表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オンラインゲームで知り合った友達が同じ高校のTOP4美少女達だったけど、僕は本当に友達のままでいていいの?  作者: しょぼん(´・ω・`)
第二章:ゲームのち現実

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/61

第10話:対価

 僕の言葉を聞いて、みんながまた顔を見合わせる。

 自然に話したつもりだったけど、何か顔に出ちゃってたかな?

 と、とりあえず話題を変えてごまかそう。えっと……あ、そういえば。


「そ、それより、今晩はどんな食事を作る予定なの? 食材を持ってきたようには見えなかったけど」


 そう。玄関でみんなを見た時、何かを買い込んできてる様子はなかったんだよね。

 もし買ってきてるなら、冷蔵庫に入れないといけない物もありそうだけど、そういう話も全然ないし。


「あー! そうそう。まずその話をしないとじゃーん!」


 僕のそんな疑問を聞いて、突然沙和さんがこっちに顔を向けてきた。


「ね? ね? 優くんってー、嫌いな食べ物とかある?」

「え? 嫌いな食べ物?」


 前のめりになり食い気味に質問してきた彼女の圧に、僕は一瞬言葉に詰まる。

 えっと、嫌いっていうほどじゃないけと……。


「そうだなぁ。甘辛い煮付け係かはあんまり」

「他に苦手な物はございますか?」

「後は……柑橘系の果物とか、酢の物とかの酸っぱい系は苦手だけど、それくらいかも」

「ちなみに、好きな食べ物は何かしら?」

「え? えっと、実家でよく食べてたのだと、ハンバーグとか、シチューとか、カレーとか?」


 沙和さんの言葉を皮切りに、一気にみんなからの質問が続く。

 多分これ、今晩作る料理の参考にするたね聞かれてるのかな。


「普段学校では何を食ってるんだよ?」


 え? 学校で?

 えっと、お昼のことかな?


「お、お昼は、適当に学食でパンを買ってるけど」

「どんなパンだよ?」

「うーん……一番買ってるのは焼きそばパンだけど、売ってなかったらBLTサンドとか……」


 ……あれ?

 喜世(きよ)さんの質問に答えていた僕は、ふとあることに気づく。

 僕の好き嫌いはなんとなくわかる。でも、学校でのお昼なんて、何か参考になるの?


「き、喜世(きよ)さん」

「ん? どうしたんだよ?」

「えっと、その。学食の話って、聞く意味あるかな?」

「あるに決まってんだろ? ()()()()()も作るんだから」

「そ、そっか。僕のお弁当を──え?」


 お、お弁当?

 今日は家でご飯を作るって話だったよね?

 急に外に出かける話に変わった? でも、そんな話聞いてないけど。

 僕が首を傾げたのを見て、沙和さんが普段のにこにこ顔で話しかけてくる。


「実はねー。さっき玄関先で、平日も日替わりでお弁当作ってあげたらいいんじゃなーい? って話をしてたんだよねー」

「え!? そ、そんなの悪いよ。お弁当を作るお金だって馬鹿にならないし」


 突拍子もなく飛び出してきた話題に、僕は慌てて両手を振り断りを入れる。

 だけど、それを見た四人は首を縦に振ろうとはしなかった。


「気にすんなって。一人分増えたところでそんなに変わんねーし」

「そうですよ。それに私達みんなで日替わりで担当しますから、それぞれ週に一度だけ。残りの日は優汰(ゆうた)君が自由にお昼を選んでお食べいただいて大丈夫ですから」

「もち! あーしも頑張るかんね!」

「あら。よく寝坊する貴女(あなた)に大任が務まるのかしら?」


 目にピースサインを重ねた沙和さんを見て、隣に座る瑠音(ると)さんが呆れた顔をすると、途端に沙和さんがむくれた。


「う、うっさいなー! あーしだって、愛を届ける時はちゃーんと頑張れるんだからね!」


 両手を上げ、強い言葉で抗議する沙和さん。

 ……え? 何か今、凄いことを言わなかった?


「愛を、届ける?」


 あ、愛って、どういうこと?

 突然紛れ込んできた言葉を復唱した僕に、沙和さんがゲッという顔をする。


「そそそ、そうそう! 料理は愛情って言うじゃん? あーし、料理はそこまで得意じゃないけどー、そこは愛情でカバーするしー。そりゃー、愛の籠ったお弁当を届けるんだもん。早起きしてでも頑張るに決まってるじゃん! あはははっ」


 沙和さんの慌てふためきように、他のみんなが彼女に白い目を向けているけど、もしかして、これって沙和さんなりの冗談だったのかな? 

