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西遊記龍華伝  作者: 小桃
45/51

玉の役目

源蔵三蔵 十九歳


どう言う事だ?


玉が死ぬ為に生かされてるって事なのか?


「観音菩薩は、玉を…。また、死なせる為に生かしたのか?」


俺がそう言うと、玉は首を横に振った。


「私がそう願ったから」


「願った…って、玉が?」


毛女郎けじょろうと同じような事を思ってるのかな。


「玉は、沙悟浄の事が好きだから死ねるって事?」


「そうね…。好きは好きよ?ただ、私のは恋愛感情とは別の感情ね」


「別の感情?」


「ふふ、貴方にはまだ分からないかもしれないけど。恋愛感情とは違う好きもあるのよ?」


そう言って、玉は微笑んだ。


なんか玉の発言が大人に聞こえてくる…。


「確か、玉は沙悟浄に助けられたって言ってたけど…。どう言う事?」


「天界にいた頃ね、私はあの人に拾われたの」


***


あれは、天界の空を大きく包んだ雨雲が、雨を降らせていた頃の事。


ドカッ!!!


「おらっ!!」


「あははは!!!」


私を球遊びように蹴って遊ぶ人間を、どうかしてると思っていた。


腰には剣が下げられていて、悪い妖怪や悪い人を倒すであろう兵士の格好をした人間。


そんな人間が、猫の私を虐めて楽しんでいる。


こんな人間こそが、私は"化け物"だと思った。


神様がこの世界にいるのなら、こんな動物も助けてくれるものじゃないのだろうか。


神様なんて、いるはずがない。


ザッ、ザッ。


「お前等、サボって何をしてるんだ?こんな雨の中」


煙管の香りが鼻を通った。


ボヤけた視線で白い煙の先を辿ると、そこに立っていたのは、黒い傘を差している男だった。


「け、捲簾大将!?」


「ど、どうして、こちらに!?」


「あ?一服にし来たんだよ。お前等、猫なんか虐めて楽しいのか?」


「「し、失礼します!!」」


タタタタタタタッ!!


男達は傘を差している男を見て、どこかに行ってしまった。


「ったく、ガキみてーな事しやがって」


傘から見えたのは鮮やかな青色の髪を靡かせ、白い肌に雨粒が伝って緑色の瞳が私を捕らえた。


なんて、綺麗な瞳なんだろう…。


男の手が優しく、私の体に触れようとした。


また、何かされる!!


そう思った私は、男の手に噛み付いた。


ガブッ!!


私は思いっきり男の手に歯を食い込ませると、血が

ポタポタと流れ始めた。


「ゔーゔ!!!」


「そりゃ、怖いよな。お前の気が済むまで噛んどけ。だけど、俺はお前を手当したいから抱くな」


男はそう言って私の体を抱き上げると、歩き出した。


私が噛んでる事を気にせずに雨の中を歩いている姿を見て、自然と手を噛んでいた口を離した。


雨が傘に当たる音が眠気を誘う。


男の乱暴な足音が心地良く聞こえる。


瞼が段々と重くなって行くのを感じていると、男の

大きな手が優しく頭に触れた。


ポンポンポンって、優しく頭を撫でてくれる手が心地よさを運んで来る。


いつの間にか、私は眠ってしまっていた。



「あぁ、悪りな。手当でして貰って」


「まさか、捲簾が子猫を連れて来るとは…」


「うっせ。金蝉、猫って何をあげたら良いんだ?」


「え、捲簾…。何も知らないんだな…」


「あ?」


ん…?


