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真夜中のひとりぼっちお誕生日会

作者: 空町 きいろ

 パジャマに適当な分厚いアウターを着ただけの軽装のせいで、腹のほうから冷気が直接入り込むし、相変わらずズボンは一枚のパジャマのままで体が冷え込む。

遠くのほうで昼間と変わらず24時間労働の信号機は人間がいなくなった世界でただ、カラフルに光る電飾と成り下がる。いつの日常にも必ずいる信号機を見て非現実感を感じる。そんなリアリティのない感覚を感じられる信号機が好きだ。

 ふと、地元のカトリック教会に目が移る。いつもは存在だけを知っている協会にこんな世紀末級の人気のなさの前では神様にも教会にも親近感、、、いや、親近感というより藁をもつかむ思いで近く感じる。日ごろから神様を信じて祈ることができていれば、こんなことにはならなかったのかな。

決して悲観的ではない、事実を幻想的なこの世界にふわふわと浮遊させる。いま、こんな僕の一番近くに居てくれるのはきっと音楽だ。(chilldspotおすすめですよ)

 人気のない大きな交差点を左右を確認して渡ると、遠くでコンビニの大きい看板がシンボルに見えてくる。



あれ?普通のケーキってなかったけな?


 あまり、甘いものを食べてこなかったせいか、三角形のよくある、いわゆる()()()がコンビニにもあると思ったが、真っ白な棚に並べられているのは透明なカップにムースなんかが入ったものばかりだった。

すこし、肩透かしを食らった気持ちで、ポテチと夜食用のカップ麺、そしてケーキを手に取って、レジに向かう。

 背脂煮干し醤油、新発売、そんな謳い文句につい、つられてしまい、買ってしまったが、お椀型の大きなサイズのカップ麺は上着を着ただけの軽装じゃ、ポケットに入るはずもなく、このタイプのカップ麺が入るポケットの服があれば、革命的だろうな~なんて思いながら、また同じ道を通って帰る。

 


そこそこ期待外れの()()()にスプーンを突っ込みながら、18という数字の重みについて少し考える。大人の趣味はできないが大人の義務は果たさなければならない。そんな感じ。

 きっとみんなは今の私みたいな初歩的なところで立ち止まらず、きっともっと先に進んでいるんだろうな。いつからか負けず嫌いも機能しなくなり、ただ漠然と受け入れるだけになってしまった。時を静かに、確かに、無駄に、重ねてきた人生。

このままじゃ、いけないっ!そう思えたらきっと主人公。


正直、










受験どころじゃねえ!







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