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悠遠の旅空に~半神のバックパッカー~  作者: ビール汁
フォルティス大陸東部――シュケル国
61/76

60話 抑制のなく放たれた光輝

 不意を打つ一撃は必殺に相応しいものだった。

 肉を潰し、骨を砕くという強い意志が、棍棒に込められている。ただの人間ならば、直撃の後に待つのは死。防御に徹したところで無事では済まず、剣で受けとめたとしても、衝撃で吹き飛ばされてしまうだろう。


 だがしかし――ただならぬ人間を前にすれば、一髪千鈞を引く生死の競り合いにもならない。


 それは殺意を向けられた瞬間だった。

 穣司の瞳には、身に迫る棍棒が緩慢な速度に映し出され、弧を描く途中で静止したも同然だ。腕を組ながら、考えを巡らせる余裕もある。

 刹那とは程遠く、緩やかに時は流れていた。あるいは穣司だけが何よりも速く動いていた。身体だけではなく、思考までもが。


 攻撃は当たる気配が微塵もなく、当たったところで何事もなく跳ね返しそうだと確信を得ている。

 つまるところ脅威は皆無。だからこそ緊迫感など覚える筈もない。襲われた不快感もなく、抱くのは疑問だけ。


(不法侵入は死に値するほどの禁忌なのかな。……というか改めて見ると、この人って傷だらけだ)


 漫然と豚の獣人を眺めて気付く。

 穣司より一回り大きな身体には、生傷が多く、脇腹には大きな黒痣が広がっていた。左耳は途中から欠けて、切り落とされたようでもある。


(争いでもあったのかな。……もしかして人間と?)


 穣司はふと横目でアセナを見る。

 怒髪天を衝く形相を浮かべ、太い尾で反撃をするべく、身体を反転させていた。

 守ろうとしてくれているのか、散歩を邪魔された怒りなのか。穣司には判断がつかなかったが、両者がぶつかり合うのは得策ではない。おそらく悪いのは自分だと判断を下し、アセナを抱き上げて、数歩下がる。


 ふぅ、と一息つくと、世界は元に戻る。

 棍棒は空を切り、豚の獣人は体勢を崩していた。

 アセナは突然抱き上げられて困惑しているのか、何度も(まばた)きをしながら、頭の中を疑問符で埋め尽くされているようだった。


「どうどう。落ち着いてアセナ、ね?」


 抱き上げたアセナを下ろして背中を撫でる。

 目を血走らせる豚の獣人は、憤懣(ふんまん)やるかたない面持ちで穣司を睨む。その姿は長年募らせた私怨を晴らさんと言わんばかりだ。

 だが、間違いなく初対面。見ず知らずの人間に、ここまで憎悪を燃やさないだろう。密漁者に向ける怒りだけとは思えず、どのような禁忌に触れたのだろかと穣司は考え――そして聞くのが早いと判断する。


「あの、怒っている理由を教えてもらえませんか。そんなに薬草を採ろうとしたのが(まず)かったですか? 俺は一応、森の調査にきた冒険者なんですが」


「ボウケンシャ!? ********、********。*******!!」


 冒険者という単語が引き金になったのか。

 片言で叫んだ後に、意味の分からぬ言葉で喚き立てる。

 方言が強いのか。あるいは言葉が通じないのか。

 国内で言語が統一されていない国はままあるし、人魚の少女から得た獣人語が通じなくても仕方がない。リリアンヌのように親交を育み、言葉を覚える悠長さはないだろう。


 ただ――涙を溜めながら厳めしい形相を向けられてしまえば、豚の獣人がこの世の不条理に、憤怒を撒き散らしているようでもあり、慟哭しているようにも感じられた。まるで大切な誰かを奪われたかのような……。


(何があったんだろう。でも無理に言語を習得するわけにはいかないか。……この怒り具合はまるで復讐みたいだ。冒険者と何かトラブルがあったのかも)


