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家に帰るとプレゼントが待っていた。
俺が欲しかった本とバスケットボール。
ちらっと義兄貴を見ると案の定進言したようだ。
でもここは義父さんに礼を言っておこう。
思いっきり作った笑顔でありがとうと言うとホッとしたように笑い返してきた。
やっぱこいつわかってねぇな。
自室に戻ろうと二階に上がると後ろから来た義兄貴に声をかけられた。
二人で話すときはいつもベランダに行く。
両親に聞かれる心配も減るし、ライトでキラキラしたビルや星空を見るのは昔から好きだったから。
「誕生日おめでとう。」
「ありがとう。なんか色々やってもらっちゃったみたいだな。」
俺のためなんかにここまでしてくれる人は父さん以外に知らない。
そう思って気づいた。
義兄貴って父さんに似てるんだ。