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こちら、駒桜高校将棋部  作者: 稲葉孝太郎
第34局 そわそわ文化祭編(2014年10月5日日曜)
244/295

215手目 高校生将棋指しの人狼(3日目昼〜5日目夜)

【3日目 昼 14/17名】


 神崎忍さんが無惨な姿で発見されました。


「おはようございます」

「みんな、おはよう」

「おはよ」

「おはよう」

「Guten morgen」

「おはようございます」

「おいーす」

「アハハ、おはよう」

「おはようですぅ」

「おはようっス」

「おはよう」

「おはよぉ」

 うるさ過ぎィ!

「明日から挨拶省略で」

 松平、ナイス判断。

「占いCO、前会長さん○なのですぅ」

「占いCO! 2日目、大場○、3日目、姫野○!」

 おっと、菅原先輩が占いCO。占い師が増えた。

「アハハ、だったら僕も占いCO、2日目、松平先輩○、3日目、千駄先輩○」

 捨神くんも追加でCO。

「潜伏が2人も増えたっスね。九十九ちゃんは共有占いっスか」

「霊能はどうなってるのかなぁ?」

 そうそう、霊能結果教えてプリーズ。

 みんなの視線が、吉備さんに集まる。

「霊能CO、辻くんは●です」

 狼ってことか……信用したいところだけど……。

「指定、吉備」

 松平は、打ち合わせ通りに行動する。

「霊ロラするんっスか?」

 大場さんは、眉をひそめた。

「吉備さんは放置して、グレー吊ってもいいと思うよ」

 幸田先輩も、霊ロラに反対した。

「●が出たらグレー吊りも考えましたが、出なかったので霊ロラします」

 松平は、私たちの方針を説明した。

「とりあえず、占い理由を教えてもらえないかな?」

 千駄先輩は、占い師3人に話し掛けた。

 ふたりから占われてるのよね。

「前会長さんの昨日の発言、『潜伏占い師まで見ないといけないかな』、これがお花の信用を微妙に落としてるのですぅ。占い偽に見せたい狼さんかと思って占いましたぁ」

「僕も同じ発言が気になりましたね。潜伏占い師を捜してる狼かと」

「んー、そういう意図で言ったんじゃないんだが、怪しかったかな」

 千駄さんは、顎を撫でさすった。

「俺の占い理由を言うぞ。姫野は昨日、大場の片吊り発言に便乗しただけで、他に何も喋ってない。ステルス目の狼かと思って占った。結果は○」

 ……占い理由は、3人とも納得かな。みんな狼目占い。

「噛みについては、みなさんどうお考えですの?」

 ポーンさんは、誰とはなしに尋ねた。

「狩り目噛みじゃないんっスか? 辻先輩で狼吊れてるなら、狩人を見つけて、すぐに占い師を噛みたいはずっス」

「えぇ? 大場さん、それは変だよぉ。占い師3人ってことは、狼さんが一匹混じってる可能性が高いよぉ。そんな状態で占い師噛んだら、ロラでLWになっちゃうかも」

「狼混じってるんっスか? 角ちゃんは真狂狐だと思うっス」

「その場合、誰が狂人で誰が狐なのぉ?」

「ちびまるこちゃんとラインの繋がったお花先輩が真占い師、2番目に出て来た菅原先輩が狂人、3番目に出て来た九十九ちゃんが、占われ回避の狐だと思うっス。九十九ちゃんは、初日が共有占い、2日目がお花先輩と被ってるっスから、狂人はないと思うっス。囲ってないことになるっスからね」

 そう言えば、捨神くんの初日占い先、松平なのよね。

「Wie so? 狂人さんが3日目に潜伏から占いCOする理由ってなんですの?」

「とりあえず騙りたかったんじゃないっスか?」

 それはあんまり理由になってない気がする。

「1年生ばっかり議論してますけど、3年生は、どうですか?」

 松平は、黙っている3年生陣営に話を振った。

 まずは、幸田先輩が口を開く。

「僕は真狼狐だと思うよ。ただ、今の段階で内訳を考えるより、捨神くん真のケアをした方がいいんじゃないかな。共有を占ってるから、グレーが広い」

 次に姫野さん。

「わたくしも真狼狐だと思います。占われ回避で狐、ひとりは狼騙りでしょう。どちらかと言えば、捨神さんの方が狐に見えますわね」

「僕の方が狐に見える理由は何ですか?」

 捨神先輩が尋ね返した。

「捨神さんのコメント、『だったら僕も占いCO』。これは、『2人目の占い候補が出たから自分も出る』という風に見えます。菅原さんの登場で占い欠けが追いにくくなり、真占い師がいるものとして騙りに出たのではないかと」