 たとえ言葉が通じたとしても、会話になる状態ではない。能力(ちから)を使って言語を引き出だしたとしても意味を成さないだろう。火に油を注ぐような結果が待っているとしか穣司には思えなかった。

 豚の獣人から向けられているのは敵愾心。いきなり殴り掛かる程の強い感情に囚われている。その原因に心当たりはなくとも、その感情に囚われた時の心情は理解できる。

 だからこそ反撃という文字は、頭の片隅にすら浮かんでこなかった。正当防衛もない。かすり傷すら負わないのだから必要がない。

 ただし豚の獣人が嗜虐趣味で殴りかかる者ならば、正当防衛も辞さないつもりだった。生きる権利を一方的に侵害する輩は、穣司には許容できない。だが、この豚の獣人にはその気配がなく、ただ怒り狂っているようにしか見えなかった。

 ならば穣司に取れる手段は一つだけ。敵ではないと示すことだけである。


『落ち着いて……というのは無理があるかもしれませんが、どうか落ち着いてください。……貴方は何故そんなに怒っているんですか?』


 先住民ならば……と穣司の知りうる最も古い言語で尋ねる。

 しかし豚の獣人は驚愕したかのように目を見開き、そしてすぐに訝しむように眉を顰める。

 言葉を発しなかった。穣司の目には幾分か冷静さを取り戻したようにも見えたが、警戒は色濃くなっている。

 棍棒を握り締める拳には力が込められたままだ。

 穣司はそれを確認しながら豚の獣人に向かって進む。

 棍棒が再び振り上げられるよりも速く踏み出し、そして穣司は豚の獣人を抱き締めた。


 より正確に表現するのなら、喧嘩の仲裁に入るような形で、正面から抱き締めて、獣人の男の両腕ごと塞ぐ。

 強引に押さえ込んでは逆効果だと、すぐにでも振りほどけるような強さだ。力任せでは余計な反発を生むだろう、と。


『俺は敵ではありませんよ。その傷だって治します』


 穣司は続けざまに魔法を行使する。

 胸の内で「治れ」と念じながら、宥めるように背中を軽く叩く。

 金色の粒子に包まれた獣人の身体は、何事なかったかのように快復し、脇腹の黒痣を消え去った。欠けた耳は元の姿に戻る。


(これで落ち着いてくれるといいけど……)


 手を放した穣司は数歩下がり、豚の獣人を様子を窺う。

 狐につままれたかのように、彼は現状を理解していない様子だ。攻撃をした相手から治癒されるとは思っていなかったのだろう。自身の身体の確認しながら、脱力感に襲われたのか尻餅をつく。棍棒が地面に転がった。

 信じれないものを目にした、と言わんばかりの視線が穣司に向けられた時、穣司に背後から声がした。


「……ジョージさん、そのオークは?」


『その人はどうしたんですか?』


 声の主はリリアンヌ達だ。後ろからついてきて欲しいと頼んだのだから、彼女に声を掛けられても不思議はない。

 しかし険のある表情で、腰に携えた剣に手を伸ばしていることに穣司は戸惑う。

 その姿は儚げな少女ではなく、歴戦の剣士の姿。あどけなさの残る目が据わり、命の奪い合いをする覚悟が宿っている。


「あ、いや、何でもないよ。それよりも彼と知り合いなの? オークって呼んでるけど」


「種族の名前です。人型の魔物と……呼ばれて、その……」


 リリアンヌは言い淀む。


「え? この人が魔物の扱いを? ……でも、なあ。どう見ても……」


『豚さんですか?』


 コロと顔を見合わせて、お互いに首をひねる。

 犬猫だけでなく虎やゴリラの特徴を持つ獣人もいる。ならば豚の獣人がいても、なんらおかしくはない。


(豚の獣人っぽいのに人間から魔物として扱われているのかな。だから殺られる前に殺れって感じで、俺に襲い掛かったってこと?)


