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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第四章:TOP4と優汰の日常

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第1話:仮想の日常

『食らうかよ!』


 陽の光が筋のように差し込む、やや薄暗い森の中。

 前に見たチャイナドレスっぽい服の袖をはためかせながら、喜世(きよ)さんが僕達の二倍以上の背丈がある巨大な狼の前足での攻撃を、当たるギリギリのところで避け続ける。流れるような動きは、やっぱり流石だし格好いい。


『ここっ!』


 何度目かの攻撃を避け、硬直をさらした所に蹴りかかった喜世(きよ)さん。

 だけど、それは狼の素早いバックステップで避けられた。


『ちっ』

『ここは任せなさい!』


 舌打ちする喜世(きよ)さんの脇を颯爽と駆け抜けていったのは、右手に鋼の片手剣を、左手に鋼の盾を構えた綺羅びやかな瑠音(ると)さんだった。

 狼が彼女を見ると、巨体に似合わない素早い動きでくるりと回転し、刃のような尻尾から衝撃波を放つ。


『ぬるいですわ!』


 間一髪。それを大きくジャンプして避けた彼女は、そのまま上空から剣を突き立てようとする。


 と。そこで狼はそのまま伏せるような姿勢を見せる。

 あ、あれはバインドボイスの姿勢。早く止めないと──。


『はいはーい! 大人しく、しよっ!』


 そのモーションを見た瞬間、迷いなく狼に踏み込んだのは金髪のポニーテールをなびかせ現れた、軽装のダークエルフ、沙和さん。

 流れるような動きでそのまま手に持った皮の鞭を振るうと、狼の顔に鞭を巻き付けぎゅっと縛る。

 うまい! そう思った直後。


『そこよっ!』


 瑠音(ると)さんが流星のように空から舞い降りると、狼の額に見事な一撃を加えた。


「ガァァァァッ!」


 激痛があったのか。思わず二本足で立ち上がり仰け反る狼。

 それを見て、脇に立っていた司祭姿の千麻(ちあさ)さんがキラリと眼鏡を輝かせる。


優汰(ゆうた)君。喜世(きよ)に強化魔法を』

「う、うん!」


 僕は精霊術のファイアーエンチャントを詠唱し、喜世(きよ)さんに掛ける。


『いいぜ優汰(ゆうた)! 千麻(ちあさ)! 足止めを頼む!』

『はい。いきます!』


 まるで炎の化身のように炎を纏った喜世(きよ)さんが駆け出すと同時に、千麻(ちあさ)さんが詠唱したのは黒魔法、ウェイトグラビティ。

 術をかけられた狼は、急に体に重みを感じたせいで、その場に押し付けられる形になる。


 狼の両脇に回った瑠音(ると)さんと沙和さんがそれぞれに攻撃を加えていく中。正面から相手に駆け込んだ喜世(きよ)さんが、走りながら大きく拳を振りかぶる。


『いっけえぇぇぇぇっ!』


 叫びながら狼に踏み込み頭に拳を叩き込むと、一度そこでぴたりと動きが止まった後。僅かな間を置き、衝撃のような波動が狼を貫き、そのまま一気に相手を吹き飛ばした。


 二度、三度ゴロゴロと勢いよく転がった巨大な狼は、そのまま巨木に叩きつけられ、そして──。


「ギャオオオオッ!」


 ──激しい断末魔をあげた狼は、そのまま大地に伏し、動かなくなった。

 狼の体から、ふわりと白いオーラのようなものが現れると、僕達五人それそれに流れ込むように入ってくる。これはモンスターを倒し、経験値をもらった証。


『よーっし! これでクエスト達成っと!』

『いえーい!』


 喜世(きよ)さんは腕を組みウンウンと頷くエモートを、沙和さんは片手をあげピースのエモートをする。

 よかった。無事に倒せて。

 僕も釣られて胸をなでおろすエモートをした。


優汰(ゆうた)。先程の魔法、いいフォローだったわよ』

『はい。途中、皆さんに掛けたリジェネライフも効果的でした』


 僕の前にやってきた瑠音(ると)さんが、千麻(ちあさ)さんと一緒に笑顔を見せる。

 そうやって褒め言葉を聞くのは嬉しいけど、今回の戦闘には反省点もある。


『ま、最初に攻撃魔法でヘイト取っちまったのは失敗だったけどな』

「ご、ごめん」


 呆れ笑いを見せながら近づいてくる喜世(きよ)さんの言葉は事実。

 あれは完全に僕のミスだ。

 このボス狼との戦闘の始まりは、雑魚の狼を倒した後、突然僕達の脇に現れた相手からの完全に不意打ち。

 そこでパニックを起こした僕が、開幕からフレイムボムを当てちゃったせいでこっちにヘイトが向いて、いきなり襲われてやられてちゃったんだ。


 四人が状況を立て直して、戦闘の合間に千麻(ちあさ)さんの白魔法、リバイブを掛けて起こしてもらえたから戦線に復帰できたけど、そこまでは完全に足手まとい。いくら驚いたとはいえ、あれは不用意だったな……。