話し声がする…。


「紙に書いといたから大丈夫だよ」


「助かる」


「また、何かあったら呼んで」


「あぁ、じゃーな」


パタン。


扉が閉まる音がした後、再び煙管の香りが鼻を通った。


私は瞼をゆっくり開け、周囲を見渡した。


家具の少ない部屋…。


服も脱ぎっぱなしだし、男の部屋なのは確かだ。


「お、目覚めたか。」


目の前に現れたのは上半身裸の男だった。


その男はさっき、私を助けた男だ。


「目が覚めたって事は大丈夫そう…だな。金蝉が手当てしたんだから大丈夫か」


男はそう言って、再び煙管を咥えた。


「お前、怪我が治るまで家にいろよ。怪我が治ったら出て行けば良いし」


コンコンッ。


突然聞こえて来たノック音に、体がビクッと反応した。


「捲簾、そろそろ会議が始まんぞ」


この男は捲簾と言うのか。


「あー、はいはい」


捲簾は怠そうに脱ぎ捨てた服を手に取り、服を着ていた。


パチッ。


服を着た捲簾と目が合った。


「すぐ戻ってくる」


私にそう言って、部屋を出て行ってしまった。


ふーん。


帰って来るんだ。


私の尻尾が横に振っているのが分かった。


あの人は、もしかして凄く優しい人なのかもしれない。


手当てもしてくれたし。


ご飯も用意してくれた。


怪我が治るまでは一緒にいられるのか。


ふーん。


私は捲簾が出て行った扉を見つめた。


早く帰って来ないかな…。


そう思いながら扉を見つめた。


それから捲簾は私を可愛がってくれ、私の事を「玉」と呼ぶようになった。


捲簾に撫でられるのが好きだった。


捲簾の膝の上に座るのが好きだった。


捲簾と一緒に眠るのが好きだった。


怪我が治った私を捲簾は、ずっと側に置いてくれた。


嬉しかった。


私はずっと、この人に飼われていたかった。


なのに、どうして?


どうして、私の前から姿を消したの?



拾われてから二年が経った頃だった。


あの人が帰ってこなくなった。


待っても、待ってもあの人は帰ってこなかった。


扉の前で、私はずっとあの人を待ち続けた。


季節は巡っても、あの人は帰ってこない。


ご飯を食べずに私はずっと扉の前から離れなかった。


あの人がいない寂しさのせいで、ご飯が喉を通らなかった。


立つ事さえも出来なくなった私はボーッと閉ざされた扉を見つめていた。


どれだけ鳴いてもあの人は帰ってこない。


あの人がいないこの家で、私は生きてる意味があるのだろうか。


だったらいっその事、このまま死んだ方が良い。


そう思った瞬間、閉ざされていた扉が開いた。


ガチャ。


帰って来た!!


私は最後の力を振り絞って顔を上げた。


だが、そこにいたのは捲簾じゃなく、長い黒髪を靡かせた女の人だった。


「君が捲簾の猫だな?」


男の声?


この人は女の人じゃなかったのか…。


反応すら出来ない私を男は抱き上げ、口を開いた。


「捲簾をずっと待ってたのか。餌も食べずに大義なものだ」


瞼が重い…。


体が鉛みたいに重い…。


だけど、この人の言葉が頭の中に、スッと入って来る。


「お前に知らせがあってここに来た。お前の主人は下界へ降りた、友を救う為に。だが、アイツはきっとお前が必要になる」


あの人が…、私を必要になる…?


「それに、五百年後に死と生の分岐点に打ち当たる。どちらかの分岐点を決めるのはお前になる」


瞼が上がらない…。


「お前の肉体はもう死んだ。だから、魂になったお前に尋ねる」


「…え?」


私の体が見える?


どうして?


男に抱かれている姿を見下ろしているのだろう…?


私が魂になったって言ったよね…?


じゃあ、今のこの状況は私が死んだから見えてる光景なの?


「玉と言ったな。玉、お前は主人の為にどこまでやれる?」


男の言葉は私の中に深く刺さった。


あの人の為に私は何をしてあげられる?


私はあの人に助けてもらってばかりだった。


ご飯を食べさせてくれて、お家にいさせてくれて、

私を可愛がってくれた。


あの人は私に沢山のものを与えてくれた。


死にそうになっていた私を拾ってくれた。


そんなあの人が、死にそうになるって事?