「それは『騙りが2人出たから潜伏解除する』っていう風にも読めるけどね」

 と千駄先輩。

「捨神さんの方が怪しいと言っただけで、捨神さん狐だとは断定していません。要するに、桐野さんが真狼、捨神さんが真狐、菅原さんが真狼目だと読んでいます」

「なるほどね……」

 千駄先輩は、納得したのかしていないのか、よく分からない返事をした。

 そして、唯一喋っていない3年生に向き直った。

「甘田くんは?」

「内訳については、どうこう言える段階じゃないと思うよ」

 曖昧な返答。

「予想するぐらいなら、いいと思わないかい?」

「光成だって内訳言ってないじゃん」

「吉備さんと桐野さんのラインは繋がったけど、僕はここを真−真で決めつけたくないな」

「つじーんが真霊能で、桐野−吉備の2wあるっての?」

「身内切りもあると思う」

 身内切りか……あんまり考えてなかったわね。

 その場合は、桐野−辻で2w。

「千駄の野郎、また占い師の信用落としてやがるな。ここ占ったら溶けるんじゃねぇか?」

 菅原先輩は、脅しをかけた。

「僕が占い師を吊らせたい狐に見えるのかい?」

「昨日から、占い師の真偽についてしか言及してねぇよな?」

「村が桐野−吉備ラインを信用し過ぎだから、忠告しただけだよ」

「あ、ちょっといいかな」

 幸田先輩が挙手。

「どうぞ」

「昨日の大場さんと葛城くんの議論についてなんだけど……」

「さすがはスネ夫先輩っス。角ちゃんの華麗な推理に着目してくれたっスね」

「いや、内容的には大場さんが論破されてると思うよ」

「ぎゃふんっス!」

「それはいいとして……葛城くんの発言、『グレーに狼はいない方が、コントロールしやすいこともあるしぃ』と『真に初手●引かれたら、どうせ村勝ち濃厚なんだよぉ』、ここ完全に狼視点だよね? 少し気になったかな」

 幸田先輩の指摘に、葛城くんは「ふえぇ」と声を出した。

 媚売りは禁止。

「いろんなパターンを考えてただけですよぉ」

「それならば村視点で、『真が初手に●を引いたら』とか、あるいは『グレーに狼がいないと、コントロールされやすくなる』と言えばよろしいのではなくて? わざわざ狼側から見た表現にするのは、よく分かりませんことよ」

 ポーンさんも葛城くんを叩き始めた。

「あ、便乗したねぇ?」

「So was? 便乗のなにが悪いのですかしら?」

《残り30秒……》

 議論が白熱してきたけど、ここでタイムアウト。

「他に意見はありますか?」

 特になし。

「じゃ、このまま投票タイムで」


千駄 → 吉備

姫野 → 吉備

幸田 → 吉備

菅原 → 吉備

甘田 → 吉備

裏見 → 吉備

松平 → 吉備

桐野 → 吉備

吉備 → 甘田

捨神 → 吉備

葛城 → 吉備

大場 → 吉備

佐伯 → 吉備

ポーン→ 吉備

 

 村民会議の結果、吉備丸子さんが処刑されました。



【3日目 夜 13/17名】


 ワオーン

 