『きよっちー。あれは許したげなよー。あーし達だって突然襲われてわーってなってたしー、どれだけ攻撃したらヘイト取れるかだってわからなかったんだしさー』


 一緒に歩いてきた沙和さんが、少しふくれっ面になる。

 彼女がこうやって僕をかばってくれるのも、きっと友達だから。

 でも、喜世(きよ)さんがちゃんと苦言を呈してくれるのもまた、僕を友達だと思ってくれてるからだよね。


「でも、びっくりしてミスっちゃったのは僕だから。今後気をつけるね」

『それでいいぜ。こいつなんて最初のボスでしかねえんだ。この先もっとヤバいのもいそうだしよ』

『そうですね。それより皆さん、ちゃんと素材は剥ぎましたか?』

「あ、僕はまだ」

『そういえば忘れてましたわね。何か良い物が出るといいのだけど』

『ボス狼なんだし、しけた素材は流石に出ねーんじゃねーか?』

『よーっし。誰が一番いい素材が手に入るかー、いざ尋常にー、しょーぶー!』


 普段の制服姿とは違う、異世界らしいみんなの姿を見ながら、僕も一緒に笑顔を見せた。


      ◆   ◇   ◆


 今は丁度夜の九時になったくらい。

 既にみんなとシャインズ・ゲートを楽しんでるけど、ログインしたのはもう少し前。


 昨日みんなが家に来てくれたおかげで、家の家事はあまりしなくて済んだけど、明日から学校もあったから、昼間はそれに時間を割いた。

 そして、夜もお風呂も少し早めに済ませて、八時頃にはシャインズ・ゲートにログインしたんだ。


 そのまま既にログインしていた四人と合流し少し話し込んでいたんだけど、そこでそろそろ最初のメインクエストである狼退治を終わらせようって話になって、こうやって神聖都市ゼクセイド近くの森まで足を運んでたんだ。


      ◆   ◇   ◆


 素材を剥ぎ終えた後、僕の提案で少し森の中を彷徨った僕達。

 そこで見つけたのは、森の奥にある滝と、側に広がる小さな池だった。


『いやー、極楽極楽』

『おい沙和。ここは温泉じゃねえぞ』

『別にいいじゃーん。ゲームの中だしー、池も温泉も変わんないっしょ』

『まったく。風情がありませんわね』


 温泉のように肩まで池に浸かる、沙和さん、喜世(きよ)さん、瑠音(ると)さんの三人。

 気分を出したいからって、見た目装備を外して初期のインナー姿で入っている三人を見ながら、僕と千麻(ちあさ)さんはさっきまでと変わらない服装で、池の淵に腰を下ろしていた。


 流石にインナー姿を見るのはどうかと思ったけど、実際には下着というわけじゃなく、タンクトップにショートパンツくらいの軽装な感じで、おへそとか出たりはしてない。


 ただ、現実に合わせてるのかちゃんとはわからないけど、三人の体型差はあった。

 沙和さんは身長の割に胸が結構大きくて、喜世(きよ)さんは高い身長の割にスレンダー。瑠音(ると)さんもあまり胸が大きくない。

 流石にそういうのをジロジロ見るのは悪いし、体系を気にする女子が多いのは教室での女子の会話を耳にしてたからわかってる。

 でも、何よりそんな事を気にして見ちゃってたらっていう罪悪感もあって、その変には触れないようにしてる。


 ……でも、ここは本当に落ち着くなぁ。

 みんなをあまりジロジロとみないようにしているのもあって、気づけば周囲の景色をよく見てるんだけど、これが本当に凄い。


 木々に覆われていない池の上から見えるのは、現実と見間違うような綺麗な空。

 耳に届く木の葉が揺れる音や、時折聞こえる鳥の声。滝の流れ落ちる音なんかも本当にリアルに再現されてて、この空間はとても癒される。

 フィールドに出た矢先にこんな場所を見つけられるなんて、幸先いいかも。

 何も言わず小鳥のさえずりに耳を傾けていると。


『あーあー。もう連休も終わりかー』

『ほーんと。面倒くせえよなー』


 沙和さんと喜世(きよ)さんが、急に現実的な話をした。

 別に学校が嫌いってことはないけど、休み明けが億劫に感じる気持ちは僕にもわかる。


『ふふっ。学校がそんなに面倒だというのなら、休んだらどうですか? 代わりに毎日私が優汰(ゆうた)君のお弁当を作って持っていきますから』

『あーっ! それはだめ! ぜーったいだめーっ!』


 千麻(ちあさ)さんが眼鏡の下の目を細め微笑むと、ざばっと池の中で立ち上がった沙和さんがびしっと彼女を止めるかのように指を差す。

 あ。そういえばそんな話もあったっけ。なんかすっかり忘れてた。


『ねえ。折角だし、今のうちに優汰(ゆうた)にこの話を伝えておいたらどうかしら? 彼だって心構えもあるでしょうし』

『そうだな。優汰(ゆうた)。構わないか?』


 瑠音(ると)さんの提案に頷いた喜世(きよ)さんが問いかけてきたけど、別に断る理由はないかな。


「うん。大丈夫だよ」

『おっけー。じゃーあー、あーしが説明しまーっす!』


 元気にそう言った沙和さんは、再び池に浸かると、明日以降のことについて説明を始めてくれたんだ。

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