひそめた。
「信用勝負の最中に、一番真っぽいところを噛むのかい?」
「桐野さんが仰ったように、グレーの狼は吊れにくいところにいると思います。噛んで占いロラされても、構わないという判断ではないでしょうか」
「その場合は、誰が怪しくなるのかな?」
「具体的には……ポーンさんと大場さんです」
む、名指ししましたね。
幸田先輩は、面白そうにニヤリと笑った。
「今の発言、覚えとくよ」
《残り30秒……》
「他には?」
松平は、一同をぐるりと見回した。
「佐伯は無言だったけど、なんかないか?」
昨日も無言だったわね。このゲームだと、マナー違反。
「占いでGJは出てないと思います」
ん? いきなり踏み込んだ発言?
「そうか……参考にしとくぜ」
《投票タイム……》
千駄 → 甘田
姫野 → 甘田
幸田 → 甘田
菅原 → 甘田
甘田 → 千駄
裏見 → 甘田
松平 → 甘田
桐野 → 甘田
捨神 → 甘田
葛城 → 甘田
大場 → 甘田
佐伯 → 甘田
ポーン→ 甘田
村民会議の結果、甘田幸子さんが処刑されました。
【4日目 夜 12/17名】
ワオーン
「吊り縄が増えたわね」
「あの反応だと、甘田で狂人逝ってるだろ。狐じゃなさそうだ」
「そうかしら。狐なら諦めてCOなしも頷けるわよ」
「狂人だってCOするもんないぞ。狩人COは狼から見て真偽つかないから、噛まれて損になる。狂人の狐COもありえないからな」
ふむ、そう言われてみると、そうか。
狂人が一番避けないといけないのは、狼に狩人や狐の位置を誤認させることだ。
だから、狂人の狩人COや狐COは、例外を除いて悪手と言われている。
「怪しそうなところは、変わった?」
松平は髪をくしゃくしゃにして、窓から見える月明かりを眼差した。
「千駄さんが怪し過ぎるけど、スケープゴート*な気もするんだよな」
*村人であるにもかかわらず怪しまれて、狼から放置されること。
「GJかどうかも分かんないし、占いは見分けがつかないわ」
「個人的に、桐野>菅原>捨神の真狼狐で見てる」
「そうね、甘田さんが読み通り狂人なら……でも、誰が誰?」
桐野さん真濃厚だけど、菅原先輩と捨神くんのどっちが狼かは分からない。
捨神くんは、狩人に●をぶつけるのを恐れて、○ばっかり出してるように見える。そう考えるなら、捨神くんが狐だ。狐は狼と村の区別がつかないから。逆に、平気で●を出してる菅原先輩は、狼候補。
「明日の指定は?」
「千駄さん吊りたいんだけどなあ……」
「そこ2○よ? しかも真目っぽい占い師の」
「そうなんだよなぁ……ふたばにするか?」
バランス吊りね。●残しててもいいことなさそうだし、良さげ。
「佐伯くん、最後に『占いGJじゃない』って言ったけど、あれって何かしら?」
「時間がなくて適当に答えたんだろ?」
佐伯くんが? ……そういうタイプじゃないと思う。
「葛城くんを吊ったら、姫野さんを指定して欲しいわ」
「……私怨か?」
なんで私怨になるのよッ!
姫野さんは、あからさまに怪しいでしょ。
美人補正で候補から外してるんじゃないでしょうね?
