プロローグ
「それでは、入学試験を始めます。まずは魔法学からです」
教壇に立つ試験監督を、クリスティーナ・マドロスはドキドキしながら見つめる。
試験監督は魔法省から今しがた到着したようで、通り雨で濡れたコートを無造作に椅子にかけた。
わざわざ魔法省から来てくれるなんて驚きだ。
今日、試験が受けられる事にクリスティーナは興奮を隠せない。
もしも合格したら、サンドロペ魔法学校の70年ぶりの途中入学を認められる学生になり、しかも創立以来初めての平民の途中入学者になる。
「では、確認します。名前と年齢を」
試験監督が目を合わせて質問してきた。
「クリスティーナ・マドロス、19歳です」
「よろしい。ここから1日かけて試験が行われますが、誰かの手助けが確認されたり、カンニングが発覚したら失格になります。では、はじめ」
掛け声で、目の前のテストの冊子を開く。
魔法学のテストを解くには、まず自らの魔法でインクを作らなきゃいけない。
人前でこの魔法を使うのは初めてなので、クリスティーナ・マドロスはドキドキしながら、魔法を唱える。
外は通り雨があがり蝉の声が鳴り響くが、室内は静まり返っていた。
新しいお話を始めました。
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