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第6話:あるアイデア。

勇樹と由紀はだまったまま、詠美のあとに着いていった。しばらくして詠美が二人にしゃべりかけた。


「由紀は勇樹くんのことをどう思っているの」


「それは、わたしのことをまもってくれるやさしいお兄ちゃんですが」


「でも、わたしの見た感じでは立場が逆転しているみたいなような気がするの」

「僕と由紀が逆とはどういう意味ですか」


「由紀は勇樹くんの事を、年下の女の子のように接するから。由紀が姉で勇樹くんが妹みたいなような気がするの」


詠美の指摘に二人は言葉を失った。確かに勇樹は家の中では、女の子になって由紀の妹として過ごしていた。

勇樹は家族から年下のようにあつかってくれるのがとてもうれしかった。由紀も勇樹を兄としてでなくて、妹としてあつかうことに喜ぶを感じた。

でもそんな二人の関係を詠美はズバリと当ててしまった。二人はふたたび黙り込んだ。

三人が歩いていると、大きなマンションが見えた。そのマンションを指差して詠美はいった。


「あれがわたしの家」


勇樹と由紀は、詠美の家であるマンションに入っていった。

マンションの中にあるエレベーターを使って詠美の家に向かったが、エレベーターがとまったのは最上階の所に止まった。

エレベーターのドアが開くと、そこが詠美の家だった。


「とりあえず、その辺に座ってくれるかな」

「わたし、家に電話しないと」


「左をまがったら電話があるから」


詠美に電話のある所を聞いて、由紀は部屋から出ていった。詠美も何か飲み物をもってくると言って、部屋から出ていった。

部屋には勇樹だけしかいなくなった。

飲み物をもって部屋に戻ってきた詠美は、キンチョーしている勇樹をみてほほ笑みを浮かべた。


「そうかたくならなくてもいいのよ」


詠美は勇樹に言った。

電話を借りた由紀が戻ってきた。

由紀は詠美に電話を借りた礼をした。


「そんな事はいいのよ。でも、あなたたちはどうしてこうなったの」


「それは先輩、どういう意味ですか」


「見たとおりのことよ」


「それは僕が、家では女の子になって生活をしているのがわかったからですか」

「勇樹くんは家では女の子なんだ。知らなかったわ」

それを聞いて、勇樹はしまったと顔をした。


「ばれたみたいよお兄ちゃん」


「ねぇ由紀、どうして勇樹くんが女の子になったのか聞かせてくれないかしら」

由紀は今までの事を詠美に話し出した。

その話を聞いた詠美は勇樹を見た。

勇樹は恥ずかしそうに顔をふせ、そのしぐさは女の子そのものだった。


「勇樹くんはまるでホンモノの女の子みたいね」


詠美はあるアイデアが浮かんだ。


「明日、勇樹くんを女の子にさせるわ。楽しみにしてね」


勇樹と由紀は、詠美の言葉の意味がわからなかった。


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