 さて、どうなったかしら。

「裏見、怪しい奴は目星ついたか?」

「2、3人」

「俺も2、3人だな」

「誰と誰?」

「甘田、千駄、佐伯」

 ん、私とちょっと違うわね。

「私は甘田さんと姫野さんと葛城くん」

「甘田は共通か……そこ吊っとくか?」

「あって狂人だと思うけど」

 甘田さんが狼なら、目立ち過ぎなんじゃないかしら。

「潜伏狂人だと思うから、吊っといた方がいいだろ」

 それも、そうね。

「じゃ、それで」



【4日目 昼 13/17名】


 平和な朝を迎えました。


「占いCO! 葛城●だッ!」

「占いCO、大場さん○」

「占いCO、スネ夫お兄様○なのですぅ」

 あ、●出た。

「ふぇええ、ボクに●打ちぃ?」

 葛城くん、断固抗議。菅原先輩はこれを無視して、

「さぁさぁ、吊り候補を作ったぜ?」

 と言って、指をポキポキ鳴らした。

 捨神くんはふたりの会話にわりこむ。

「とりあえず、占い理由を言うね。大場さんは多弁どころだし、ここが狼なら厄介だと思って占ったよ。結果は○」

「私も理由を言うですぅ。竜馬ちゃん●、さらに菅原お兄様か九十九ちゃんで狼さん一匹いると思うのでぇ、グレーにはLWしかいないのですぅ。狼さんは、吊れにくいところで頑張っているかもしれないのでぇ、吊れにくそうなところ占いましたぁ」

 んー、捨神くんの占い理由は、あんまり感心しないわね。捨神くん視点、1wも見つかってないんだから、積極的に狼目を狙わなきゃ。桐野さんの占い理由は、一見捨神くんと一緒だけど、彼女の場合は辻くんで1w、さらに占い師候補で多分1w。それならグレーの吊れなさそうなところが狼というのは、合理的な推論だ。意味合いが違う。

「みっちー先輩の理由は?」

 松平は、菅原先輩に尋ねた。

「葛城は視点が狼寄りなのが気になった」

 菅原先輩の占い理由も、納得。私が怪しんでいたところでもある。

 松平は「うーん」と唸ってから、甘田さんを指差した。

「甘田さん指定で」

「え? あたしなの?」

 甘田さんは、自分を指差す。

「ちょ、ちょっと待って、考え直してくれない?」

「COは?」

「し、COは……ないよ」

 怪しい。

 葛城くん吊りを提案しようかと思ったけど、これなら吊ってもいいかな。

「でもさ、ふたばちゃん●なんだから、そこ吊ればいいじゃん?」

 甘田さんの拒否に、千駄先輩が口を挟む。

「甘田さん吊りでいいと思うよ。菅原くん視点でも、辻くんはほぼ狼。葛城くんを吊ったらLWになって、おうどん*の可能性が出てくる。そこは飼い候補でいいんじゃないかな」


