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短編・エッセイらしきもの

少女ノ日記

作者: 本谷文途

たぶんホラー。

 八月 二十四日 (土) 晴れ。


 今日は、お母さんとお父さんと、海に行きました。

 海は青くて、とてもキレイでした。

 砂浜はサラサラで、太陽の光に輝いていました。

 遠くでは船が浮いていて「お客さんが乗っているんだよ」と、お父さんが教えてくれました。

 

 私は泳げないので、砂浜でお母さんと一緒に砂のお城を作りました。

 ちゃんと大きくて、リッパなお城です。

 窓も作りました。

 でも、途中で大きな波が来て、お城を飲み込んでしまいました。

 それがちょっと悲しかったです。


 お昼は、パラソルの下でお母さんの作ったサンドイッチを食べました。

 ハムにチーズ、トマトにレタス。いろんなサンドイッチがあったけど、私はハムとチーズのサンドイッチが好きです。


 お昼の後は、お父さんと一緒に浅瀬を散歩しました。

 散歩する前に、お母さんとお父さんが「本当にやるの?」「あぁ、もう決心はついた」とよくわからない話をしてたけど、きっとこの前言ってたサーフィンのことだと思います。


 浅瀬には、プカプカと丸いのが浮かんでいて「それはクラゲだ」とお父さんが教えてくれました。

 可愛かったので触ろうとしたら、お父さんが「毒を持っていることもあるから、触っちゃダメだぞ」と言ったので、触りませんでした。


 少し歩いてから、お父さんが「海に入りたいか?」と訊いてきたので、入りたい! と答えました。

 でも、泳げないので、お父さんと手を繋いで入りました。

 初めて入った海はやっぱりキレイで、気持ちよかったです。


 入ってから少しして、お父さんは「海には塩分があって、誰でも浮けるんだぞ」と言って、私の手を離しました。

 私はお父さんの手を懸命に掴もうと手を伸ばしましたが、そこはもう私の足の付かない所で、お父さんはばたつく私を無表情で見つめているだけでした。


 口の中に海水が入り、しょっぱいなと思いました。

 でも、そんなことを考えてられたのは、数秒だけでした。

 薄れゆく意識の中、私は沈んでいくのを感じました。

 お父さんは嘘つきだと、その時思いました。


 私はこれから、お父さんとお母さんに会いに行こうと思います。

 それで、一人は寂しいので、お父さんとお母さんも連れて行ってあげようと思います。



 イいヨね? だッテ、私ノお母さんトお父さんダモんネ──




少女はきっと、寂しくない──


よければ他のも読んでってください(^^)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすいところです。 [一言] 題名に惹かれて読みました。 とても読みやすくて面白かったです!
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