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オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第三章:みんな初めて

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第5話:それとこれとは別

 あの会話が終わった直後。

 無事マンションに着いた僕達は、面条さんにも協力してもらって買った荷物を整理した後、五人でダイニングにあるテーブルを囲み昼食を取っていた。

 メニューは勿論、僕が用意したサンドイッチとミネストローネ。


「このミネストローネ、本当に美味しいですね」

「ほんとだぜ。塩気と野菜の旨味のバランスが絶妙だし、味も濃すぎねえしよ」

「こちらのサンドイッチも中々の出来ね」

「ほーんと。こんなのが家で出てきたら、毎日喜んで食べちゃうっしょ」


 笑顔で手作りの料理を堪能している彼女達。

 お世辞でも褒められたらちょっと嬉しいし、作った甲斐もあったとは思ってるけど。正直今はかなり緊張してて、自分の作った料理の味もわからないまま食べている。


 こうなっている理由は、さっき話題に上がった瑠音(ると)さんと千麻(ちあさ)さんに僕の初めてを経験させるって話のせい。

 一体どんなお願いをされるのか、正直気が気でないんだよね。


 流石にキスみたいな、恋人じゃないとしなさそうな事はお願いされないと思うけど。腕を組んだり膝枕したりってだけでも、あれだけ緊張したんだ。こんな風になったって仕方ないよね……。


「ごっちそーさまーっ! はーっ。めっちゃ美味しかったー!」

「マジ美味かったな。優汰(ゆうた)。わざわざありがとな」

「う、ううん。今度来てもらった時は、また何か作るね」

「ええ。楽しみにしているわ」

「ですが、無理はなさらないでくださいね」

「大丈夫だよ。料理するの好きだし」


 味のしない食事を終えた僕は、同じく食べ終わったみんなにそう返事をする。

 ちなみに、料理が好きなのは本当。一人暮らしだから実用性もあるし、元々親の手伝いもよくしてたのもあって、料理をすること自体結構好きだったんだよね。


「さって。お腹も心も満たされたことだしー。|るとっちもちっちーも、そろそろ何してもらうか決めた?」


 ……きた。

 あっけらかんとそう口にした沙和さんの言葉を聞いて、僕は釣られて表情を固くする。


瑠音(ると)千麻(ちあさ)も、あんまり優汰(ゆうた)を困らせるようなお願いはするなよ」

「は、はい」

「そんなもの。喜世(きよ)に言われずともわかっておりますわ」


 喜世(きよ)さんにそう言われた瑠音(ると)さんと千麻(ちあさ)さんは、ごくりとつばを飲みこみ緊張した顔をする。

 この感じ……きっと二人は何をしてほしいか決めたってことだよね。

 正直、車の中みたいにみんなとの距離がすごく近いとか、触れ合っている感触があるものってかなり恥ずかしいんだけど。

 とはいえ、特別な友達である以上、ちゃんと期待には応えないと、だよね……。


 でも、初めてとはいえ、やっぱりこういうのって緊張──。


「……あ」


 そうか。


「ん? どうしたんだ?」

「あ。えっと、ふと思っちゃったことがあって」

「思ったこと、ですか?」

「う、うん。ほんとつまらない話なんだけど」


 喜世(きよ)さんや千麻(ちあさ)さんにそう答えると、急に沙和さんが目をキラキラさせる。


「うわーっ。めっちゃ気になるー!」

「あ、でも。今は瑠音(ると)さん達のお願いの話を──」

「そんなもの、後でもできますわ。優汰(ゆうた)。話してごらんなさい」


 思いついただけの話で割り込むのはって思ったけど、瑠音(ると)さん本人に譲られちゃったら流石に断れないよね。


「えっと、笑わないで聞いてもらいたいんだけど……」

「いいぜ」

「はい」

「構いませんわよ」

「でー? 何を思ったの?」


 興味津々な四人にちょっと気後れしつつも、僕はゆっくりと理由を口にする。


「えっと、その……考えてみたら、みんなと一緒にいるってだけで、僕にとっては初めてだらけなんだなって」

「初めてだらけ?」

「う、うん」


 綺麗に被ったみんなの声にちょっと驚きつつも、僕は小さく頷く。


「みんなは友達も多いし、色々経験してるから普通だと思うんだけど、僕にとってはほとんどのことが初めてなんだよね。女子の友達なんていなかったし、一人暮らしの家に友達を呼んだこともない。ゲーム内じゃそうじゃないけど、現実でこうやって友達と一緒にご飯を食べたことだってなければ、落ち着いて話したこともないなぁって……」


