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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第四章:TOP4と優汰の日常

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第6話:千麻の作ったお弁当

 朝の一件はあったけど、それを除けば普段通りに時間は過ぎ、気づけば四時限目の授業も終わりお昼休みになった。


 千麻(ちあさ)さんの周りにはまた女子生徒が群がり、周辺の席をくっつけてお昼を食べる準備をしている。

 彼女はあれだけ大勢の生徒に囲まれても、普段通りの物静かで温和な雰囲気を崩さず接している。


 前に男子の誰かが『立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合の花。そんな言葉がここまで似合う女子、初めて見たぜ』なんて言ってたけど、確かにこうやって見ると僕もそう思う。

 実際に話した後だと、ちょっとイメージが違ったりする時もあるけど。


 さて。そんな事より、僕もそろそろお昼にしようかな。

 普段なら教室でご飯を食べるところだけど……。


 机の脇に掛けていたリュックから、恐る恐る取り出した、千麻(ちあさ)さんお手製のお弁当。誰が作ったかなんてみんなわからないとはいえ、流石に教室でこれを広げるのは緊張する。


 とりあえず食堂の方にでも行こうかな。

 僕はお弁当を両手で抱えると、賑やかな教室を離れ、一人学食に併設されている食事スペースへと向かうことにした。


 途中に見える別の教室もまた、中は賑やか。

 クラスメイトらしい沙和さんと喜世(きよ)さんが多くの男女に囲まれながら楽しげにお昼を食べていたり。

 別のクラスでは瑠音(ると)さんはいかにもお金持ちっぽい雰囲気の男女と、落ち着いた様子で食事したりしている。


 彼女達に気づかれることもなく、僕は廊下を通り過ぎると、二階と一階を繋ぐ階段を降りていく。

 ……みんなの周囲にいたのは、イケメンや美少女ばかり。その誰もが僕なんかより輝いて見える。

 それなのに、何故みんなはシャインズ・ゲートで、僕の素顔を見て照れてたんでだろう?

 今みたいに自然に接するのなんて難しくなさそうだけど……。


 そんな疑問を抱きつつ歩いているうちに、無事食事スペースに到達した。

 えっと、空いている席はっと……あ。あそこにしよう。


 僕は目に付いた窓際で横一列に座れる席のひとつに向かうと、そのまま腰を下ろした。

 窓から入る日差しで結構明るい場所が、普段教室の隅で昼食を食べているときより気分を明るくしてくれる。

 普段はクラスの中で食べてるから、前庭の花壇や木々が見えるこの光景は新鮮でいい感じだ。


 さて。

 千麻(ちあさ)さんの作ってくれたお弁当、どんなのなんだろう。


 手に持っていたお弁当を机に乗せると、僕は一旦左右を確認する。

 一席分空けて座っている他の生徒達。右側は友達と談笑している男子二人。

 反対は一心不乱にコロッケパンを頬張っている男子が一人。


 ……こっちを見てはいないかな。

 って、一人でこんなに不安になってたら駄目だよね。

 人の目を気にしすぎてると、逆に目立っちゃいそうだし。


 でも、妙な後ろめたさを持つのは仕方ないよね。

 千麻(ちあさ)さんお手製のお弁当を食べるなんて、どれだけの生徒が経験しているかもわからないし。

 こんな機会があったなんて知れ渡ったら、間違いなく羨ましがられちゃうし。


 とにかく、平常心でいこう。

 静かに深呼吸した僕は赤い布を解くと、中から出てきたシリコン製の四角い弁当箱ふたつと箸箱を並べて横に置く。

 じゃあ、まず上にあったお弁当から開けてみよう。

 ゴクリとつばを飲み込んだ後、僕は意を決してお弁当を開けてみた。


「……うわぁ……」


 って、声出ちゃってるじゃないか!?

 慌ててまた周囲を確認したけど、左右どちらの生徒達もさっきまでと変わりなく、こっちに目もくれてない。


 ほっ。良かった。

 思わず胸を撫で下ろすと、僕は改めてお弁当の中身を見た。


 改めて見ても、やっぱり凄いなぁ。

 半分のスペースにどんっと置かれたのは美味しそうな小ぶりのハンバーグは、見たただけで冷凍食品なんかじゃないってわかる。


 残りのスペースに入っているのは、定番の添え物とも言えるじゃがいもとブロッコリー。

 レストランで頼むハンバーグの添え物みたいな組み合わせ。きっとちゃんと食べ合わせとか考えてくれたのかも。


 もうひとつの方は……。

 蓋を開けたお弁当の四分の三を占める、ごま塩を振ったご飯。残りのスペースには千切りの人参が入ってる。

 ぱっと見キャロットラペっぽいけど、酢の独特のツンっとした匂いはしない。


 こうやって並べてみると、すごくバランスよく食事が収まってる。

 これを作るのって結構掛かったんじゃないかな?


 でも、見た目にも本当に美味しそう……そうだ。折角だし、写真に撮っておこう。

 僕は制服のポケットからスマホを出すと、お弁当を写真に収めた。

 

 さて。それじゃあ……。


「いただきます」


 目を閉じ両手を合わせ、千麻(ちあさ)さんへの感謝を形とした僕は、そのまま箸箱から箸を取り出し、お弁当を食べることにした。


 実は、一番気になった惣菜はキャロットラペ。

 あれってレシピの中で酢を使ったりするんだけど、みんなに聞かれた時に答えた通り、僕は酸っぱい食べ物はあまり得意じゃない。

 千麻(ちあさ)さんだったら、僕が苦手そうなメニューは避けてくれそうな気もしたけど、それでも作ってきたってことは何か意味があるのかな。


 箸で細い人参を掴み、恐る恐る口に放り込むと……あ。これ、結構いけるかも?

 確かにキャロットラペだけど、酸味はかなり控えめ。さっぱりとした味とシャキシャキの食感が癖になるし、個人的に美味しいって感じる。


 間にご飯を挟んだ後、次は本命のハンバーグに……うわぁ。こっちも凄いな。

 お弁当だけに冷めてはいるんだけど、それでも美味しいと感じる食感と味。

 トマトソースと肉のジューシーさーがうまく絡み合ってて、この間うちで作ってもらった時と変わらないくらい本当に美味しい。


 付け合わせのじゃがいもやブロッコリーもしっかり茹でてあるし、あっさりとした味付けで食べやすい。

 キャロットラペも含め、濃厚なハンバーグの箸休めとして丁度いいと思う。


 やっぱり千麻(ちあさ)さんって料理が得意なんだなぁ。

 こんな美味しいお弁当を毎週食べられるってすごく贅沢だよね。


 ただ、その分手間も掛かってそうだし、申し訳ない気持ちにはなってるけど、あまりその話ばかりしても仕方ないし、OKを出したのは僕だもんね。

 普段のお昼より少し量が多いけど、ちゃんと食べきらないと。


 普段と変わらない、一人で過ごすお昼休み。

 だけど、僕は千麻(ちあさ)さんのお弁当のお陰で、普段よりどこか幸せな気持ちで過ごすことができたんだ。

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