そんなの、そんなの嫌だ。


私は、あの人を死なせたくない。


「私は、あの人の為ならなんだってする。例えそれで命を落としたとしても、この命はあの人の物。私を必要としてくれる捲簾の為なら喜んで命を差し出すわ」


私がそう言うと、男はフッと笑った。


「それ程までに捲簾を愛しているのか。分かった、

お前の輪廻転生の時間を早める」


男がそう言うと、私の体が光に包まれた。


チカチカチカチカッ…。


光の大きな時計が現れ凄い速さで針が回り始めた。


魂になった私は元の自分の体に吸い込まれた。


何がどうなっているのか分からなかった。


自分の体が自分の物じゃなくなる感覚に支配された。


光の大きな時計が私の体の中に入り込んで来た。


前の体より少し大きくなったのを感じる。


それに、一本だった尻尾が三本になってる…。


「今の玉は普通の猫じゃなくなった。妖怪"猫又"として生きて行く事になる」


「私は妖になった…って事かしら?」


「そうだ。今、こうして会話出来ているのも妖になったからだ。普通の猫だと会話は出来なかっただろ?」


「言われてみたらそうね…。それより、捲簾はどこにいるの!?下界ってどこなの?そこに行けば捲簾に会えるの?」


私はそう言って男に尋ねた。


「玉のいるここは天界と言って、上の世界なんだ。そして捲簾はこの下の世界にいるんだ」


「下の…世界?捲簾は、友を救う為に落ちたって言っていたけど、その友は捲簾にとって大事な人なのよね?」


「あぁ。アイツ等は捲簾の人生において重要な人物達だ。捲簾が生きるも死ぬのもアイツ等が深く関わる。そして、お前がその鍵を握っている」


わ、私が…?


この人は一体…、どこまで知っているの?


「貴方は何者なの?」


「あ、名乗るのを忘れてた。僕の名前は観音菩薩だ。僕は未来を先読み出来る能力を持っていてね。最悪な未来を防ぐ為に動いている」


「未来を先読み…って、つまりは未来を予知するって事?だから、捲簾にこの先に起こる事が分かったのね」


観音菩薩と名乗った男、この人はきっと凄い人なんだと思う。


だって、雰囲気が全然…、違う。


神々しい雰囲気を漂わせている…。


この人が私に捲簾の事を頼んで来るのも、必然だったかのように悟らされる。


捲簾…。


貴方を助けられるなら、私は…。


「今すぐ捲簾の所に行く。今すぐに行かないときっと、駄目な気がするのよ」


直感的にそう感じた。


何故かは分らないけど、そう感じたのだ。


「分かった」


観音菩薩はそう言って指を早く動かした。


すると、光の扉が現れた。


「この扉は…?」


「私が一時的に作った扉だ。そして捲簾が落ちたとされる場所に繋がっている」


「っ!!」


「だが、もし捲簾がいなかったとしても、絶対に現れる。だから…」


「待ってる」


観音菩薩が、何を言おうとしているのか分かった。


「ずっと、待ってる。また会えるのだから。待つのは慣れてるわ」


今回は寂しくない。


だって、また会えるのだから。


私は開かれた扉の中を潜った。


眩しい光に包まれた私は強く目を瞑った。




ひんやりと冷たい風が肌を通った。


目を開けると、私は水が綺麗な洞窟の中にいた。


透き通った水に岩の隙間から溢れた月夜が反射して輝いていた。


「綺麗な洞窟…」


私は感想を口に出しながら、洞窟の中を探索してみた。


水晶のような綺麗な氷柱が、あちらこちらから生えている。


さっき見た湖とは違う大きな湖が見えて来た。


ポタッ…。


ポタッ…。


水の滴る音がさっきより耳に入って来る。


「っあ…」


大きな湖の水に浸かりながら、眠っている捲簾の姿があった。


捲簾の体はボロボロで、頭から沢山の血が流れていた。


「捲簾!?」


タタタタタタタッ!!


