クリスマスの天使
戸から見える虹色のイルミネーション。キラキラと発光を繰り返していてとても綺麗だ。赤い帽子を被った白い髭のおじさんが動物に乗って笑みを浮かべている。外には大きな木が装飾を施されている。我が家ではこの特別な日に松の木を使う。そう今夜は12月25日クリスマスだ。なぜ松の木を使うのか?それは僕が松の木が好きだから。今宵は僕の誕生祭でもあるのだ。友人家族とバースデーカードと称してクリスマスカードも交換するし、バースデーソングとクリスマスキャロルを織り交ぜる。クリスマスツリーは松の木。プレゼントもクリスマスとバースデーは同じ。毎年来る扉木あやかの誕生日。お母さんからプレゼントを渡される。
『あやかちゃんお誕生日おめでとう』
『ありがとうお母さん』
続いて同級生で友達の工保蒼香ちゃんから箱を貰った。
『扉木ちゃん大切にしてね』
『うん。ありがとう工保ちゃん』
笑顔で会釈をする。
『と...扉木くん』
背後から野太いおじさんの声がした。振り返ったら霧雨警部が居た。
『霧雨警部大きな声を出してどうしたんですか?』
『この前の事件解決のお礼も兼ねてバースデークリスマスプレゼントだよ』
『嬉しいです。受け取ります』
僕はプレゼントを全て確認した。お母さんからは欲しかったゲームソフト。久保ちゃんからは手作りの洋服。おじさん警部は御守りだった。この前のことを考えてチョイスしたのだろう。
『みんなありがとう』
改めて僕はお礼を言った。その時の扉木あやかの笑顔は人々の目に天使のように写った。鏡に反射した蝋燭の燭台に満月が煌めいた。
ーーークリスマスの天使ーーー完