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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第四章:TOP4と優汰の日常

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幕間:瑠音の本心

 ……本当に、優汰(ゆうた)様は優しすぎですわ。

 犯罪者にまで情けを掛けようとするなんて。

 まあ、この純粋さこそが私達(わたくしたち)を惹きつける魅力なのでしょうけれど。


 窓の外を眺めながら、(わたくし)は高鳴る鼓動を抑えるのに必死でしたの。

 だって、(わたくし)優汰(ゆうた)様、二人だけの秘密ができたのですもの。


 勿論、あの男の一件を秘密にしたいのは、(わたくし)も同じ。

 沙和には悪いけれど、知らない方が良い真実というものは絶対にあるもの。


 だけれど、それ以上に秘密にしておきたかったこと。

 それは勿論……優汰(ゆうた)様が、(わたくし)のことを抱きしめてくださったこと。


 あの方が(わたくし)をぎゅっと抱きしめてくださった瞬間、心臓が飛び出るかと思いましたわ。

 しかも、悔しそうな言葉は、間違いなく(わたくし)を気にかけてくださっている。


 ……嗚呼。

 あの夢のようなひと時こそ、(わたくし)のこれまでの人生でもっと幸せだったと言っても過言ではありませんわ!


 全身に感じる優汰(ゆうた)様の熱。

 耳元に届くあの方の素敵な声。

 ほんのりと感じた素敵な汗の香りもまた、(わたくし)にとっては優汰(ゆうた)様を間近に感じさせる麻薬のようなもの。


 あの時の(わたくし)はもう、神が与えし世界から抜け出せなくなるところでしたわ。

 面条の言葉がなかったら、(わたくし)は自分を抑えられたかすら怪しかったですもの。


 なかったことになどしてほしくなかったのも、あの男の過ちと共に(わたくし)との想い出もなかったことにされたくなかったから。

 優汰(ゆうた)様が(わたくし)を抱きしめてくださったことまで忘れてしまう。それは流石に耐えられなかったからこそ、咄嗟にあんな言葉を口にしていたわ。


 ただ、面条の言う通り、優汰(ゆうた)様がお困りになられていたのだとしたら……。

 その先を想像した(わたくし)は、その先の未来を想像しゾッとしましたの。


 もし、(わたくし)優汰(ゆうた)様に嫌われるなどあれば、もう(わたくし)は生きていく糧を失ってしまう。

 だからこそ咄嗟に離れましたけれど……(わたくし)は、本当に優汰(ゆうた)様に嫌われていないかしら。

 もし嫌われていようものなら……。


瑠音(ると)さん」


 そんな不安な気持ちになっている最中(さなか)。突然届いたあの方の呼び声に、(わたくし)は内心ギクリとしてしまう。


「何かしら?」


 緊張する気持ちを押し殺し、普段通りを心がけそう返す。

 ちらりと横目で見た優汰(ゆうた)様の表情は、どこか自然に見えますわね。


「えっと、そういえばこの後、僕達はどこに行くの?」


 ……ほっ。そちらの疑問だったのね。

 あの方の言葉に、(わたくし)は心底ホッとしましたわ。

 確かにまだその話については何もお伝えしておりませんでしたもの。疑問に思っても当然。


 ですが。


「それは着いてからの楽しみよ。今は大人しく待ちなさい」


 (わたくし)はそう言って、優汰(ゆうた)様の質問への回答を濁しましたの。

 勿論、真実を伝えるのは簡単。ですが、それでは驚きも薄れてしまいますものね。


「そ、そっか。わかったよ」


 どこかすっきりとしない顔を見せるあの方に、(わたくし)の心が強く痛みましたけれど、恋とはより大きな衝撃があってこそ、より強く印象に残るもの。

 (わたくし)優汰(ゆうた)様に自身のことをより強く印象付けたい。だからこそ、心を鬼にしなければ。


