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19歩目 火傷注意報

 そんなこんなで誕生日当日。今日は午後まで大学の講義があったのですでに夕方になっていた。私はこれから桐木君の家に初めて行く。


 なんか流れでこうなっちゃったけど本当に良かったのかな…。まあ家に来ていいって言ったのは桐木君本人だけど、あれはお母さんが急に変なこと言ったから気を使ってくれただけかもしれないし…


 そんなことを考えつつ私は桐木君の家に向かって歩きながら自分の服を確認する。


 うーん…服装もこれでいいのかな…?いつもよりはおしゃれにしてきたつもりだけどあんまり気合入れすぎるのも変だよね。でもどうしよう…桐木君の家がドレスコードちゃんとしてないと入れない高級レストランと同じシステムの家だったら…


 なんて余計なことを考えてたらあっという間に桐木君の家に到着していた。


 やっぱり一人で住むには大きすぎるよなぁこの家…


 私は桐木君の家全体を俯瞰して見るとなんだか少し寂しい気持ちになっていた。


 いや今は桐木君待たせてるんだからそんなこと考えるよりも早く呼び鈴押さないと…!


 私が呼び鈴を押すと返事はすぐに返ってきた。


『はーい。あ、小山ちゃん?今鍵開けるからちょっと待ってて』


 その返事から間もなくしてガチャリと鍵が開く音がして扉は開いた。


「あ…桐木君、今日はありがとね。おじゃまします…」


「おじゃまされます」


 普通いらっしゃいとかだろ。なんだそのあいさつ。


「小山ちゃん、かしこまる必要はないから。適当にくつろいでいいよ」


 適当にって…そんな無茶な…私、結構緊張してるんですけど。


「あ、リビングこっちね」


 私は桐木君に案内されるがままに移動した。

 それにしても男子の一人暮らしとは思いきれないくらいきれいにされてるな。昔から几帳面ではあったけど家でもそうなのか。


「そうだ、桐木君これ遅れたけど誕生日プレゼントね。先に渡しとくよ」


「律儀だね小山ちゃんも。えーと、これはお酒かな?」


「うん、シャンパン。お酒飲み慣れてない人でも飲みやすいって口コミされてるやつ買った」


 なにプレゼントしようか散々迷った挙句、結局無難なものを選びました。


「わざわざありがとう。それで、えー…っと」


 ん?なんだ、急に口よどみだしたけど…


「俺も小山ちゃんに選んだプレゼントお酒なんだよね…」


 あー…被ったかー…。でもそうだよなぁ。ハタチに送るプレゼントなんて大体酒だよなぁ…


「ま、まぁいいんじゃない?飲み比べ?とかできるし」


「それもそっか。とりあえず冷蔵庫に入れとくね。小山ちゃんそこのソファ座ってていいよ」


「あざっす…」


 緊張しすぎてなんか後輩キャラみたいな返事しちゃった。

 私は改めて部屋をきょろきょろと見渡す。

 ここが普段桐木君が過ごしてるところか…。なんか変な気分だ…


「どしたのそんなきょろきょろして。もしかして脱出経路でも確認してる?」


「してないよ!?」


 私を泥棒かなにかだと思ってるのか。いや今のは私が挙動不審すぎただけか…


「小山ちゃんは麦茶か紅茶かコーヒーの御三家ならどれ選ぶ?」


 そんなポケモンみたいな感じで提示してくるんだ…


「その御三家全部水タイプだね。麦茶で頼むよ」


 程なくして桐木君は麦茶を運んできた。どうやら桐木君も麦茶を飲むようだ。


「どうする?ご飯はまだ早いよね?ゲームでもする?」


「そうしよう。なんのゲームあるの?」


「マリカーとか」


「じゃあそれにしよう!」


 ふふ、私のドラテクが火を噴くぜ!!


「桐木君っ!そこのショトカは道交法違反だよ!!」


「レースゲームに道交法とかないから…」


 ─桐木WIN!─


「ふふっ!今度は私のボロ勝ちだったね!」


「あのタイミングで雷さえ来なければ…なんでこのレース場には避雷針がないんだ…」


 ─小山WIN!─


 その後何度か走ったが私たちの実力は拮抗していた。

 くそぅ…テニスのときの仕返しがしたかったんだけどな。思いのほかやるな桐木君。次こそはボコボコに…


「小山ちゃん、そろそろご飯にする?」


 桐木君の声でふと我に返りスマホで時間を確認する。確かに立派な夕飯時の時間だ。なんか意識したらお腹減ってきたかも…


「確かピザ頼むって話だったよね」


 そう言って桐木君は宅配ピザのサイトをスマホで確認する。


「桐木君はなに食べたいの?」


「俺はプルコギのやつ食べたいかな。小山ちゃんは?」


 私は桐木君のスマホを覗き込んでピザの種類を確認した。

 うーん。悩むなぁ…でもここは…


「私は定番だけどマルゲリータ食べたいかな」


 返事をしたあと桐木君の顔を見る。

 って顔近っ!!?ピザ決めるのに夢中でいつのまにかめっちゃ桐木君に近づいてた!!昨日かほちゃんに変なこと言われたから余計に意識しちゃうじゃん!?

 でも桐木君もこの距離は流石に意識するのでは。そう思い私は再度桐木君を見つめた。


「えっ、なんでメンチ切ってるの?もしかして喧嘩売ってる?ピザとのセット売りですか?」


 まるで意識されてない……!!意識してたのは私だけ……!!


 そんなこんなで注文を終えてピザが配達されるまで私たちは再びゲームをして時間を潰していた。程なくして呼び鈴が鳴る。どうやらピザが届いたようで桐木君が受け取りにいってくれている。

 はぁー…なんかあつい…。ゲームが白熱したってのもあるけどいろんな意味で…


「小山ちゃん届いたよ。それにしても最近の保温技術はすごいね。まだあったかいよ」


 桐木君はピザをテーブルに置き言葉を続けた。


「火傷には気を付けて」



    第19話 火傷注意報


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