7.分かってるわ、接続テストでしょ?-これが自分でない体なの!-
全43話予定です
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二人の手術は無事に終わり、しばらくした頃には麻酔も切れていた。
「痛むかい?」
カズが二人に声をかける。
「何かチクチクするわね」
「痺れとは違うのですが」
それぞれに感想を漏らす。
「痛みが無いようならいいんだ。神経をいじってるから少し痺れたり違和感があるかもしれないけど直ぐに慣れるよ。そんな大手術をしたあとで悪いんだけど」
とカズが言うと、
「分かってるわ、接続テストでしょ?」
クリスが麻酔から切れる前にトリシャにはクリスにした説明と同じものをしておいた。
「そう。じゃあ、トリシャからだね。その機械に座って」
そうカズに言われるがまま部屋の中央から少し離れたところにある椅子に座る。
「じゃあ、ケーブルを刺すよ」
そう言ってカズ自らケーブルを刺す。そのあと職員に合図を出すと、
「パイロットの神経系を切断、疑似回路に接続……完了」
と合成音声の声が響く。
「トリシャどう、動ける?」
カズがトリシャに話しかけると、
「……これが自分でない体なの!」
「その様子だと上手くいってるみたいだね。今、体に触ってるけど感覚はあるかい?」
カズがトリシャの手を握る。
「いいえ、全く。この機械の中では私は動いてるんだけど、そっちの体は動いてないの?」
まだ驚きが隠せない様子だ。
「全然動いてないよ。首から上は何もしてないから耳もおかしくはないでしょ? 口も、ちゃんと喋られているみたいだし。よし、じゃあ一通りの試験をするよ」
そう言ってまた職員に合図すると、
「針で刺されるような感覚があるわ。あ、今度は撫でられているような、くすぐられてる? 熱いわ、今度は冷たい」
一通りの感覚を受け取ることが出来るようだ。
「す、すごい。私たちはこんな風になったんですね」
横で麻酔の切れたクリスが見守っている。その声は感動、の一言だろう。現に試したくてそわそわしているように見える。
「よし、一通り終わったみたいだから接続を戻すよ」
「疑似回路の神経系を切断、パイロットに接続……完了」
と再度合成音声の声が響く。
「どう?」
「すごい、これが現実で出来るなら今までよりずっと上手く動かせると思う」
素直な感想だ。
「次にクリス、座って」
「はいご主人様」
「ここでは大尉と……まぁ、いいよ。じゃあ接続するね」
そうしてクリスもトリシャと同じく驚きをもって実体験したのだ。
全43話予定です