私は慌てて捲簾の側に駆け寄った。


「捲簾っ、捲簾!!」


何度も呼び掛けても捲簾は返事をしてくれない。


「捲簾…、やっと、やっと会えたのに…」


私の涙がポタッと、捲簾の拳に落ちた。


ピクッ。


捲簾の拳がピクッと反応し、怠そうに瞳を開けた。


「捲簾!?良かった…、目を覚まして」


「…いってぇ…」


「だ、大丈夫!?」


捲簾は頭を押さえながら、湖の中から出た。


ザパァ…。


「お前…は、玉か?」


「っ!?わ、私の事が分かる?そうだよ、私は玉だ

よ?この怪我は…、どうしたの?」


「…?ここはどこだ?何で、こんな怪我をしてるんだ?思い出せねぇ…。自分の名前さえもわからねぇ…」


もしかして、記憶がない…?


私の事しか覚えてない…?


捲簾は、自分の名前すらも分かっていないのは…、

下界に落ちた時に強く頭を打った可能性がある。


だとしたら、一時的に記憶を失っているのかも。


今の捲簾には、私が必要なんだ。


こんなに弱ってる彼を見るのは初めてだ。


「大丈夫だよ。 」


「?」


私の言葉を聞いた捲簾は不思議そうな顔をした。


「私は貴方を知っている。貴方の側にずっといると誓ったもの。貴方がこの先、何者になっても私は側にいるわ」


「…そうか」


「だから、心配しないで。今度は、今度は私が貴方を守るから」


私がそう言うと、捲簾がフッと笑った。


「お前に守られてたら男じゃねーだろって、何で玉とこうやって会話出来てるんだ?」


「あ、あー。えっと、実はね?私、猫又って言う妖だったの。捲簾には黙ってたんだけど」


なんとなく捲簾には、私が死んで妖になった事は言わない方が良い気がした。


「腹減った…」


捲簾はそう言って怠そうに転がった。


「私、何が持って来る!!ここで待ってて!!」


私は急いで何か果物が落ちていないか、探しに行った。


何か、何か、ないのかしら!!


フワッ。


甘い果物の匂いがした。


匂いのした方に足を運ぶと、大きな木が生えていた。


大きな木に青い林檎がなっていて、とても甘い香りがした。


あ、あの林檎を取って行こう。


そう思った私は一歩踏み出すと、細い木の枝が私の周りを囲むように伸びて来た。


「我の領地に何用だ?」


年老いた男の声がした。


よく見ると、大きな木の下にお爺さんがいた。


もしかして、このお爺さんは妖?


人間な感じがしない気がする…。


「あ、あの、果物を分けて欲しくて…」


「おや、この果実が欲しかったのか」


お爺さんはそう言って、木の枝を操り何個か青い林檎を木から取ってくれた。


「欲しいなら分けてやるよ。何せ沢山あるからの」


「ありがとう。どうやって持って行こうかしら…」


「おお、そうじゃな」


シュルルルッ…。


大きな葉っぱが林檎を包み、葉っぱの手提げ袋に早変わりした。


これなら、口に咥えて持って行ける。


「ありがとうお爺さん。私、行くわね!!」


葉っぱの手提げ部分を口に咥え、再び走り出した。


タタタタタタタッ!!


「捲簾!!」


私が名前を呼ぶと、捲簾は視線だけ私の方に向けた。


「林檎を持って来たから食べて」


「これ…、林檎のなのか?」


「色が違うだけよ?ほら、食べて!!」


「あ、あぁ…」


捲簾はそう言って渋々、林檎を食べ始めた。


シャリ…、シャリ…。


「ど、どう?」


「普通の林檎だな」


林檎を食べている捲簾の手に目に止まった。


捲簾の拳に"沙"と言う字が浮かび上がっていて、体の傷も治って来ていた。


それに、ボロボロになった服から見えている肌の部分から青色の蛇の入れ墨が見えた。


捲簾は入れ墨は入っていない。


あの林檎を食べてから捲簾の体が変わった…?


