欲しかったもの
プレゼントの包み紙を開けるときは、いつも、胸がどきどきした。
誕生日。クリスマス。
それから、何かいいことをしたときの御褒美。
けれどいつからか、包み紙を開ける回数は減っていった。
理由は簡単。
お父さんの会社が倒産して、私にプレゼントを渡すどころじゃなくなったから。
けれど私は、プレゼントが欲しかった。中身なんて、何でも良かった。
それこそノートの一冊……ううん。包み紙だけでも良かった。
だけどそんなことは言い出せず、私は成長し、大人になった。
もう、プレゼントを貰えるような年じゃない。
──と。……思ってたのに。
「誕生日おめでとう。大したものじゃないけれど……受け取ってくれるかな?」
彼が差し出したものを、まじまじと見つめる。
何かを可愛らしい包み紙でラッピングし、リボンを掛けたもの。
間違いない。私へのプレゼントだ。
受け取った瞬間、
「あれ……なんで……」
私は、涙を流していた。
彼はぎょっした顔をし、それから慌てたように、ごめん、大したものじゃなくて、と言い繕った。
違う。中身なんて、何でもいいんだ。
両親がくれるものなら。
そして、あなたが選んでくれたものなら。
私は涙を拭いて、ううん、と言って、包み紙を抱きしめた。
「ありがとう。私、ね。これが欲しかったんだ。ずっと──……!」