 考えを巡らせていると、オークと呼ばれた種族の男が起き上がる。棍棒をを手して、後ろに飛び退いた。

 穣司とリリアンヌだけでなく、アセナと牙猫を威嚇するように無言で睨む。その有り様にリリアンヌが剣を抜き、穣司の前へと踏み出した。


「いきなり襲い掛かるのですから、この男が人であろうとも悪でしょう。あろうことかジョージさんに武器を向けるとは、許されるものではありません」


 リリアンヌは吐き捨てるように言った。

 おそらく大切な同志を守ろうとしているのだろう。リックスブリックスのように弱者を守る為でもある筈だ。


(ああ……格好良いな)


 悪と見なした敵に立ちはだかる姿は凛々しく、今までもこのように誰かを守ってきたのだろう考えると、穣司は胸が熱くなる。場違いにも甚だしいが、喝采を送りたくなっていた。


「ありがとう。でも、大丈夫だから」


 穣司はリリアンヌの肩に手を置き、安心させるように微笑みかける。


「――っ! いや、その……で、ですが……」


 目が合ったリリアンヌは頬を紅潮させていた。

 怒りで血が上っていたのだろう。だからこそ穣司は彼女とオークの間に割って入り、柔らかな声調をリリアンヌに向ける。


「気持ちは凄く嬉しいよ。俺みたいな奴は弱そうだろうし、そうやって守ろうとしてくれるのは本当にありがたい」


「えっ!? い、いえ、そのようなことは、決してっ!」


「はは、気を遣ってくれるんだね。……でも、大丈夫だから心配しないで。その剣は他の誰かや、自衛の為に使ってくれると嬉しい」


「……は、はい」


「それにさ、このオークさんも怖いんだと思う。こっちは複数だけど、彼は一人だからね。言葉だって通じないから、武器を構えるしかないんじゃないかな」


「失礼しました。私が先走ってしまい、申し訳ありません」


 リリアンヌは恥じるように納刀する。


「いやいや、そんなことはないよ。きっとリリアンヌが正しいんだと思う」


 (ことわり)から外れた肉体だからこそ、丸腰でいられるだけだ。本来ならリリアンヌの反応が正解だろう。武器を構える者と相対するなら、武器を手にするしかない。

 もしも自分が普通の人間だったのなら、彼女のような反応を取っただろうか。おそらく足が竦んで立ち向かうことすら難しいのではないか。穣司はそう考えるとリリアンヌの行動を否定できなかった。無抵抗主義がまかり通る筈がない。


「※※※、※※※※※※※※? ※※、※※※※※※」


 依然として通じない言語でオークが言う。

 声調で判断するなら、怒気は薄れている。緊張が柔らいだのか、棍棒を握るオークの手から力が抜ける気配があった。


 そして構えが解かれると、オークは膝を突き、勢いよく頭を大地に叩きつけた。

 衝撃で額を割りながら、オークは平伏している。

 出血を伴う土下座など見たことがなかった。穣司としても、そんなものを欲しておらず、突然のことに狼狽える。


「ちょ、ちょっと! どうしたんですか、血が出てますよ」


 能力(ちから)を使おうと、慌てて駆け寄る。

 だが、癒すよりも先に、オークに足を掴まれ、泣き縋られた。助けを乞うような姿である。攻撃を仕掛けられた相手から、懇願されるなど予想の範疇を超えていた。その真意が分からず、穣司は頭を悩ませるしかない。


(やっぱり通じる言語が必要か。……でも、魔法で言語を覚えるのは一般的じゃないだろうし)


 魔法による言語修得が、この世界の常識なのか不明だ。誰一人として行使しているのを見たことがなく、リリアンヌの前で見せられるものなのか分からない。


 だが、それが何なのか。

 平均的な魔法ではないとして、そんな体裁が必要あるのか。


(いや、俺がどう思われるなんて、気にしている場合じゃないか)