「か、体は大丈夫?」


「体?あ、傷が治ってる。あ?なんだこれ?」


捲簾はそう言って、不思議そうに入れ墨を見ていた。


きっと、捲簾は私と同じになってしまった。


私の持って来た青林檎の所為だ。


あの人の匂いと私と同じ妖の匂いが混じってる。


私がこの人を変えてしまったのだと思い知らされる。


捲簾を人間じゃなくしてしまった。


捲簾の為にと思ってした事が、捲簾を妖にしてしまった。


これは私の罪だ。


捲簾が記憶を取り戻してしまったら、きっと私を恨むだろう。


あのお爺さんを信用して青林檎を持って来てしまったから…。


だけど、私はこの人にどんな形でも良いから生きて欲しい。


***


そして、現在に至るー


「妖が作った果実を食べて捲簾は妖になって沙悟浄と名乗るようになったのか…。でも、玉は知らなかったんだろ?」


「知らなかったじゃ済まないでしょ?私も観音菩薩から聞かなきゃ、禁忌だって事は分からなかったもの」


「玉はアイツの為にしたんだろ」


三蔵はそう言って、私を見つめて来た。


この子は本当に優しい子供だわ。


「アイツは玉の事を恨んだりしないだろ?」


「ふふ、優しいのね」


「優しいか?」


「えぇ」


やっぱり、貴方達が捲簾の人生に大きく関わる人物なのね。


捲簾に引き寄せられて側にいる緑来や陽春、妖達の今の生活を手放したくないと思ってしまっている。


皆んなと過ごす日々が楽しくて仕方がなかった。


「手放す時が来たって事よね」


「え?」


「なんでもないわ。貴方、名前は?」


「俺?三蔵だけど…」


「三蔵ね。あの人の事を宜しくね」


私の言葉を聞いた三蔵は、不思議そうな顔をしていた。


今だけは、今だけは捲簾の側にいる事を許して欲しいの。


そう思いながら、私は満月を見つめた。


***


その頃、悟空達は上空の上にいた。


「ちょ、ちょ!?速過ぎるだろこの雲!?」


猪八戒は悟空の体にしがみ付きながら叫んだ。


「早くしてんだから早いに決まってんだろ?って、俺にしがみ付くな!!離れろ!!!」


「離れたら落ちるだろうが!?」


「落ちねーわ!!」


「ふ、二人共、落ち着いて下さい!!」


悟空と猪八戒の言い合いを黒風が割って入った。


「あと、どれくらいで着きそうだ?」


「もうすぐです!!」


「さっきからそう言ってるよな、お前」


悟空はそう言って黒風をキッと睨み付けた。


「ほ、本当に着きますよ!?あ、ほ、ほら!!見えて来ました!!」


「「…あ?」」


悟空と猪八戒の声が重なった。


何故なら、黒風が指を差した建物は、岩で出来た海に浮かぶ大きな城だったからだ。


「何だこの建物…は」


「岩で出来てんだな。へー、作り込んでるなー」


「作り込んでるなーって、適当な返答だなー悟空」


悟空の言葉を聞いた猪八戒は少し呆れた様子だった。


「とりあえず、大きい岩の出っ張りの所に着地するぞ。 」


悟空はそう言って、指をグイッと曲げた。


筋斗雲がゆっくりと、岩の出っ張り部分に着地した。


悟空と猪八戒、黒風は無事に岩の城に到着したのだった。


「とりあえず、無事に着いたな」


「この中に三蔵さんがいるんですね…」


猪八戒と黒風が会話している中、悟空は如意棒を取り出していた。


悟空の様子を見た猪八戒も銃を取り出した。


「さて…と。サクッと三蔵を取り戻しに行きますかね」


そう言って悟空は如意棒を構え直した。


沙悟浄の城に着いた悟空達は、三蔵を救出すべく中に先入したのだった。


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