 みんなが神妙な顔で話を聞いてくれてるけど、それに対して何も言わない。

 もしかすると続きが気になってるのかもしれないけど。


「えっと、ほんと。それだけなんだ。ごめん」


 突然はっとした理由は本当にそれだけ。

 さっぱり空気の読めない、くだらない話をしちゃったかな?

 そんな気持ちが強くなりすぎて、僕が苦笑いをしてごまかしていると。


「……ふーん」


 沙和さんが納得したのか。目を細めにんまりした。


「つまりー。あーし達はもう優くんの初めてを、たーくさん奪っちゃったってことだよねー」

「そ、そうなるのかな?」

「おいおい。そうなるのかなって。お前が言ったことってそういう事だろ?」

「あ、そ、そっか。ごめん」


 初めてを奪ったなんて言い方をされて混乱しちゃったけど、みんなからすれば確かにそういう事になるのかも。


「謝る必要はございませんわ。私達(わたくしたち)の特別な友達という関係に、より箔がついたようなもの」

「箔って。そんな凄い話じゃないと思うけど」

「いいえ。私達にとっても、優汰(ゆうた)君の初めてを共に過ごしているということは、それだけ貴重なことですから」


 瑠音(ると)さんや千麻(ちあさ)さんは流石に大袈裟だと思うけど……。

 なんとなくくすぐったい気持ちになっていると。


「ですが。それとこれとは話は別ですわ!」


 突然、瑠音(ると)さんがバンッとテーブルに両手を突き、勢いよく立ち上がった。


 び、びっくりしたぁ……。

 目を丸くした僕をじっと見る瑠音(ると)さんの表情には、妙な必死さを感じる。


優汰(ゆうた)(わたくし)は、絶対に貴方(あなた)と触れ合う機会を頂きますわよ」


 も、もしかして、初めてを理由にスキンシップを断られると思ったのかな?


「ご、誤解させたならごめん。それは、大丈夫だから」


 本音を言えば大丈夫じゃない。

 だけど、誤解は誤解。彼女に期待だけさせておいて、やっぱり止めてほしいなんて言う気もない。

 だったら、僕ももう少し堂々としないと。


「じゃーあー、るとっちからいこっか? そこまで言い切ったんだしさー」

「え? え、ええ。わ、わたくしは構いませんわよ」

「ちっちー。おっけー?」

「はい」


 相変わらずにこにこと場を仕切る沙和さんに、瑠音(ると)さんは急に緊張した顔に戻った。

 千麻(ちあさ)さんはというと、さっきまでと違ってどこか落ち着いたように見えるけど、順番が後でほっとしたのかな?


「で? 瑠音(ると)は何をしてもらう気だよ?」


 喜世(きよ)さんが瑠音(ると)さんの顔をじっと見ながらそう促すと、瑠音(ると)さんは少し目を泳がせると、ちらりと僕を見てこう口にした。


優汰(ゆうた)(わたくし)に壁ドンを経験させなさい」


 か、壁ドン?

 僕がそれを聞いてきょとんとする中。


「うっわー! るとっちマニアックー!」


 興奮気味に反応したのは沙和さんだった。


「ほ、本気かよ!?」

「ええ。女友達が私達(わたくしたち)だけだというなら、流石にこんな経験はしていないでしょう? 違うかしら?」


 瑠音(ると)さんが立ったまま腕を組み、顔を赤く染めながらこっちを見下ろすと、釣られるように沙和さん達の視線も僕に集まる。


 経験してるかしてないかでいったら()()してないと思うけど、正直なところ確証は持てない。

 だからこそ、僕は確認のためこう返すしかなかったんだ。


「えっと、壁ドンって、何?」


 って。

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