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伝えたかった事は その八

作者: ミナミナ


メールの次の日あの子が家に来た


一年近く会わなかったら少し大人びてたから少し焦った


髪もかなり伸びてちょっと雰囲気が

違う人みたい


もう、二十代の中盤

初めて会った時の子供の様な雰囲気は消えてた


ドア開けて入って来た


きたぞー!


飼ってる猫があの子によっていく


うわぁ、ミーたん元気にしてた?


一年ぶりだから忘れたやろ


あの子の手の匂いをずっと嗅いでる

しばらくして思い出した様にスリスリしはじめた


おぼえとー! 

ほら、見て、おぼえとーとよ!


嬉しそうに叫んでる


この猫はあの子とは二人で保護施設まで引き取りに行ってもらってきた猫


疲れて自分が寝てる時は

猫とソファーであの子はいつも一緒にすごしてた

明け方毛布に包まって猫と一緒に寝てたのをよく見たことある

飼い主と寝ると足元にしか来ないのにね


ご飯はすき焼きにした

奮発して高い肉を買ってきた

やっぱり誰かの為じゃないと料理はヤル気がでない

一人分だと凝った料理はまずしない


笑いながら食べるあの子を見てた


うまーうまー!

しあわせだー!


よかったね


ねぇ、ねぇ、聞いて聞いて

レジ打ってたらさ

男の人に連絡先の紙もらったちゃん


うそやろ!?

そんなドラマみたいな事絶対にあるわけないだろ


2回目やもん!

うはは!


そんな男いるの?

不公平だ

世の中おかしいだろ


滲み出るあたしの可愛さにみんなメロメロなんだよ!

おほほ


いや、中身は30点だろ・・


顔面30点のおっさんよりましだわ!


ちょ、おま、ひどすぎるだろ




久しぶりだけどいつもの様な会話

バカな話ばっかりしてた



しばらくして少し沈黙があった




俯いてる肩が少し震えてた


下を向きながらすすり泣いてる

たまに嗚咽しながら


タオルを渡して

初めて女性の頭を軽くポンポンした

これが正解なのかもわからん


けっこう勇気がいった

それぐらいしかできない

自分の精一杯だった



何も聞かないほうがいいと思いしばらく黙ってた


あの子の泣く姿はこれで2度目

泣くのはやっぱり見たくない



何も言わないあの子

けっこう時間は流れていった






どっか旅行でもいこうか?



泣き笑いながら


行きたい!行きたい!


やっと笑ってくれたよ





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