 躊躇(ためら)いに蓋をする。

 普通の旅人として、ごくありふれた出会いをし、そして親交を深める。そんな自己満足はこの状況で求めるものではない。必要なのは事態を知ること。その為にも言語修得は最優先事項である。


 穣司はオークに触れようと手を伸ばす。

 だがオークは後ろを振り向き、茂みの奥に指を差した。それっきり項垂れて、額を地面に擦り付けて動かない。


「……何かあるんですね」


 リリアンヌ達を一瞥する。成り行きを見守っているのか、動く気配はないが、警戒は怠っていない。

 これなら彼女達が襲われる心配はないかと、穣司は茂みの奥に進み、そして絶句する。


「なっ――」


 全身が粟立った。

 動悸が速まり、呼吸が乱れる。

 失ったはずの危険察知能力が、直視するなと警鐘を打ち鳴らす。が、それでも目を逸らせない。

 何故こんなことになっているのか。誰がこんな仕打ちをしたのか。


「なんでこんな……」


 子供を抱く母親らしきヒトがいる。

 穣司には初めて見る種族だ。オークと同じように肌は緑がかっているが、豚の特徴はなく、類人猿に近い。

 女性の両目は窪んでいた。血涙を流した痕があり、二度と光を映すことがないと一目で分かる。削がれた両耳の穴からは出血した痕が残り、鼓膜を損傷したかのようだ。

 それでも何者かが近づいたと察知したのか、子供を守ろうと強く抱きしめ、背中を向けられる。その震える姿は「どうか見逃してください」と言われたようだった。


「こ、子供……足が……」


 抱えられていた子供は虚ろな目をしていた。焦点は合っておらず、命の灯火が消えかけている。

 太腿から下が失われ、巻かれた布切れからは、鮮血が溢れ出そうとしていた。

 その姿に心が疼く。


 人為的な傷だ。

 明確な悪意がそこにはある。

 子供が命を奪われようとしている。

 腕の中で最期を迎えようとしている。


 追体験をしているようで、どくりと鼓動した。

 穣司の腕の中で息絶えるような錯覚が起こる。

 元の世界での記憶。夢を奪われ、失意の中で死んでいった少年の最期が鮮明に甦る。


 心の奥深くにある二つの古い傷痕。よりによって大きな瘡蓋(かさぶた)が剥がされ、落ちかける。

 腹の底が煮えたぎり、出血を伴う心的外傷が開こうとして――


 雑音(ノイズ)が入った。


 異世界と元の世界。その二つの映像が重なり合う前に、無彩色の砂嵐が巻き起こる。

 ザーザーと異音が頭の中で反響していた。

 記憶を辿る糸が途切れ、フラッシュバックに遮断装置(ブレーカー)が落とされる。


 ――ごめんなさい。


 聞き覚えのない声が聞こえ、感情が唐突に抑制された。

 氾濫する記憶に封をされ、自己防衛機能が働いたかのように心が凪ぐ。記憶から感情が切り離され、難解な数式の羅列を見ているような感覚が広がった。解くに気にもならなず、感傷も消失して、我に返る。


 誰の声だと考える暇はない。

 目の前には死に瀕した子供がいる。

 視覚と聴覚を奪われた女性がいる。

 ならばやるべきことは決まっていた。


「もう……大丈夫だから。絶対に助かるから」


 穣司は親子を抱き締め、強く念じる。

 その瞬間、神如き力が迸った。

 癒しの風が巻き起こり、大地は光の奔流に飲み込まれる。木々を激しく揺らし、夕暮れの空を煌々と照らし、雪のように大地に降り注ぎ続けている。

 それに加えて脳裏には、覚えのない情景と記憶、そして言語が雪崩となって押し寄せていた。


 日頃から力を抑えているからこそ、ここぞとばかりに噴き出していた。もはや体裁など穣司の頭にはない。そんなものに何の価値があるのかと言わんばかりに、能力(ちから)を注けば、効果は目に見えて分かる。


