表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
噓つきの王様  作者: 恵理奈孝彦
6/8

粘着

まこと 待つしかないよ。いつになるかわからないけど。


    まこと、寝ているあかりの上半身を抱く。

    ゆうな、上手に移動。


まこと どうするつもり?


 ゆうな、上手に向かって走る。一度退場。

    ドーンという効果音。

    ゆうな、舞台中央にもどってくる。


まこと なにやってるの!


ゆうな ここの鍵は、金具を柱にねじ止めして、南京錠がかけてあるだけだ。何回も体当たりすれば、ねじが外れる! ドアさえ開けば、あかりの教室はすぐそこだ!


    ゆうな、助走をつけて下手に向かって走る。扉にぶつかる。

    バーンという効果音。

    ゆうな、舞台中央にもどってくる。

    さらに、助走をつけて下手に向かって走る。扉にぶつかる。

    バーンという効果音。

    ゆうな、舞台中央にもどってくる。


まこと うるさい! あかりがこんな状態なのに、ドスドスやるな!

ゆうな あかりがこんな状態なのに、何もしないでなんかいられない! 


    ゆうな、助走をつけて上手に向かって走る。一度退場。

    バーンという効果音。

    ゆうな、舞台中央にもどってくる。


まこと いつまでやるつもりだ!

ゆうな 百回でも、二百回でも…。


    ゆうな、助走をつけて上手に向かって走る。一度退場。

    バーンという効果音。

    ゆうな、舞台中央にもどってくる。


まこと あんた、いい加減に…。

ゆうな いい加減なことはしない。わたしは、執念深いんだよ!


ゆうな、助走をつけて上手に向かって走る。一度退場。

    バーンという効果音。

    ゆうな、舞台中央にもどってくる。

まこと、あかりを丁寧に床に寝かせて立ち上がる。


まこと ふざけないでね。あんたなんかよりわたしの方が、ずっと執念深いんだよ!


    ゆうな、助走をつけて上手に向かって走る。

    まこと、ゆうなを追うようにして上手に走る。一度退場。

    バーンという効果音。

    ゆうなとまこと、舞台中央にもどってくる。

    ゆうなとまこと、同時に助走をつけて上手に走る。一度退場。

    バーンという効果音。

    ゆうなとまこと、舞台中央にもどってくる。


ゆうな もう一回…。

まこと わかってる!


    ゆうなとまこと、同時に助走をつけて上手に走る。一度退場。

    バーンという効果音。

    ゆうなとまこと、舞台上手端にもどる。

    ゆうな、肩をかばうように手を置いている。

    まこと、両手両足を床につける。

    二人とも、体を上手に向けている。


ゆうな やった…。

まこと 行けぇ! あかりを守るんだ!

ゆうな わかってる!

まこと (叫ぶ)はしれぇぇぇっ!


    ゆうな、勢いよく上手に退場。

    まこと、あかりの所に行って上半身を抱く。

    ジャケットの合わせを広げようとして、何かに気づく。

    あかりのポケットからスマホを取り出す。

    スマホを見て、首をかしげる。

    しばらく見ている。


まこと そうか…。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