*狐を吊るより先に狼が全滅して、狐が勝ってしまうこと。


「この段階でおうどんなんか考えなくていいっしょ」

「段階の話をするなら、素村が指定拒絶する段階でもないけど?」

 ここで松平が発言。

「もう一回訊きます。COは?」

「……ないよ」

 これで決まりかな。狩人CO以外は受付けない方針。

「じゃあ、甘田さん吊りで」

 吊り先は決定。あとは議論時間だ。

「今日の平和は、なんなんっスかね? 占いGJっスか?」

「それはおかしいよぉ。信用勝負で占い噛まないもん」

 また視点が狼になってる。葛城くんは、いよいよ村に見えない。

「だったら、狐把握っスか?」

「Ich vermute so!! Herrセンダが怪しいですわ」

 ポーンさんの指摘に、みんなそちらを振り向く。

「つまり、2○出された僕を狼が噛んで平和ってことかな?」

「ありそうっスね」

「その場合、菅原くん真か初日*ってことになるけど」


*初日の第一犠牲者で占い師が死んでいるということ。


 確かに。千駄先輩が狐なら、菅原先輩と第一犠牲者だけが真占い候補。

 桐野さんと捨神くんは溶かせなかったから、偽としか考えられない。

「千駄さん噛みも怪しいですが、役職GJも見た方がよろしいのでは?」

「姫野くん、急に喋ったね」

「幸田さんこそ、さきほどまで一言も発していらっしゃらなかったようですが」

「おっと、ブーメランだったよ。ところで、役職GJなら、どこなの?」

「普通に桐野さん噛みかと」

 姫野さんの答えに、幸田先輩は眉をひそめた。

「信用勝負の最中に、一番真っぽいところを噛むのかい?」

「桐野さんが仰ったように、グレーの狼は吊れにくいところにいると思います。噛んで占いロラされても、構わないという判断ではないでしょうか」

「その場合は、誰が怪しくなるのかな?」

「具体的には……ポーンさんと大場さんです」

 む、名指ししましたね。

 幸田先輩は、面白そうにニヤリと笑った。

「今の発言、覚えとくよ」

《残り30秒……》

「他には?」

 松平は、一同をぐるりと見回した。

「佐伯は無言だったけど、なんかないか?」

 昨日も無言だったわね。このゲームだと、マナー違反。

「占いでGJは出てないと思います」

 ん? いきなり踏み込んだ発言?

「そうか……参考にしとくぜ」

《投票タイム……》


千駄 → 甘田

姫野 → 甘田

幸田 → 甘田

菅原 → 甘田

甘田 → 千駄

裏見 → 甘田

松平 → 甘田

桐野 → 甘田

捨神 → 甘田

葛城 → 甘田

大場 → 甘田

佐伯 → 甘田

ポーン→ 甘田

 

 村民会議の結果、甘田幸子さんが処刑されました。



【4日目 夜 12/17名】


 ワオーン


「吊り縄が増えたわね」

「あの反応だと、甘田で狂人逝ってるだろ。狐じゃなさそうだ」

「そうかしら。狐なら諦めてCOなしも頷けるわよ」

「狂人だってCOするもんないぞ。狩人COは狼から見て真偽つかないから、噛まれて損になる。狂人の狐COもありえないからな」

 ふむ、そう言われてみると、そうか。

 狂人が一番避けないといけないのは、狼に狩人や狐の位置を誤認させることだ。

 だから、狂人の狩人COや狐COは、例外を除いて悪手と言われている。

「怪しそうなところは、変わった?」

 松平は髪をくしゃくしゃにして、窓から見える月明かりを眼差した。

「千駄さんが怪し過ぎるけど、スケープゴート*な気もするんだよな」


*村人であるにもかかわらず怪しまれて、狼から放置されること。


「GJかどうかも分かんないし、占いは見分けがつかないわ」

「個人的に、桐野>菅原>捨神の真狼狐で見てる」

「そうね、甘田さんが読み通り狂人なら……でも、誰が誰?」

 桐野さん真濃厚だけど、菅原先輩と捨神くんのどっちが狼かは分からない。

 捨神くんは、狩人に●をぶつけるのを恐れて、○ばっかり出してるように見える。そう考えるなら、捨神くんが狐だ。狐は狼と村の区別がつかないから。逆に、平気で●を出してる菅原先輩は、狼候補。

「明日の指定は?」

「千駄さん吊りたいんだけどなあ……」

「そこ2○よ? しかも真目っぽい占い師の」

「そうなんだよなぁ……ふたばにするか?」

 バランス吊りね。●残しててもいいことなさそうだし、良さげ。

「佐伯くん、最後に『占いGJじゃない』って言ったけど、あれって何かしら?」

「時間がなくて適当に答えたんだろ?」

 佐伯くんが? ……そういうタイプじゃないと思う。

「葛城くんを吊ったら、姫野さんを指定して欲しいわ」

「……私怨か?」

 なんで私怨になるのよッ!

 姫野さんは、あからさまに怪しいでしょ。

 美人補正で候補から外してるんじゃないでしょうね?