 未だ拭えぬ不安。それでも、(わたくし)はそれを覚悟で抑え込み、目的に着くのをじっと待ちましたわ。


      ◆   ◇   ◆


「うわぁ……」


 窓際に立った優汰(ゆうた)様が、眼下を見下ろし驚きの声を上げる。

 きっと、そこに映った夜景に衝撃を覚えたに違いないわ。

 あの方の背後からその姿を眺めながら、(わたくし)はしてやったりの気持ちでおりましたの。


 あれから十五分ほど夜道を走り続け、私達(わたくしたち)がやってきたのは、都心の一等地にある三十階建てのビルの最上階に位置する(わたくし)の別宅。

 優汰(ゆうた)様はダイニングの奥。窓に隣接したテーブル側に立ちしばらく外を眺めておりましたの。


瑠音(ると)さんって、普段からここに住んでいるの?」


 優汰(ゆうた)様はがこちらに振り返りそんな質問をする。


「いいえ。普段は本邸に住んでいるのだけれど。貴方(あなた)の帰りのことも考えれば、こっちのほうが近いと思ったのよ」

「そうなんだ。それで、その……ここで、何があるの?」


 流石に、そろそろこの質問にもきちんと答えないといけませんわね。


「いえ。お弁当箱を預かるついでに、一緒に夕食でもと思ったのよ」

「え? で、でも、それじゃより食費が──」

優汰(ゆうた)貴方(あなた)は対価の事を忘れたのかしら?」


 予想通りの言葉を遮り、(わたくし)切り札を口にする。


  ──「私達(わたくしたち)が望む対価は至って単純よ。これからも学校以外の場所で、私達(わたくしたち)と逢ってくれればいいわ」


 今回の件で(わたくし)優汰(ゆうた)様にそう伝えましたわ。

 勿論、頭の良いあの方のこと。この言葉を忘れているはずございませんわね。


「そ、それは、わかってるけど。やっぱり、迷惑をかけてるような気がして……」


 こちらの発言に、少し表情を曇らせる優汰(ゆうた)様。

 それが(わたくし)の心をぎゅっと締め付けますわ。

 だけれど、これも少しでも多くあの方との時間を過ごすためですもの。


「こんなもの、ファンタジー・フォレストの頃と同じよ。貴方(あなた)が困っているからこそ、(わたくし)は助けになりたいだけ。それに、何より(わたくし)貴方(あなた)と過ごす時間を少しでも長くしたい。そう思っているからこその対価だもの。だから、言葉に甘えなさい。毎回は避けたいというのなら、今日だけでも構わないのだから」


 本当は、毎週でもこうしたい気持ちは山々。

 だけれど、あまりのしつこさに優汰(ゆうた)様に嫌われては元も子もないわ。

 だからこそのドア・イン・ザ・フェイス。あの方に通じれば良いのだけれど……。


 神に祈る気持ちで様子を窺っていると、優汰(ゆうた)様は小さくため息を漏らすと、仕方ないと言わんばかりの顔でこう口になさったの。


「……わかったよ。ただ、今回だけっていうことはないけど、毎週は避けてもらってもいいかな? そこまでされちゃうと、流石に僕も申し訳ないと思っちゃうし……」


 ……嗚呼、優汰(ゆうた)様はやはりお優しいわ。

 (わたくし)の気持ちを汲み、このような妥協点を見出してくださるんですもの。

 勿論。(わたくし)にとって、その申し出に不満などあるわけございませんわ。


「ええ。それでいいわ。ありがとう。優汰(ゆうた)


 (わたくし)が感謝の気持ちを伝え微笑むと、あの方もまた小さく微笑みを向けてくださる。

 ……素敵、素敵ですわ。

 あの髪の裏の顔まで(わたくし)には想像できてしまうからこそ、気持ちの高ぶりは相当なもの。ですが、ここで取り乱すわけにはいきませんわね。


「では、ちょっと着替えてくるわ。貴方(あなた)はそこに座って待っていなさい」

「うん。わかった」


 (わたくし)は気持ちが顔に出そうになるのを見られないよう、そう言って踵を返しその場を後にしましたの。

 この先の彼との二人きりの時間に、胸を高鳴らせながら。

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