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『後日談』の1

《 ご注意 》

後日談から読むと、壮絶にネタバレです。

なるべくは、第1話から呼んでいただきたい所存。


    ###

 「いざ、ジンジョーに!体育祭でショーブ!」

 「……体育祭?」


 昼休み、ここは学校の校庭。俺はエリザベス先輩に挑戦状を叩きつけられている。あ……俺、友世です。何があったのかと簡単に説明すると、俺が『この調子なら、体育祭で俺たちが優勝だな。わはは』なんて軽い口を聞き、それを運動部名誉先輩のエリザベス先輩に聞かれてしまった経緯からである。


 「えっと……そりゃさ。いいですよ。でも、勝負ってったって……」

 「もしもし万が一、私のチームが負けることあれば、なんでも言うこと聞きます!そういう意気込みだ!」

 「……俺が負けたら?」

 「バレーボール部に入って、ソツギョーまで文句も言わずにレンシューをしてもらってもらうわよ!」


 この高校のバレーボール部と言やぁ、授業が終わったが最後、夜8時までビシビシ練習。次の日も朝の5時から練習。土日も一日中練習という、学校の部活でナンバー1の熱血集団だ。エリザベス先輩にしごかれるのは満更でもないけど、あの人も今年で卒業だし……俺の恋愛街道が閉ざされるのは間違いない。


 「ということがありまして……親友。どうしよ……」


 思わずクラス全体を巻き込んでしまった訳で。教室に戻った俺は、友達の照也に相談を始めた。


 「友世。お前……この間まで、生徒会長と仲良くしてなかった?」

 「うん……生徒会長とも、それなりに会ってるよ」

 「……これ、完全にエリザベスさんのストーリールート入ってるよな?」

 「……だな」


 入学してからというもの、生徒会長とは何度か問題を起こしたり、2人きりになったりはした。ただ……ただ……。


 「だってエリザベス先輩、お胸が……」

 「解るけど……そう言いつつ、俺の彼女の胸部を見るな。ぶっとばすぞ」


 だって、エリザベス先輩は推定バスト95センチもあってさ。練習風景を見に行くと、もう……バインバインで、すごいのなんのだ。何かと理由をつけて見に行っていたところ、俺自身も知らない内に親密度が上がってしまったらしく、今回のストーリーイベントが発生したみたいな。


 「照也。私の胸が……どうした?」

 「いや、ゼロさんはいいんですよ。正直、俺は胸元、あんまり重視してないので……」


 照也の彼女さん……ゼロさんという名前で、俺たちと同じクラスだ。俺の視線を気にして、彼女は自分の胸に手を当てている。胸は程よい大きさで、いい形なのだけど……親友の彼女をいやらしい目で見るのは人としてダメなのは言うまでもない。俺は照也とゼロさんに謝りつつ改心した。そういえば……。


 「そういや……隣のクラスに、ゼロさんに似た人いない?あの人、誰か知ってる?」

 「私の双子のお姉さん……と聞いている。私も、この世界に来て、初めて会った」


 照也の彼女さんと全く同じ顔、背格好の人……レイナさんっていったかな。たまに廊下で見かける人なのだが……そうか。双子だったのか。なら似てるわけだ。本人すらレイナさんとの関係性がよく解ってないのは、なんか今の世界になる前に色々とあったらしい。


 「楽しそうだな。どういった話をしているんだ?」


 俺たちが何か相談をしていると見て、クラスメイトの麻双太郎まそうたろうが声をかけてきた。彼は非常に情報通で、適当に質問すると、適当な答えをくれるいいやつなのだ。俺は1年生だから、体育祭も今年が初めて。その辺りついて、少し聞いてみようかな。


 「なあ、太郎。この学校の体育祭って、どんななんだっけ?」

 「ああ、うん。面白いよ。でも、ちょっと変わってるかな。別名、私立メモリーヶ丘高等学校名物・死の体育祭」

 「……別名を聞いただけで、もう不穏だぜ」

 「この学校は各学年、1組から4組まであるのだけど、組ごとにチーム分けされて、総合得点を競い合うんだ」


 ということは……俺たちは1年1組だから、2年1組と3年1組は仲間ってことだよな。なるほどなるほど。


 「剣道、野球、ビーチフラッグ、ビーチバレー、なんでもありの体育祭なのだけど……」

 「なんで学校にビーチがあるんだよ……」

 「まあ……僕は、パン食い競争に出たいな」


 パン食い競争あるのか。できれば、俺もそれがいい……。


『後日談』の2へ続く

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