「なんで怪しいと思うんだ?」

「他人の発言に便乗してるし、考えてることが見えてこないもの」

「んー、そっか……」

 松平は悩む。

「……確かに、周りの発言聴いてから喋ってるな。そこも指定候補にするぞ」

 よしよし。

「他には?」

「ないわ」

「じゃ、スキップで」



【5日目 昼 11/17名】


 千駄光成さんが無惨な姿で発見されました。


「占いCO! 千駄○! こりゃ溶けただろッ!」

「占いCO、ヨシュアちゃん○なのですぅ」

「占いCO、姫野さん●」

 げッ、呪殺主張。

「みっちー先輩は、呪殺GJ主張ですか?」

 松平も確認を入れた。

「ああ、溶けると思ったら、案の定だったぜ」

「他のふたりの占い理由は?」

「『占いでGJは出てないと思います』、これってぇ、自分が噛んでないから分かったんじゃないですかぁ? それまで無口なのに、断定するのはおかしいのですぅ。でも○ですぅ」

「占いの内訳が僕自信分かってないんだけど、桐野さん狐で狼に●刺した可能性があると思うんですよね。その場合は菅原先輩が狼なので、囲い*候補を占いました。結果は●」


*偽物の占い師が、狼にわざと○を打って、庇うこと。


「桐野が狼目占い、みっちー先輩が狐目占い、捨神が対抗の○占い……ね」

 しまった、全然想定していない展開だ。

「ちょっと議論しててください」

 ここは、松平も長考。私も考える。

「菅原先輩に質問です。呪殺GJだとして、GJはどこで出ているんですか?」

 おっと、佐伯くんが一番槍。やたら積極的になってきた。

「占いなら俺だ。葛城が見つかって慌てて噛んだんだろ」

「ボクが狼なら、自白するような噛みはしないですよぉ」

「あるいは真狂狐で、狂人に護衛が入ってたか、狐噛んじまったんじゃねぇか」

 狼視点、真偽がついていないなら、その可能性もあるわね。

 狩人がどの占い師を守っているかは、分からない。桐野さん鉄板も考えられるけど、噛まれて一番困る捨神くんを護衛している可能性も高い。捨神くんが真占い師の場合は、1wも見つけていないから、グレラン大会*になってしまうのだ。

 

*グレーをランダムに吊って行くこと。

 

「占いに狂人混じりは、主張として無理があると思います」

「理由は?」

「狂人は甘田さんで死んでいると思うからです」

 私も、そう思う。

 甘田さんの吊られ方は、どう見ても素村に見えなかった。

「だったら、共有護衛なんじゃないか?」

「共有護衛GJは、4日目の平和だと思います」

「おまえがそう思うんなら、そうなんだろうよ」

 菅原先輩は、半ば呆れ気味だった。

 実際、佐伯くんの発言には、何の根拠もない。

「まあ、どこでGJが出ていようと、千駄で100%溶けてるからな」

 千駄先輩で溶けても、まったく違和感はないんだけど……ん?

「ちょっと待ってください。千駄先輩狐なら、占いは真狂狼ですよね?」

 私は菅原先輩に尋ねた。

「……そういうことになるな」

「ってことは、やっぱりおかしいですよ。甘田さん素村になります」

「そう言われると、そうっスね。真狼狼じゃない限り、狂人混じりっス」

「Das ist ünerzeugend」

「菅原先輩は、内訳がおかしいと思いまぁす」

 ここぞとばかりに、1年生陣営が噛み付いた。

「甘田はリア狂だから、態度がおかしかっただけだろ」

「COするかどうか、考えているようにも見えましたが?」

 ここで姫野さんがパンチ。

「姫野、おまえは●出されてるんだから、自分のこと心配しろ」

「ずいぶんと妙な言い方ですわね。あなた視点、捨神くんは偽物のはずですが」

「どの占い師からだろうと、●打たれてるんだから、普通に吊り候補だろ」

「葛城さんが先に●を打たれているのに、ですか?」

 ……そう言えば、葛城くん吊りを主張しなくなったわね。何で?

 頭から抜けてたんじゃないの?

「それを決めるのは共有だ。俺じゃねぇ」

「そもそも、あなた視点の人外は、辻or吉備−桐野−捨神−葛城−千駄で全露呈。お仕事終了です。退場していただきましょう」

「そうっス、角ちゃんもそれ言おうとしてたっス」

「ちょっと待てッ! 千駄噛みと占いが重なっただけかもしれないじゃねぇかッ!」

「さきほど『千駄で100%溶けてる』とおっしゃいましたが?」

「ありゃ表現の問題だ」


 パチリ

 

 誰かが指を鳴らした。

 振り返ると、松平だった。

「指定、姫野さん」

 おおッ!