「なんで怪しいと思うんだ?」
「他人の発言に便乗してるし、考えてることが見えてこないもの」
「んー、そっか……」
松平は悩む。
「……確かに、周りの発言聴いてから喋ってるな。そこも指定候補にするぞ」
よしよし。
「他には?」
「ないわ」
「じゃ、スキップで」
【5日目 昼 11/17名】
千駄光成さんが無惨な姿で発見されました。
「占いCO! 千駄○! こりゃ溶けただろッ!」
「占いCO、ヨシュアちゃん○なのですぅ」
「占いCO、姫野さん●」
げッ、呪殺主張。
「みっちー先輩は、呪殺GJ主張ですか?」
松平も確認を入れた。
「ああ、溶けると思ったら、案の定だったぜ」
「他のふたりの占い理由は?」
「『占いでGJは出てないと思います』、これってぇ、自分が噛んでないから分かったんじゃないですかぁ? それまで無口なのに、断定するのはおかしいのですぅ。でも○ですぅ」
「占いの内訳が僕自信分かってないんだけど、桐野さん狐で狼に●刺した可能性があると思うんですよね。その場合は菅原先輩が狼なので、囲い*候補を占いました。結果は●」
*偽物の占い師が、狼にわざと○を打って、庇うこと。
「桐野が狼目占い、みっちー先輩が狐目占い、捨神が対抗の○占い……ね」
しまった、全然想定していない展開だ。
「ちょっと議論しててください」
ここは、松平も長考。私も考える。
「菅原先輩に質問です。呪殺GJだとして、GJはどこで出ているんですか?」
おっと、佐伯くんが一番槍。やたら積極的になってきた。
「占いなら俺だ。葛城が見つかって慌てて噛んだんだろ」
「ボクが狼なら、自白するような噛みはしないですよぉ」
「あるいは真狂狐で、狂人に護衛が入ってたか、狐噛んじまったんじゃねぇか」
狼視点、真偽がついていないなら、その可能性もあるわね。
狩人がどの占い師を守っているかは、分からない。桐野さん鉄板も考えられるけど、噛まれて一番困る捨神くんを護衛している可能性も高い。捨神くんが真占い師の場合は、1wも見つけていないから、グレラン大会*になってしまうのだ。
*グレーをランダムに吊って行くこと。
「占いに狂人混じりは、主張として無理があると思います」
「理由は?」
「狂人は甘田さんで死んでいると思うからです」
私も、そう思う。
甘田さんの吊られ方は、どう見ても素村に見えなかった。
「だったら、共有護衛なんじゃないか?」
「共有護衛GJは、4日目の平和だと思います」
「おまえがそう思うんなら、そうなんだろうよ」
菅原先輩は、半ば呆れ気味だった。
実際、佐伯くんの発言には、何の根拠もない。
「まあ、どこでGJが出ていようと、千駄で100%溶けてるからな」
千駄先輩で溶けても、まったく違和感はないんだけど……ん?
「ちょっと待ってください。千駄先輩狐なら、占いは真狂狼ですよね?」
私は菅原先輩に尋ねた。
「……そういうことになるな」
「ってことは、やっぱりおかしいですよ。甘田さん素村になります」
「そう言われると、そうっスね。真狼狼じゃない限り、狂人混じりっス」
「Das ist ünerzeugend」
「菅原先輩は、内訳がおかしいと思いまぁす」
ここぞとばかりに、1年生陣営が噛み付いた。
「甘田はリア狂だから、態度がおかしかっただけだろ」
「COするかどうか、考えているようにも見えましたが?」
ここで姫野さんがパンチ。
「姫野、おまえは●出されてるんだから、自分のこと心配しろ」
「ずいぶんと妙な言い方ですわね。あなた視点、捨神くんは偽物のはずですが」
「どの占い師からだろうと、●打たれてるんだから、普通に吊り候補だろ」
「葛城さんが先に●を打たれているのに、ですか?」
……そう言えば、葛城くん吊りを主張しなくなったわね。何で?
頭から抜けてたんじゃないの?
「それを決めるのは共有だ。俺じゃねぇ」
「そもそも、あなた視点の人外は、辻or吉備−桐野−捨神−葛城−千駄で全露呈。お仕事終了です。退場していただきましょう」
「そうっス、角ちゃんもそれ言おうとしてたっス」
「ちょっと待てッ! 千駄噛みと占いが重なっただけかもしれないじゃねぇかッ!」
「さきほど『千駄で100%溶けてる』とおっしゃいましたが?」
「ありゃ表現の問題だ」
パチリ
誰かが指を鳴らした。
振り返ると、松平だった。
「指定、姫野さん」
おおッ!
