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協力

一月の後半、忙しすぎて投稿ができませんでした。

申し訳ありませんでした。

「薬の量も足りないし、協力者もいないの」

後ろ向きな私を、キャロルが励ましてくれる。


「私も協力するから。まず、ハリントン子爵令息様は、ベルツ研究室のリーダーであるワーグマン侯爵令息様を説得して薬を飲んでもらって?その間に、私とクリスティーナは薬を追加で作るわ。薬草なら沢山あるから」

キャロルはテキパキと指示してくれる。


「キャロルは紫チームでしょ?そのチームの薬草を持ってきたら怒られない?」

「ウチのリーダーに薬を飲ませるのは簡単なのよ。その後で協力をお願いすればいいわ。でも、必要な薬草や魔法草を教えて」

必要な草と、作り方を口頭で伝える。


「わかったわ。任せて。でもお願いがあるの」

お願いされたのは、アークライト侯爵令息と、ワインバーグ伯爵令息をこちらに呼んで欲しいと言われたので、2人を呼ぶ。


「アークライト侯爵令息様、ワインバーグ伯爵令息様、わたくしはランドール男爵家キャロルと申します。クラーク魔法薬研究室の雑用係でございます。大変申し訳ないお願いなのですが」

「今、1人でも多く救うためになんでもしよう」

2人が協力を申し出てくれた。


「このクリスティーナが作った薬を、我がチームのリーダーであるブリアナ・ハリーズ伯爵令嬢に肌に塗って飲むように勧めて欲しいのです」

「…わかった。どうすれば?」

「私がここまで連れてきます」

キャロルは嘘くさいくらいの嬉しそうな顔を作り、紫チームに走って行った。


その間に、シリルはベルツ研究室リーダーのワーグマン侯爵令息のところに行く。

ワーグマン侯爵令息は、毒の影響が出てきているのか、足取りは重い。

「その体調不良は毒に侵されているせいなんですよ。解毒剤を飲んでください」

シリルが説明して、薬をなんとか飲んでもらった。

「体がラクになった。シリルが毒に気が付いたのか?」

「いえ、雑用係のクリスティーナです。時間が経つと危ないらしいので、他のチームの学生も助けないと」

薬を飲んでもらえた事と、話をちゃんと聞いてくれていることに安堵する。

赤チームはきっとこれで大丈夫。


次は、紫チームね。

チラリと遠くを見る。

キャロルはヘーゼルナッツ色の瞳をした可愛らしい子に何かを話している。

相手の子はキャロルの話を聞いて驚いた顔で口元を押さえてそれから、2人でこちらに向かって歩いてきた。

笑顔を作ってはいるが、体調が悪くなってきたのかもしれない。顔色が悪い。


「ごきげんよう、アークライト侯爵令息様、ワインバーグ伯爵令息様」

「ハリーズ伯爵令嬢、実はお願いがあるんです。まずはこれを手に塗り込んで、その後飲んでもらえますか?」


アークライト侯爵令息が瓶を手渡そうとすると、嬉しさと恥ずかしさが入り混ざった顔をしながら、両手を出す。


「直接いただけるなんて勿体無くて飲めないわ」

と予想外の反応をしたので、私たちは慌てた。

どうしよう、飲んでくれなきゃ意味がないのに。

焦る私とは正反対の様子のワインバーグ伯爵令息が、機転を効かせてくれた。


「僕が蓋を開けてスプーンに乗せると、ブライアン・アークライトが飲ませてくれるよ」

そう言って、まるでワインの瓶を開けるかのように薬瓶を開けて、とりわけ用のスプーンにトロリと乗せると、スプーンをアークライト侯爵令息に渡した。


「手を広げて、口を開けて?」

アークライト侯爵令息の宝石のような蒼い瞳がキラキラと輝いて見える。

こんなに美しい2人に言われたら、抗うことができる女子学生はいないだろう。


紫チームのリーダーであるブリアナ・ハリーズ伯爵令嬢は、薬を手に乗せてもらった後、恥ずかしそうに口を開けて飲ませてもらった。


「ピリピリとするのも、刺激的でいいでしょ?」

ワインバーグ伯爵令息の低い声が、女心をくすぐる。


「あれ?なんだか体調が良くなったわ。ただ気持ちが高揚しているだけなのかしら?」

恥ずかしそうに言うハリーズ伯爵令嬢をキャロルがハグをする。

「騙すようでごめんなさい。どうしても薬を飲んで欲しかったの」


何が起きたかわかっていないハリーズ伯爵令嬢は、驚いてキャロルの背中をポンポンと叩いた。

「どうしたの?なんで嬉しそうなの?」


「よかった。君は毒に侵されていたんだよ」

ワインバーグ伯爵令息の言葉を聞いても、まだピンと来ていない様子で不思議そうな顔をする。

「私が。毒に?」


「何事もなくてよかった。聡明で美しい女性は、いつまでも美しくいてくれないとね。だから、君の力が必要なんだ」

「確かに体に力が戻ってくる感じ。今までの何だか優れない体調は毒のせいだったんだわ」

そう呟いて、アークライト侯爵令息と、ワインバーグ伯爵令息を見る。


「何をすればいいの?」

「君を案内してくれたキャロル・ランドール男爵令嬢が、この薬の作り方を知っているから、今すぐ作れるだけ作って欲しいんだ」

「今すぐ?」

疑問に感じたのか、少しだけ戸惑っている。


ワインバーグ伯爵令息は傅いて、ハリーズ伯爵令嬢を見上げた。

「みんなを毒から救うには、君の力が必要なんだ。聡明な君ならわかるよね?これが成功したら、今度の夜会でワインで祝福しよう」

「ワインバーグ伯爵令息と私で?」


「家名じゃなくて、クライドと呼んでくれて構わない。だから、ブリアナ嬢と呼んでいいかな?」

「…クライド…様。私、祝杯をあげるために頑張りますわ!」

俄然やる気になったブリアナ・ハリーズ伯爵令嬢は、キャロルの腕を掴んだ。

「すぐに戻って、薬の作り方を!」


「わかりましたわ。先ほどまでハリーズ伯爵令嬢様が作っていた薬に、別の薬草を加えるだけですわ」

キャロルは私にウインクして見せて、ハリーズ伯爵令嬢と共に走って行った。


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