「……理由を教えていただけますかしら?」

「今日の占いで、みっちー先輩の真は切りました。桐野−捨神で追います。桐野視点は狼が既に1匹吊れてますが、捨神視点は1匹も吊れていない可能性があるので、姫野さん、あなたをバランス吊りします」

 姫野さんは、ムッとした顔をする。

 こ、怖い。

「共有がそう仰るなら、仕方がないでしょう」

 あ、引き下がった。

《残り30秒……》

「じゃ、本指定で。他に言いたいことあったら、すぐ言ってください」

 特にないようだ。

「それと、ふたばはグレー戻りだからな。明日から村アピしろよ」

「はぁい」


姫野 → 捨神

幸田 → 姫野

菅原 → 姫野

裏見 → 姫野

松平 → 姫野

桐野 → 姫野

捨神 → 姫野

葛城 → 姫野

大場 → 姫野

佐伯 → 姫野

ポーン→ 姫野

 

 村民会議の結果、姫野咲耶さんが処刑されました。



【5日目 夜 10/17名】


 ワオーン

 

 ふぅ、疲れた。議論が白熱し過ぎ。

「なんとなくだが、姫野で逝った気がするな」

「でしょ?」

 これが女の勘ってやつよ。

「もしかすると、狐の●が狼に刺さったのかもしれないな」

 それも考えられる。桐野さん視点も、姫野さんはグレーだった。

「菅原先輩がLWかしら? それとも、菅原先輩が狐で、捨神くんがLW?」

「どっちかって言うと、捨神の方が狐っぽいんだよな。怪しい位置ができてから●投げてるし、姫野●って狐でも出せそうだ。捨神狼なら、囲いいるだろ」

 捨神くんの囲い候補は、大場さん。私は、あまり狼で見ていない位置だ。

 となると、捨神くんに囲いはいないことになって、圧倒的真狐目。

 辻w−姫野w−菅原w−甘田k−捨神fも考えないといけないかしら。

「佐伯くんについては、どう思う?」

「佐伯は桐野の○だろ?」

「今日の姫野さん●で、捨神くんの真目は上がったでしょ」

 そこはイーブンで見ないと。

「佐伯の今日の質問は、かなり村目っぽかったような……」

 菅原先輩狼で読むなら、あの質問は身内切りレベルよ。

「佐伯くんって、GJの位置には、やたら五月蝿いわよね」

 私の指摘に、松平は「おやッ」という顔をした。

「もしかして……狩りアピか?」

「GJ位置の発言で、護衛先を微妙に教えてる?」

「……ありえるな」

 それなら、4日目に占いGJはないと言ったことも、納得がいく。

「佐伯噛まれたら狩人で読もう」

「噛まれなかったら?」

「終盤で指定してCOを聞く。俺たちが気付いたなら、狼側も気付いてるはずだ」

 こういうゲームって、自分だけが気付いてるって思っちゃダメなのよね。

 相手をリスペクトしないと。

「占い師はグレー詰めしてくるかしら?」

「桐野のグレーは大場、葛城、ポーン。捨神のグレーは幸田、葛城、ポーン、佐伯か。狼の可能性があるのは、葛城が筆頭で、次点が便乗気味のポーンだな」

 桐野さんから早めに葛城くん●が出てたら、分かり易かったんだけど。

 葛城くん吊り→占いロラで勝てそう。

 内訳は辻w−菅原or捨神w−葛城w−菅原or捨神f−甘田k。

 姫野さんは私の勘違いだったってことに。

《夜時間終了30秒前……》

「吊りは明日の占い結果を見てから決めよう」

「了解」

「そろそろどっちかが噛まれて死にそうだ。裏見が残ったら頼むぞ」

【占い師】

桐野 辻●→千駄○→幸田○→佐伯○

菅原 大場○→姫野○→葛城●→千駄○

捨神 松平○→千駄○→大場○→姫野●


【霊能者】

 辻 [吊り]

吉備 辻●[吊り]


【狩人】

???


【共有者】

松平−裏見


【吊り】

辻→吉備→甘田→姫野


【噛み】

第一→神崎→平和→千駄

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