「……理由を教えていただけますかしら?」
「今日の占いで、みっちー先輩の真は切りました。桐野−捨神で追います。桐野視点は狼が既に1匹吊れてますが、捨神視点は1匹も吊れていない可能性があるので、姫野さん、あなたをバランス吊りします」
姫野さんは、ムッとした顔をする。
こ、怖い。
「共有がそう仰るなら、仕方がないでしょう」
あ、引き下がった。
《残り30秒……》
「じゃ、本指定で。他に言いたいことあったら、すぐ言ってください」
特にないようだ。
「それと、ふたばはグレー戻りだからな。明日から村アピしろよ」
「はぁい」
姫野 → 捨神
幸田 → 姫野
菅原 → 姫野
裏見 → 姫野
松平 → 姫野
桐野 → 姫野
捨神 → 姫野
葛城 → 姫野
大場 → 姫野
佐伯 → 姫野
ポーン→ 姫野
村民会議の結果、姫野咲耶さんが処刑されました。
【5日目 夜 10/17名】
ワオーン
ふぅ、疲れた。議論が白熱し過ぎ。
「なんとなくだが、姫野で逝った気がするな」
「でしょ?」
これが女の勘ってやつよ。
「もしかすると、狐の●が狼に刺さったのかもしれないな」
それも考えられる。桐野さん視点も、姫野さんはグレーだった。
「菅原先輩がLWかしら? それとも、菅原先輩が狐で、捨神くんがLW?」
「どっちかって言うと、捨神の方が狐っぽいんだよな。怪しい位置ができてから●投げてるし、姫野●って狐でも出せそうだ。捨神狼なら、囲いいるだろ」
捨神くんの囲い候補は、大場さん。私は、あまり狼で見ていない位置だ。
となると、捨神くんに囲いはいないことになって、圧倒的真狐目。
辻w−姫野w−菅原w−甘田k−捨神fも考えないといけないかしら。
「佐伯くんについては、どう思う?」
「佐伯は桐野の○だろ?」
「今日の姫野さん●で、捨神くんの真目は上がったでしょ」
そこはイーブンで見ないと。
「佐伯の今日の質問は、かなり村目っぽかったような……」
菅原先輩狼で読むなら、あの質問は身内切りレベルよ。
「佐伯くんって、GJの位置には、やたら五月蝿いわよね」
私の指摘に、松平は「おやッ」という顔をした。
「もしかして……狩りアピか?」
「GJ位置の発言で、護衛先を微妙に教えてる?」
「……ありえるな」
それなら、4日目に占いGJはないと言ったことも、納得がいく。
「佐伯噛まれたら狩人で読もう」
「噛まれなかったら?」
「終盤で指定してCOを聞く。俺たちが気付いたなら、狼側も気付いてるはずだ」
こういうゲームって、自分だけが気付いてるって思っちゃダメなのよね。
相手をリスペクトしないと。
「占い師はグレー詰めしてくるかしら?」
「桐野のグレーは大場、葛城、ポーン。捨神のグレーは幸田、葛城、ポーン、佐伯か。狼の可能性があるのは、葛城が筆頭で、次点が便乗気味のポーンだな」
桐野さんから早めに葛城くん●が出てたら、分かり易かったんだけど。
葛城くん吊り→占いロラで勝てそう。
内訳は辻w−菅原or捨神w−葛城w−菅原or捨神f−甘田k。
姫野さんは私の勘違いだったってことに。
《夜時間終了30秒前……》
「吊りは明日の占い結果を見てから決めよう」
「了解」
「そろそろどっちかが噛まれて死にそうだ。裏見が残ったら頼むぞ」
【占い師】
桐野 辻●→千駄○→幸田○→佐伯○
菅原 大場○→姫野○→葛城●→千駄○
捨神 松平○→千駄○→大場○→姫野●
【霊能者】
辻 [吊り]
吉備 辻●[吊り]
【狩人】
???
【共有者】
松平−裏見
【吊り】
辻→吉備→甘田→姫野
【噛み】
第一→神崎→平和→千駄