 この場において、傷を負った者はいなくなった。

 最初から怪我などしていなかったと錯覚するかのように、親子は取り零しなく完全に癒えている。


(ああ、そうか。この親子が……ゴブリンなんだ)


 授かった能力(ちから)は強く念じる程、効果は大きいのだろう。ただし治癒だけではなく「何があったのか」とも強く念じていた。それだけでなく、お互いの言葉を理解し合えなければならないと願ってしまっていた。


 だからこそ効果が覿面(てきめん)過ぎたのだろう。

 ゴブリンの親子が歩んできた人生や文化。棍棒を振り回すオークの男の過去。そしてこの森で何が起こっていたのか。

 それらの光景を本人達の許可もなく、特等席で堂々と覗き見してしまえば、穣司は罪悪感に苛まれる。


(くそ……最低だ。俺が念じたから、この人達の過去を見てしまった。これじゃあ能力(ちから)を悪用したのも同然じゃないか)


 傷を治したとはいえ、他人の心を見るのは、許されるものではない。言い訳などしようもないが、だからといって「貴方の記憶を拝見しました」と言えようもない。


「あ、あの……なんで……」


 完治した瞳を潤ませるゴブリンの女性が声を震わせていた。その言語は完璧に理解している。名前はマイロモクスと呼ばれている、と彼女の記憶から知り得ていた。子供の名はベックスドリックスだ。


「えっ……? あっ!」


 抱き締めたままだったことをようやく思い出して急で離れる。罪の意識に羞恥心までもが加わった。


(うわあ……俺は何をやっているんだろう。いくらなんでも人妻を抱き締めるなんてどうかしてる。……よりにもよって見た目が人間の俺がやったら(まず)いのに)


 緊急事態だったとはいえ、傷を癒すのに身体に触れる必要はない。彼女には子供がいるのだから人妻だ。そうでなくても視力を失った女性を、突然抱き締めるのは、許しがたい蛮行であり、悪徳である。それに彼女達の境遇を考えれば、人間の外見をした者から、触れられるのは恐怖だろうと穣司は自省した。


「ごめんなさい」


 妙に懐かしさを覚える声が耳に残っていた。だからというわけではないが、穣司は素直に非礼を詫びる。

 けれどマイロモクスは呆けたまま言葉を失っていた。子供のベックスドリックスも同様で、オークのザッグダレッグも呆けていた。リリアンヌは眩しいものを見ているかのような面持ちだ。コロはいつも通りの愛らしい笑顔を浮かべている。牙猫と目が合うと、頷いたような動作を見せた。だが、誰も言葉を発せず、鳴き声もあげない。


(うう……。謝って許されるものではないか。それにこれは驚かれても仕方がない)


 辺りに目をやれば世界は光に溢れていた。


(こんなにキラキラした光を出す人はきっといないだろうし。まあ……自己責任なんだけど、って考えてる暇はないか)


 見苦しく弁解する余地はない。

 それに時間を割く余地もなかった。

 調査とは別の理由で、森に入る理由ができていた。翌朝になってから調べるのでは遅く、直ぐにでも赴く必要がある。それは穣司だけでなく、ゴブリンの親子とオークの男だけでもなく、リリアンヌにも関係していることだ。

 恩人がこの森で難境に直面しているのだ。リリアンヌと共に救援に駆けつけるしかない。だが、ゴブリンの親子とザッグダレッグを放っておけず、コロや牙猫とアセナに留守番させるのは心許ない。


 どうするべきなのか。何が正しい選択なのか。

 悩む時間はなく、焦燥に駆られそうになった、その時。

 地平線の向こうからやって来る存在に笑みが溢れた。

 いつだって可愛い動物は、穣司の心に癒しを与えてくれ、安心感をもたらせてくれる。そして頼もしい彼の姿もあった。

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