 愛とか言われてちょっとドキッとしちゃたけど、流石に僕にそんな感情なんて持たないよね。勘違いには気をつけないと。


「でも、朝起きるの大変だよ? みんながそこまで無理しなくても──」

「無理じゃねーって。弟達の弁当も作ってるし、慣れたもんさ」

(わたくし)はお抱えのシェフに作ってもらうだけ。そのような気遣いなど無用ですわ」

「私も普段から早起きしておりますし、お弁当は自分で作っていますから」

「あ、あーしもさっき言った通り、頑張れるしー? 泥船に落ちた気持ちでいてよね!」


 ……泥船に落ちる?

 僕と同じ気持ちだったのか。びしっと言い切った沙和さんに、三人のため息が重なる。


「おいおい。それを言うなら宝船だろ?」

「そこは大船ですわ。まったく二人して……」

瑠音(ると)も間違ってはいませんが、正しくは大船に乗るですよ」


 眼鏡を直し正しく訂正した千麻(ちあさ)さんの冷静な言葉に、今度は瑠音(ると)さん達が気まずそうな顔をし、周囲が沈黙を包んだ。

 ……TOP4って凄いイメージしかなかったけど、みんなのこういうやり取りは見てて飽きないかも。


 でも、本当にお弁当までお願いしてもいいのかな?

 みんなだって学校に通うんだから、負担だってあるはず。それに……。


「みんなに学校でお弁当なんか手渡されたら、周りの人達が妬まないかな?」


 やっぱりそんな不安は拭えない。

 だからこそ、僕はそう口にしたんだけど。


「大丈夫ですよ」


 僕を安心させるようにそう言ったのは、千麻(ちあさ)さんだった。


「お互いの家がここまで近いんです。だから、朝こちらにお弁当を届けてから、別々に学校に行けば問題ありませんよね?」

「あ。確かにそれなら問題はなさそうかも……」

「でしょでしょー?」

「でも……」


 これ以上断る言い訳が思いつかないのに、僕はまたそんな言葉を口にしてしまう。

 と、それを聞いた瑠音(ると)さんが、紅茶を一度口にすると、落ち着き払った顔でこっちを見た。


優汰(ゆうた)貴方(あなた)私達(わたくしたち)の行為で申し訳ない気持ちになるというのなら、交換条件を出すわ」

「交換条件?」

「ええ」

「は? おい。何をさせる気──」

「お黙りなさい。喜世(きよ)


 驚く喜世(きよ)さんを言葉で制すと、彼女はそのまま話を続ける。


「交換条件といったけれど、どちらかといえば、貴方(あなた)私達(わたくしたち)に対価を払うだけのこと」

「対価……」

「ええ」


 迷いなく頷く瑠音(ると)さん。

 他のみんなは固唾を飲んで見守っている。


私達(わたくしたち)が望む対価は至って単純よ。これからも学校以外の場所で、私達(わたくしたち)と逢ってくれればいいわ」

「え? みんなと会う?」

「そう。シャインズ・ゲートでも、こうやってリアルでも。どこか出かけるもよし。こうやって部屋でのんびりするもよし。そんな機会を設けてもらえればいいわ。それでどうかしら?」


 それでどうって……。


「えっと……それって友達として、少しでも一緒にいればいいってことだよね?」

「ま、そういうことね」

「それって対価になるの? 友達として過ごすのって、普通な事に聞こえるけど」

「そんな事わかってますわ」


 僕の疑問に、瑠音(ると)さんが当たり前でしょと言わんばかりの顔をする。


「だけれど、今回の話のきっかけは貴方(あなた)の事を思いやる私達(わたくしたち)のわがままなのよ。本来そこに対価など求めはしないけれど、それで優汰(ゆうた)の気持ちが楽になるというのなら、そのほうがいいと思っただけですわ」


 みんなのわがまま……違う。これは瑠音(ると)さんが言う通り、みんなの思いやりだ。

 友達だからこそ、みんなはちゃんとここまで考えてくれてるんだよね。


「るとっちの言う通り! だけどー、優くんがどーしても嫌なら止めとくけど……」

「ま、嫌々受けて、申し訳なさそうに飯を食われても嬉しくねーしな」

「そうですね。優汰(ゆうた)君。いかが致しますか?」


 千麻(ちあさ)さんの問いかけに、僕は少し頭を整理すると、ゆっくりとこう返したんだ。


「えっと、わかったけど、僕からもお願いがあるんだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